家畜人間
小説スバル新人賞、新潮新人賞、芥川賞というビッグタイトル
あのアイチー丸先生が今度はホラー小説で登場!!
アイチー丸先生の世界にあなたは足を踏み込んでしまった
もう引き返すことはできない....
Are you ok?
「みなさんにとても残念なお知らせがあります」
悠馬の担任の千年先生が教室に来るなり口を開いた。
「大河原君が行方不明になりました。」
2020年以前だったら大問題だろう。
しかし、「んだよそんなことかよ!」「デブくせえから助かるわww」
クラスのみんなはラフにとらえていた。
その日の放課後悠馬は友人の勇人と敏明の三人でワックに行った。
「みんなひでーよな」勇人が口を開く。
「いつからこんなに誘拐って軽犯罪になったんだろうな?」それに続き悠馬が言った。
「あれじゃね?トウキョウオリンピックで川島孝三が聖火ランナーに巴投げかましたときからだろ?」
「てか俺注文するから席とっておいて」敏明が言うと。
「おれビッグワックのセット!コーラね!」勇人が言った。
「お前またそれかよ。おれはワックナゲット10ピースのやつね、BBQソースな」悠馬が言った。
「お前もまたかよww」敏明が笑いながら注文へ向かった。
悠馬と勇人で先に席に着いた。
「そんなワックナゲット好きな悠馬君に質問です」
ニヤニヤしながら勇人が言ってきた。
「なんだよ顔ちけーよブサイク」
悠馬はあからさまに嫌な顔をしていった。
「お前もまあまあブサイクだぜー悠馬。まあそれは置いといてワックナゲットってなんの肉が使われてると思う??」
「え?鳥じゃねえの?」悠馬が答えた。
「まあ表向きはそうだけどよこのご時世鶏肉だって100グラム500円の時代だぜ。10ピース200円はどうも割に合わねえと思わねえか?」勇人がいつになくまじめな顔で言った。
「お前なにがいいてえの?」スマホをいじりながら悠馬が答えた。
「まあ噂なんだけどよ...人の肉なんじゃねえかって話だよ」小声で勇人が言った。
「は?ww」悠馬はあきれて笑ってしまった。
「なになに?楽しそうな話?w」敏明が商品を持ってきた。
「敏明聞いてくれよ!勇人のやつがさーww」
「おい!まじかもしんねーだろ!!」勇人がむきになってしまった。
「だーかーらー!!ワックナゲットは人肉が使われているって話だよ!!!」勇人が店内に響き渡る声で言った。
すると強面の店員が来て
「お客様他のお客様のご迷惑になりますので大声でのお喋りはお辞めください」
店員さんの顔は笑っていたが青筋が何本も立っていた。
「すいませんでしたー!!」
3人は急いで店を後にした。
「勇人があんな馬鹿なことを大声で言うからだぞ!!」悠馬が言った。
「馬鹿なことじゃねーだろ!!十分あり得る話だろ!!」勇人はまだむきになっていた。
「まあまあ勇人はネットの情報を鵜呑みにするとこあるからねw」敏明は笑っていた。
悠馬と勇人はまだ言い争っていた。
「思いのほか時間を潰せなかったしシブヤでもいくか」敏明が口にした。
「お、いいな!ちょうどバス来てるしな!」悠馬が言った。
「おい!悠馬!まだ話は」勇人はまだ文句を言っていた。
悠馬はバスに乗ったときマスクをつけた。
「なにそれ?ブス隠し?」勇人が悠馬をおちょくる。
「ちげーよ!こういう密室の空気がダメなんだよ、おれ」と言い3人は談笑をしていた。
「次はシブヤ駅前シブヤ駅前ー」バスのアナウンスがかかった。
勇人は降下ボタンを押した。
「うし!着いたな!」3人は出口に向かった。しかし、ドアが開かない。
「運転手さんドア開けてください」敏明がそう言って運転手のほうに目をやるとガスマスクをつけた運転手がいた。
その瞬間エアコンの隙間からガスが噴き出した。
「なっ!?んだ.....」勇人が倒れこんだ。
「おい!勇人!!...」突然の睡魔に襲われ悠馬も倒れてしまった。
うすれゆく意識の中運転手が無線で
「こちらS2区クリア。これよりへ向かう...」
と聞こえた。
ガゴンガゴン
悠馬は飛び起きた。
「どこだ!ここは!」
悠馬は首輪につながれていた。首輪の先を見てみるとそこには眠っている敏明がいた。
「勇人は!?」悠馬はあたりを見回したが勇人が見つからなかった。
「敏明!おい!敏明!!!」悠馬は敏明の体を大きく揺らした。
「んー、あれ?悠馬?てかここどこ?てかなにこの首輪」敏明は寝ぼけ眼で問いかけた。
「わかんねえ。あと勇人がどこにも見当たらねえんだ!」そういった瞬間床が動いた。
あたりが暗くてあまり見えなかったが自分たちと同じ状況の人間がいた。
しかし、違うのは起きているか寝ているかだった。
「この床はベルトコンベアになってんのか」
ベルトコンベアが進むにつれてあたりが明るくなっていく。
そしてあたりが完全に明るくなった瞬間衝撃的な光景が悠馬たちの目の前に広がった。
「な、なんだよ、これ...」二人は開いた口がふさがらなかった。
そこには家畜のように固定された人間。首が落とされて血抜きされている人間。氷漬けにされてカットされている人間。
「おえええええええ」敏明が吐いてしまった。
その瞬間
「起きてんのかお前ら?」防護服の看守が近づいてきた。
「おっさんここどこなんだよ!帰してくれよ!」と悠馬が近づいた瞬間
スタンガンで気絶をさせられた。
「て、てめぇ...」膝から崩れ落ちた。
「ゆ、悠馬!!ぐっ!?」敏明にもスタンガンをあてられた。
二人が気絶した後二人目の看守が来て
「そいつらX型だな。ベルトコンベアから外しとけ」といった。
「んじゃあX倉庫に入れときますね」といい悠馬たちを下してトラックに乗せた。
「ん、ん~。はっ!?」悠馬は目を覚ましたが敏明は見当たらなかった。
「首輪が外されている」枷がない?自由に歩けるぞ。
そう思った悠馬は目の前の一本道を歩いた。
その先には長蛇の列ができていた。
「すいませんこれって何の列なんですか?」と目の前の太ったやつに聞いた。
「え?これはねーあれ?なんだっけーえへへへぇ」太ったやつが答えた。
「あれ!?君大河原君だよね!!」そう、まぎれもないクラスメート大河原 不快だった。
「えーぼくー?はははそうだっけー?へへええぇ」様子がおかしかった。
「俺だよ!クラスメートの星 悠馬だよ!」悠馬は必死になったが届かなかった。
「あー思い出したーここならんだらねーおいしいお水がもらえるんだあ」不快が言った。
「おいしい水??」悠馬が疑問に思った瞬間。
「あああああ水ぅぅぅうううああああ」激太りの男が長蛇の列を無視して蛇口に向かった。
あの蛇口からそのおいしい水とやらが出んのか?そしてあの水はヤクだ、悠馬が納得した時。
パンッ!!
一発の銃声が響いた。
「確保!!」数人の看守が小太りの男を抑えた。
そして目の前で男の首をはねて逆さづりにして血を抜き始めた。
「狂ってる...」悠馬は呟いた。
この状況が、人が無残な姿になっているのに誰も気に留めないこの状況が狂っている。
「なんだよ!なんなんだよこれえ!!!」大声で叫ぶと
「悠馬!?」敏明だった。
「敏明!!!お前無事だったのかよ!!」
悠馬はうれしかった。素直に。
しかし「お前の後ろ入れてくれねえか?あの水もっかい飲みたくてさあ」
悠馬は絶望した。そして理解した。
ここは人肉を加工して低価で出荷する工場そのため誘拐して調達をする。それを警察がうやむやにするよう政府からの指示がある。
「おう、飲もうぜ」
悠馬は全てを知る
そう全てを
31歳からのシリーズアニメ化の話お待ちしております