勇者は特攻する
「エリールが勇者の子を身籠ってしまったと聞き、勇者の子は危険と思い私はエリールを殺す決断をした」
「なにを言っているんですか、娘を殺すなんて貴方の決断は間違っている」
俺は王様に飛びかかろうと騎士団の人に押さえつけられた、俺は気を失ってしまい、目が覚めた時には牢屋に入れられていた。
「やっと目が覚めたみたいだな」
俺が目を開けると、キクが椅子に座って居た、俺は起き上がりキクの体を見ると傷は塞がっていた。
「キクは無事だったようだな」
「まあな俺が目を覚ましてお前が捕まったって聞いたからな」
「それで、俺はこれからどうなるんだ」
「お前はこのままここに閉じ込められて、一生閉じ込めると聞いた」
キクを見れば今は王様達も見逃してるようだ。
「ヒーク、エリールさんを妊娠させたんだって」
キクはどうやらその事も聞いたようだ、その時牢屋を見張っていた騎士団の一人の耳がぴくっと動いた。
「あの時は俺もテンションが高くてな、エリールさんから聞かされた時は驚いた」
「もしかしてあのパーティーの時か」
「そうだ」
「それよりもお前はどうするんだ、ここで指を咥えて見ているのかエリールさんが殺されるのを」
俺は答えずキクの顔をじっと見た、そうするとキクはニヤリと笑い立ち上がった。
「どうやらお前の答えは決まってるみたいだな、俺が王様から聞いたのは、勇者パーティーの解散と
後はお前が居ない間、俺が魔王の配下を倒すことになったそれだけ言いに来た、じゃあなヒーク」
そう言ってキクは見張りの騎士団の一人に小声で何かを言って、行ってしまった、夜になり見張りがご飯を牢屋の隙間から通し入れた、俺はその中からヒークが仕込んだ物を探し出した。
「これが王様の耳に触れたら、お前も大変だぞキク」
俺はキクの事を考え、キクが仕込んだ物を壁に貼り付けた、貼り付けた瞬間壁が崩落を始めた、キクが見張りに催眠魔法を見張りに掛けていなければこれは渡されなかっただろう、キクのおかげで見張りはぐっすりと眠っていた、俺はそのままエリールさんの寝室に向かった、俺が逃げ出した事はすぐにわかるだろう、それまでにエリールさんを助けなければ、俺も殺されるだろう、すると王城からサイレンの音がした俺が逃げた事がバレたらしい、俺は急いでエリールさんの寝室に行くと、そこには騎士団の何人かが寝室前を見張っていた。
「勇者ヒークは絶対ここに来るはずだ」
王様には俺がここに来るとバレていた、もしかしたら王様はもうエリールさんを殺そうとしているのかと考え、俺は騎士団に特攻をかけた。
「そこをどけー」