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ハル…2
私と2人きりになることを厭う、陽への嫌がらせとしてデュオに行こうとしていたそこに、ハルが現れた。
『お邪魔ですか?』
声は発さずチャットに書き込まれた一文を見て、陽が動揺したのが分かった。
いつもは私の側にいて、せっせとキャリーに励む陽が「ウサギ先輩!」「ウサギ先輩!」と、私を一顧だにせずハルの後を追うのを、不満に感じた。
表記名はS4なのに、なぜウサギ先輩と呼ぶのかと不思議に思って尋ねたところ、ウサギのスキンを使用している事が多いからとのこと。
陽のハルへの態度から、強いんだろうな。とは思ったけれど、初めの印象としては目立ったものは特になく、スピーカーマークは付いていても喋らない為に、人柄も何もかも、サッパリわからなかった。
フレンド申請が届き、陽のフレだから。って理由だけで取り敢えず受諾。
数日が経過し、ロビーで一人でいたタイミングで、フラリと再びハルが現れた。
「今日も喋らないの?」
何気なく尋ねれば、ボイチャをオンにしたのだろう、微かなノイズの後に。
「喋りますよ」と、声がした。