なんかいろいろ崩壊してる……
ここは真冬の北海道。防寒のためにしっかり服を着込んでも、日がな一日、踏切のそばに座って行き交う列車と人々を見てたんだし。
寒波も勢いを取り戻しているなか、お外でじっとしていれば身体は冷えてくるし、身体が冷えればトイレが恋しくなる。
でも大丈夫。だってこの場所はあたしのお気に入りだから、周りのお手洗いポイントも頭に入れてる。
よし、行こう!
……あちゃー、全滅……。
コミュニティセンターは休館日だったし、例年は使える公園のトイレが今年は雪が多いとかで使えなかったり、わりと当てにしてた所は改築中だったり、最も頼りにしてた所が、すでに役目を終えていたり、その他もろもろ。
一年振りだの二年振りだのに再訪してるのだから、状況が変わるのは仕方ないけど、今回は特にツキが無いというか、ウィルス感染症とか不景気とかやり過ぎの公共予算削減とか、一気にどーんと集めてぶつけられた感じ。
コンビニのトイレを借りる手もあるけど、今朝ミルクティーを買ってしまったのでこれ以上の買い物は財布に厳しい。だいいち、何も買わないでトイレだけ借りるのは気まずいし、それはコンビニに限った話でもないし。
ガソリンスタンドの場所も知ってるけど、昨日たまたま安売りに巡り合ったのをいいことに満タンにしてしまった。
でもこうして逡巡しているうちにも、尿意はどんどん強くなってゆく。
よし、このままここに居ても何も解決しない。迷う暇があったら動こう。可能性のある方へ。
ここからだと、例の踏切に戻るよりも駅が近い。臨機応変にいこう。
——
……うーん。機に臨んで変化に応じたつもりだったのに、それは報われなかった。
トイレ、混んでる。
そっか、受験シーズンだもんね。ここは高校の最寄駅だし、いまの時刻って、ちょうど試験が終わって受験生が駅にやって来る頃合いじゃん。
あーもー、なんで校舎で済ませてこないかなあ? って、ずーっと雪の中で座ってたあたしも言える立場じゃないか。試験が終わった途端に緊張の糸が切れて、早く帰ろうってなるよね、わかる。んで十分かそこら歩いて駅が見えたところでさらに安心して、そこで気が付くんだろうね。行かなきゃ、って。
この駅は朝の通勤通学の時間が終わって、朝に駅から出て来た高校生が放課で戻ってくるまでは静かなところ。コンパクトに出来上がった街並みが広がり、行き交う人も程々な、のどかな雰囲気。
だから、年に一回大勢の受験生がやってくることは想定して無いんだと思う。
ならば、あたしも並んで、行儀よく順番を待たなきゃね、って、あれ?
あたしの前に並んでた子たちが、列を外れて駅の方に小走りで向かって行っちゃった。
えっと、
あ、そっか、電車が来る時刻なんだ。この辺は都心部に比べたら列車の本数が少ないから、乗り逃すと結構待たなきゃだし、なんなら電車に乗っちゃって、車内のトイレを使ってもいいし。
彼女たちには悪いけど、あたし的には、助かっちゃった。
はずだったのに、あれ? そのニが発生。
彼女たち、戻ってきちゃった。
電車に乗り遅れちゃって、しかも駅の中のトイレがいっぱいだったのかな。あそこ、個室が少ないから。
でも次の電車まで、そんなに時間は無いんじゃないかな。しょっ中やってくるわけじゃないけど、むっちゃ長いこと待つような駅でもないはず、だけど……。
「あの……、どうぞ」
「え、いいんですか?」
「う、うん。あたし、電車じゃないから」
「ありがとーございまーす!」
元気にお礼を言って去ってゆく彼女たちを見送るあたし。読みは当たってて、駅構内の数少ないトイレは満員、電車が到着したら先に並んでた人が一目散にトイレへ、仕方なくその電車を見送ったら駅のトイレにはその電車から降りた人たちが並んでた、そこの列に付いたら次の電車にも間に合いそうにない、出発をしてしまいそうという中途半端な状況になってしまったのだとか。
幸いにも、あたしの前に並んでた人たちは無事入室済みで、程なくひとつの個室が開いたので、あたしは彼女たちに、お先にどうぞと満面の笑顔。
実際には引きつった笑い顔になってるかもだけど。
そして次々と空いた個室にその子達を譲りまくる。女子って不思議なもので、個室に入るのが同時だったら出るのも同時だったりするので、全員集合せーのでお帰りするまで、あたしは待つことになる。
あたしの中で切迫感が強まっていく。でもそろそろ、受験生ちゃん達が来る前から個室で頑張ってたおばあちゃんが出てくる気配。
よし、今度こそ、あたしの番……。
「ママー! もれちゃう、もれちゃうよぉ!」
背後からは、あたしよりもっと切羽詰まった感のある声。振り返ると、もこもこのフードが付いたオーバーコートを着た女の子。かわいい。
けど、内股になって、ももの間に両手を挟み込み、左右の足を小刻みにじたばたさせている。
「もう少しだから。それとも、駅に行く? 電車行っちゃったから、今なら空いてるかも」
「むりー!」
もう歩けないのかな? その気持ちをお母さんに涙目で訴える女の子。
「だったら行儀よく待つのよ、いい子なんだから」
諭すように、女の子をなだめようとするお母さん。女の子の気持ちもわかるよ。あたしもおんなじ状態だから。
その時、おばあちゃんの使っていた個室からパタンと扉の開く音。やった! 間に合った! これで、やっと、やっと……。
「……あの、よろしければ、お先にどうぞ」
「本当に、ありがとうございました」
「どうも、ありがとう、ございました!」
扉の外と中から気持ちの良いお礼が聞こえて来て、ほっこり気分が高まってゆくし、下腹部の緊張感も高まってゆく。
いやこれ、不可抗力だってば。ちっちゃい子が両足の間に両の手を挟んで、涙目で我慢してるのを目の当たりにして、譲らないわけにはいかないってば。ねえ?
後悔? とんでもない。良いことした満足感でいっぱいなの、あたしったら。程なく受験生の子たちも仲良く扉の外にお出ましで、みんな揃って、
「ありがとうございました!」
なんて具合に感謝玉をふんわりトスしてくれるんだもん。そりゃにっこり笑顔を返しつつ手を振って、駅舎に彼女たちの影が消えゆくのを見届けちゃうもん。
それに、待ちに待った甲斐あって、今度こそあたしの番なんだもん。
と、その時。
「きゃー、このオートバイ、かわいい〜!」
黄色い歓声が聞こえてきて、思わず振り返る。
あ、声の聞こえたところに、あたしのバイク。
メタリックピンクに塗り替えたバイクなんて珍しいから、停めておくと人が寄ってくる事は時々ある。
今回のお客様は随分と可愛らしい、下校途中の小学生。ランドセルに色とりどりのスキーウェアという登下校姿が、雪国の児童として似つかわしい。
あの様子だと、イタズラはしないだろうな。何かするようなら駆けつけて止めるけど、その必要はなさそう……。
ノン!
別の理由で、至急駆けつけなきゃ! 思い出した!
あそこの駐輪場は一定時間無料だけど、もうすぐ時間切れ!
——
過剰なまでに内股で、極端に手を横に振る女の子走り、ただしスピードは歩くのと大して変わらず、気持ちだけは大急ぎで駐輪場に向かうあたし。
今回の見学者さんたち、女の子がちょっと多めかな。
「ご、ごめんなさい」
「あ、ううん、いいよいいよ」
自分のバイクをジロジロ見られるのを嫌う人もいるので、叱られるかも? と思われたみたい。でもあたしは、
「褒められてうれしいよ」
と言ってあげる。
バイクの好きな子が増えるなら嬉しいもん。
「えー? 函館からバイクで来たんですか?」
「いやもっと遠いでしょ、フェリー乗ったんだから。北海道、寒くないですか?」
駐輪場は精算機に駐輪場所の番号を打ち込むとロック解除される仕組み、なんだけど、変わったバイクの変わった持ち主が来たもんだから次々と質問が浴びせられ、なかなか精算機にたどり着くタイミングがつかめない。
みんな良い子達みたいだし好意的な質問だから付き合ってもいいんだけど、課金の時間が、ね、迫ってるのよ。そろそろリミット。
リミットなのは、それだけじゃないけど。
「あれ、姉ちゃん、バイク出しに来たんじゃねーの?」
おお、そんな時に救世主登場! そう、そうなの!
「精算機に番号入れてゼロ円ならそのまま出られるぜ」
助け舟を出してくれた男の子、とても親切。
うん! 知ってるけど、でも、ありがと! おかげで、ロック解除に行けちゃう!
というわけで精算機に番号を入力し、バイクに戻ってロックが外れていることを確認する。おっけー! めでたく、無料時間内に間に合った!
でもまだ油断はならない。モタモタしてるとまたロックが掛かってしまうので、早急にバイクをスペースから出さねばならない。それは子ども達も分かっていて、あたしのためにバイクまでの花道を開けてくれる。
バイクは無事、駐輪スペースから出すことが出来た。これでひと安心。すると子ども達が、
「お姉さん、乗ってみてください」
って。そんなこと言われると照れちゃうけど、でも悪い気はしないので、颯爽と、サドルにまたがる。
あー、やっぱバイクの上って落ち着くなあ。なんか、全身から緊張感が抜けてくカンジ。
あれ?
なんかもう一つ、間に合わないかも! って、思ってたことがあった、よね?
いや、あった。絶対あった。そう、これ。思い出した。
けど、もう遅い。
——
あたしは放浪の野良エルフ。屋外で夜明かしするなんてザラだけど、街なかだと白眼視されることもある。
だから人里離れた大自然の中に寝泊まりすることが多いんだけど、必然的に人工物からは遠くなる。
もちろん、あらかじめ済ませるべきことは済ませてから森に籠るようにはしてる。でも特に冬場が問題で、夜の雪山をうろついたり、吹雪で視界が失われた時にために森を出るのは危険。
そしてエルフたるもの、自然を汚しちゃいけない、それが鉄の掟。それはしっかり覚えてる。
具体的にどうするかの記憶は失われたけど、あたしはあたしに出来ることをする。
だから、念の為、あくまで緊急事態の非常事態に備えて、いつもインナーパンツの下に通称「スーパービッグ」なるものを装着している。子育て中のママさんパパさんなら馴染みのある名称かもしれない。
だって、過酷な自然環境の中で、未明に出歩くのは危険。でも生理現象の一撃は時と場所を選んでくれない。もしそんな時それに遭遇したら、どうすればいい?
答え。今のあたし。
ううっ、人っ子一人いない深山幽谷のための装備が、白昼の閑静な住宅地に向けて構える駅前広場で役に立ってしまうなんて。でも、
「うわー、お姉さんカッコいい!」
そんな歓声を受けてしまうと、ついつい調子に乗ってしまう、お気楽エルフのあたし。
女の子たちは、夢にも思ってはいないだろう。
目の前の「カッコいい」お姉さんが、バイクとコーディネートしたかのようにピンクのワンピーススキースーツの下で、
おしっこ、出しちゃってるだなんて。
「どしたの?」
一番歳下に見える女の子が首をかしげる。
「な、何でもない、何でもないよ?」
あわてて作り笑顔を返すあたし。
「顔、赤くないですか?」
男の子にそんなこと言われるとドキッとする。
「あ、寒いからじゃないかなあ。りんごほっぺ、ってよく言われるの、あはは」
両手を顔に当てて誤魔化しのセリフ。
でも今、あたしの身体からは、あったかいお水がしゃらしゃらと噴き出して、じょわ〜っと、スーパービッグこと、おねしょパンツに広がってる。
子どもは好きだし、あたしに対しても好意をもってくれるの、とっても嬉しい。
でもね、君たちがチヤホヤしてるお姉さんはね、こうしてみんなとお話しながら、おしっこ、もらしちゃってるの。ぐすん。
——
一度出始めたおしっこは止められない。勢いのままに放出され、スーパービ、いや、オムツ全体に広がってしまう。
……あったかい……。
でも、すんごく恥ずかしいことしてるはずなのに、全てを出し終えた事への安堵感と、ぽっかぽかのオムツの感触にウットリともしてしまう、複雑な心境。
あたしはバイクから降りて、彼女を手で押しながら、子ども達の下校に歩調を合わせることにした。
どうしてかって?
おしっこをタップリ吸って、ぱんぱんに膨らんだオムツは、バイクの振動で破れてしまう危険があるから。
こうして楽しく歩いてるあいだも、ふんだんにおしっこを吸い込んだオムツが、お尻のあたりでたっぷんたっぷん言ってる。水分を補給してるから、ずっしりとした重さを腰から下に感じる。
それでも、顔に出しちゃいけない。今のあたしは、この子達にとって、降って湧いたヒロインなんだから。スキーウェアとバイクのコーデに、子ども達は見とれ、褒めてくれる、かわいいって。かっこいいって。憧れのお姉さんのイメージを、壊しちゃダメなんだから。
濡れたオムツが両足の付け根にまとわりつくようで歩きにくいけど、そんなの気にしてちゃいけない。悠然と、ゆっくり散歩を楽しむような空気を出さなきゃいけない。
金髪ロングなんつー目立つ外観(単に髪を切るお金が無いから伸ばしてるだけなんだけど)もあって、チヤホヤされやすい方だし、それは有り難いなあって思ってる。でもだからこそ、ずっしり重くて、ぐっしょり濡れた、オムツとお尻の不快感には、耐えなければならない。とにかく、にこやかに。爽やかに。
「お姉さん、さようならー!」
子ども達はみんな同じ団地に住んでいるんだって。だから団地の入り口でバイバイすることに。あたしも笑顔で、最後の一人が見えなくなるまで、手を振り続ける。
よし、出発だ。ヘルメットをしっかり被って、再びサドルに。
……つめたっ!
濡れたオムツが座ることによって、お尻に密着する。おもらしした時の暖かみはとうに失われ、冷たくて、ぷにぷにする高分子吸収体が肌を包み込む。
ううう、気持ち悪い……。
ギアを一つ上げるごとに、路上のちょっとした凹凸を通過するごとに、ぽよんぽよんと満杯におしっこを吸ったオムツが揺れる。これでも座る前に歩くことで水分が分散して一箇所に集まらないようにはした。
さっきまで座っていた踏切への道のりにある、さっきは見送らざるを得なかったトイレ達の一部が、今はいらっしゃいとばかりに開かれ、利用者を待っている。でも、丁度良い、オムツ交換しに行こう、という気持ちにはなれない。時すでに遅し、後の祭り、そんなあきらめの感情があたしの行動意欲に勝ってしまっている。
夕刻なので踏切を通過する列車も多い。遮断器が開くのを待っている間に、帰宅途中の人々があたしの周りに増えてくる。衆人環視のなか、おしっこでぐっしょり濡れたオムツを履いたまま、あたしはバイクを停止させている。
濡れたオムツはどんどん冷えてきて、宵にむけて下がりゆく気温がそれに拍車を掛けようとし、スキーウェアが何とか寒気を遮断しようと奮闘してる感じ。
でも。
電車が踏切を通過する間に、また、でちゃった。大勢の人が開くのを待っている、衆人環視の、なかで。
フルフェイスのヘルメットの中で、涙がしたたり落ちる。誰も気づかないかもしれない。でも、あたしのお尻はおしっこまみれになってる。
そのうえ、冷えたお尻が新鮮なおしっこで暖まったことでホッとしてる自分に気づき、情けなさと恥ずかしさが倍加していく。
悔しいよぉ……。
——
そのあと、泣きながら一目散に人里離れた山奥を目指し、途中に見つけたトイレでずっしり重いオムツを交換。
やっぱ、乾いた下着っていいね! 急に気持ちが軽くなって元気出た。このまま夜通し走りたいくらい。でももう夜遅いし、この辺りは絶好の雪中泊ポイントなので自重。だって、二十四時間使えるトイレもあるし、天気予報では雪が降っても荒れないと言ってるし。
木々の間を分け行り寝床を作る。お手洗いまで目測三十メートル以内。あたしが歩いた足跡が続いているし、迷わない。安心だね!
昼間の悲し恥ずかしな出来事で傷ついた心もバッチリ回復。リラックスして眠りに入れる。それでは、おやすみなさい。
——
ううう……。こうなるのがイヤなんだってば。
秘境の中の秘境で雪に埋もれて一晩過ごすんだったら、用を足すのは不可能だからって、仕方なくオムツにしてるわけでしょ。
でも、ゆうべはちゃんとトイレに行ける場所を選んだの。それなのになんで、あたし、寝たまましちゃったの?
お、おねしょじゃないもん! 意識がある時に我慢できなかっただけだもん! なんで我慢できなくなったかって? それはその……。
寒かったんだもん!
って、自問自答の末、自分で自分に開き直ってどうすんの……。
昨日の昼間は不可抗力。間違いない。それにあたしの自尊心を犠牲にして、たくさんの子たちがピンチから救われたり楽しいひとときを過ごせたりしたんだから、あたしは正しい!
でもその結果、精神的なハードルが下がったのも事実。寝ぼけてたし(あくまで寝ぼけてたの。断じて睡眠状態じゃないから!)判断力も揺らいでて、つい魔が差しただけ。こんな寒い夜明けの時間にどうして、もよおしちゃうかなあ、ここはあたし以外に誰もいないし、もしこのシュラフの中で済ませられたらどんなに楽なんだろ、そう、こんなふうに……。
なんてこと思ってたら、いつのまにか出ちゃってたの! わざとじゃない、想像が現実を動かしたというか、その……。
あーもう! 言い訳しない! あたし! 誇り高きエルフ族の名にかけて、もうこんなことしちゃダメ! 今度こそ、ちゃんと、トイレに行ってからじゃないと!
ほら、第二陣が来たよ。今度はしっかり、するべき場所でするんだよ?
さあ、シュラフから這い出て、と……。
さむっ!
やっぱムリ! 寒いってば! だって寝起きだもん、体温も冷え冷えなんだってば!
あー、シュラフの中、あったかい〜、ってダメダメ、今度の今度こそ!
って、あれ?
あったかい?
いま動いた拍子に、ちびっちゃってる?
あーっ、気付いたらしたくなっちゃうやつだ、うわ、うわ、どうしよ、したい、寒い、したい……。
……あ。
いいや、もう。またおちびりしちゃって、何とか止められてるけど、ここまでなったら、いいや。
ほら、力が抜けたら自然に出ちゃうんだもん。あったかいし、気持ちいい……。
エルフの尊厳は、とりあえず置いとこう。次また、頑張ればいいや、
それでもし失敗しても、まだ吸収量に余裕あるし、ってそれがいけないのよ、次はキチンと、今回はしょうがない、ひとりでに出てるから逆らうのはやめよ、うん……。
ふぅ。全部出ちゃった。次がんばろ、つぎ。まだ早朝だもん。慌てず、ゆっくりと、むにゃむにゃ……。