2.クールな美少女の意外な一面
2.クールな美少女の意外な一面
「藤崎くんは、お弁当派なんだね」
「まあな。親が作ってくれてるから」
「……いいな」
「え?」
「私、料理とか得意じゃなくて」
「そうなのか?」
由愛ほどの美少女なら、何でも完璧にこなしそうなイメージがある。
しかし、彼女は少し恥ずかしそうに視線を落とした。
「うん。……この間、卵焼きを作ろうとしたら、スクランブルエッグになった」
「……それは、あるあるだな」
「でも、そのスクランブルエッグも、最終的に焦がした」
「……なるほど」
まさかの料理音痴疑惑。
周囲から「クールで完璧」と思われている彼女だが、実はそうでもないらしい。
「じゃあ、お弁当は?」
「コンビニで買ってるよ。今日はサンドイッチ」
そう言って、由愛は袋からサンドイッチを取り出した。
「パン派なのか?」
「ううん、たまたま。いつもはおにぎりが多いかな」
「へえ……意外と普通だな」
「普通って……どういうこと?」
由愛が少し不満そうに唇を尖らせる。
「いや、クールビューティーな橘さんは、高級なフレンチとか食べてるかと思って」
「……そんなわけないでしょ」
クスッと笑う彼女の表情は、いつものクールな雰囲気とは違い、どこか柔らかかった。
(……やっぱり、イメージと違うところがあるな)
美しくて近寄りがたいと思っていたが、話してみると意外と普通の高校生らしい一面がある。
そんなギャップに、陽翔は少し興味を持ち始めていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この小説を読んで、少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです 。
感想のお手紙で「面白い」などのコメントをいただけると最高です!(本人褒められて伸びるタイプ)
お手数だと思いますが、ご協力頂けたら本当にありがたい限りです <(_ _)>ペコ