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ブンメイタイカ  作者: トルバドール
プロローグ
2/9

2

女性のあまりの美しさに、僕は目を奪われた。

それは、完成された美貌だった。



しばらく動けずにいると、女性は僕に気が付いた。

状況が理解できずに頭の中だけが慌てている。

逃げるべきか、隠れるべきか。

もしくは、話しかけるか。

隠れることを選択した僕は、物音を立てずに塀の後ろに進む。

波の音が一層引き立てられるような、無音だった。



あと2、3歩で辿り着こうかというとき、女性が動いた。

何やら巨大なカプセルの中を漁っているようだ。

何をしているのか気になったが、暗くてよく見えない。

彼女はいったい何者なんだろう。

何をしているんだろう。

目を凝らそうと姿勢を変えたとき、足元の石ころを蹴ってしまった。



カーーーーン!!!!



石が電柱に当たった。

その瞬間、「隠れる」から「逃げる」へと作戦を変更した。

反転して一目散に走ろうと、右足に力を込める。

だが、不思議なことに、足に力が入ることはなかった。


「誰かいるの?」


女性の声は、逃げ出そうとしていた僕の動きを止めた。

僕は恐怖で動けなくなってしまった。


「いるんでしょ?出てきなさい。」


女性の声が響く。

気付かれているのが分かっていても、音を立てることが出来ない。

振り向かなくても、こちらに歩いて来ているのが聴こえる。

怖いと感じながらも、金縛りのような感覚に囚われている。

頭をあれこれ巡らせているうちに、あっという間に


「あなたね、見てたのは。」


逃げ場が無くなってしまった。

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