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ブンメイタイカ  作者: トルバドール
プロローグ
1/9

1

僕は今、暗闇を走っている。

どうして走っているかと言われても、自分でも分からない。

ただ、居ても立っても居られずに、ひたすらに走っている。

星一つない夜。月も無く、真の暗闇。

目の前に道があるかさえ怪しいほど。

家に帰れないと直感しながらも、足は止まらない。



何度も葉音に心を揺らされながら、下を向いて走っていると、

急に横風が目に入ってきた。

視界を上げると、建物に身を隠していた月が顔を出していた。

そして、前面には巨大な海原が広がっていた。

僕は足を緩め、堤防へと歩くことにした。

夜の砂浜は不気味で、波音と風音以外は無であった。

不思議な寒さを覚えながら、堤防に座る。

座ったところで、特にすることはないのだが。



何時間。いや、何分経っただろうか。

真っ黒な空を眺めていると、一点の白光が現れた。

星か。

何の感動も感傷もなく、目を落とそうとした僕は、

何か異変を感じ、再びその星を見た。

異変は直ぐに理解できた。

星が、デカくなっているのだ。

明らかにデカくなっている。

僕は試行錯誤をした結果、逃げることもせず只々その星を見つめた。



白い光が、海に衝突した。



一瞬、途轍もない光が辺りを包み、僕は思わず顔に手を当てた。

不思議と音は立たず、気付いた時には静かな夜に戻っていた。

混乱状態にあった僕は、兎に角その場から離れようと考えた。

だが、好奇心が勝ってしまった。

白い光を放った物体は、完璧なまでの球体で、それが人工物であることを証明していた。

砂浜に流れ着いた球体は、身長と同程度の大きさだった。

近づくか、離れるか。

悩んでいると、物体が開いた。

まるで巨大なカプセルボールのように、何の音も立てずに、開いた。

中からは煙が溢れ出ており、砂浜が霧に覆われた。

そして、霧が晴れたとき、僕は宇宙人を覚悟した。



しかしそこには、一人の裸の女性が立っていた。

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