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えらい子やー

元はこの地方で最も数の多い魔物のゴブリンの住みかだった人里から離れた洞窟。


本来なら町も近く直ぐにゴブリンの巣の存在は露見し冒険者ギルド等に依頼され、洞窟の主のゴブリンは駆除され洞窟は潰される……筈だったが洞窟の主だったゴブリン達は全て特殊な薬品によって追い出され、ゴブリンに作られた洞窟は他の相手に利用されていた。


薄暗かった洞窟の壁には松明が付けられ、松明の火が太陽の光の届かない洞窟内部を頼りなく照らしている。

利用しているのは人の集団。本来の主が消えた洞窟は改造され多少人の住める環境になっていた。


洞窟の開けた空間の中で一番広い空間、以前はゴブリンの王が使っていた洞窟の一番奥の空間に、金属で出来た大型の猛獣何頭も入りそうな檻が置かれていた。


どんな手段で入れたのか判らないが洞窟の天井近くまである大きな檻。檻の中から聞こえるか細い泣き声、檻の中には恐ろしい猛獣では無く、非力そうな若い十数人の女性達が入れられていた。


女性達の服装は町や村などに居る普通の女性と同一な服装。

此処に居る女性達は近くの町や村などで平和に暮らしていた年若い女性、この洞窟を利用している何者かに誘拐された女性達である。

閉じ込められた女性達は泣いて誘拐犯に聞こえないぐらいの大きさで不幸を嘆き、神に祈り罵り誰か助けてくれと願った。


誘拐された女達の入った檻の中に一人だけ気絶した少女がいる。服装の毛色が違う少女だ。丈の短い和風の服装。茶金の髪の上に狐耳を生やした獣人の少女。獣人の少女は狐耳をピクピクと動かし眼を覚まそうとしていた。



「っうう…ここは何処や?……洞窟?…牢屋?くっ」

 

っ、か、体がボコボコにされたみたいに痛いな。


「い、一体何や?檻の中?……他にも人が……」


確かウチがAランクの昇格した初任務に、近くの村から女の子を誘拐する極悪非道なクズ(盗賊)集団の討伐依頼をうけたはずやな?そんで………団の皆と盗賊のアジトに向かってたら、向かってたら…そうや!!!!!


奇襲を受けたんや!


そんで団の皆と盗賊と 戦ってたんや!盗賊が屑の癖にイヤに強くて苦戦して…隻眼の凄腕の奴がリーダを切り殺して……其処から覚えとらん……この状況からして負けた。負けたんか。

武器がない。装備が取られて檻の中って事は………ウチは負けて捕まってしまったんか? 生かされたのはウチも売り物にするつもりか?


……はぁ。


最年少でAランクになったウチの初任務が…返り討ちにおうて捕まってしまうなんて……。


「だ、大丈夫?」


「う、うん?」


ウチと同年代ぐらいの女の子か。この娘もウチ達が討伐に来たあのクズ(盗賊)に捕まった娘達やな。……クズを倒しに来たウチも一緒にこの中に入れられるなんて…ホント情けないな。

他の団の皆はどうなったんや…………………皆がウチ(仲間)が連れ去られるのを、黙って見過ごす訳が無いな。

ウチが女だから売り物として助かったとして他の皆は男だけやったし運が良ければ逃げ…ウチの団に逃げる奴は居らんな。動けん状態か…全滅したやろうな。全滅の可能性が高いか。


となると、一応動けるのはウチだけか。

そや……ウチだけでも残ったや。それなら団の最期の仕事かもしれん残ったウチがやらな。他の皆が無意味に死んだ何て事にしたくない。状況が悪いからって簡単に諦めん。ナインフォックス族の女は諦めが悪いんや!


体の状態は…少し痛いけど何とか普通に動けそうやな。ま…閉じ込められた状態じゃ意味は無いな。

檻は鉄製、いやこれは、ただの鉄や無いな……鉄に混じって蒼く見える所もある。これミスリルが混ざっとる。あー、モンスター用の檻やないか!なんちゅう所に女の子を閉じ込めとるんや!


はぁこれやと自力では出られんな、今んところは服が乱れて無いみたいやし操は無事みたいやけど、このままやと確実に大事なもんが散るな。

ウチの耳に洞窟の奥から聞こえる女の子が泣く声と、ゲスが楽しんでる声が聞こえとるからな。このままやと……。


「大丈夫?」


あ、無視してた。


「動転して無視してたごめんな。その……今の状況って」


「…人拐いに誘拐されて閉じ込められてるんです」


「やっぱそうやんな。なぁウチがここに来て何れぐらいや?」


「やっぱりって、貴女が来てからなら……3リグ(時間)は経ってますよ」


「そう、教えてくれて有り難うな」


結構時間が経ってるな。自分等が襲われたのは昼前やから今は夕方ぐらいか?ウチ達が帰らんかったら距離的に……一日か二日したらギルドが負けたと判断するやろ。討伐依頼がまた出ると思うけど最低でも二、三日で此所に助けが………いやウチらが来たから盗賊が場所を移すかもしれんか。


「お姉さんが此処に来て何れぐらいや?最近移動とかした?」


「三日位ずっと此処ですけど…………あの何でそんな冷静に質問出来るんです」  


「え、まぁ……何でやろ?」


ギルド員やからってのは情けなくて言えへんよ。

三日という事は最初に聞いた位置からはアジトは移されて無いな。自分等が盗賊のアジト狙ってたの気付いてない?

まぁ……気付いてもこんなデカイ檻簡単に移動させることはでけへんよな。それやったら奴等の拠点の移動は難しいか?

そう言えば……そもそもこの数の女の子を拐ってどないする気や?……人数的に考えて売る気とかか?


普通はない。人買いはこの国やと他の国より重罪やで。闇で売るにしても割にはあわんやろ。誘拐された相手を買ったら買い手も処罰されるしな。となると……買い手は他国の奴等か。バーグレイズ辺りが怪しいな。


他所の国の奴が人買い何て嘗めんな!と言いたいけど…阻止しに来て返り討ちに有ったんよね。


この近辺で戦力としては最高クラスのウチらが負けたんやから、……代わりが来てくれても生半可な戦力では返り討ちに会うな。そうなると別の所からか。騎士団に応援を頼むしかないか?

応援に別の所から他のギルド員とか騎士団が来るとしたら……更に期間が延びる。あかん。そんな期間が有ったら売られる……どないしよ。せめて、外と連絡する手段は……


『ね、ねえ!?此処何処かな?どうみても悪党の住み家ぽくないかな!?』


うん?洞窟の奥から誰か来たようや。


「クヒャハハハ、今頃気付いたのか?ああその通りだおチビちゃん悪党に捕まったんだよ。高く売ってやるから感謝しな」


『やっぱり悪党だったぁあああ!!!』


随分と騒がしい声やな。来たのは鳥籠を持った見るからに山賊っぽい男と捕まってるローブ姿の……お子さん?顔は見えへんけど体格的に子供やな。


『だせぇえ!出してぇえ!!』


うるさい。


盗賊ぽいのが檻の外の机に籠を置いた。……置かれた鳥籠がガタガタ揺れて騒いでる?何が入ってるんや。小人?


「ごはんは?」


ブフ!!?


ご飯ってあのローブのお子さん随分と呑気な事を言ってるな。


「はっ?…め…飯なら後から差し入れてやるから入れ」


「……」


檻が開いたけど、ちっ、檻が開いたけど盗賊が油断してへんな。ウチの事をゴッツ見てる。

ローブのお子さんがウチらがいる檻に入れられて檻が閉められた。ローブの子は体格的にウチの四、五歳位下の、十一、二歳ぐらいか?   


籠は牢屋前の机に置かれた。


『出してぇー。出してぇ』


あの鳥籠から聞こえてくる声はなんや?

若い女の子の声やけど、あの籠のサイズやと小人とも違う気もするな。ローブの子に聞いてみるか。


「あの鳥籠の中身はなんやの?」


「非常食」


「え?」


非常食?え、喋る非常食?


『ひ、非常食じゃないよ!?私は妖精だよ!!』


「妖精!?妖精も誘拐されたんか!?」


あの鳥籠の中身は妖精なんか!?妖精が捕まるん!?初めて聞いたで、此処の奴等はどれだけ大物なんや。それかこの妖精が間抜けなんか?


『誘拐!?やっぱりこれって誘拐なの!?私売られるの!高く売られるの!?……あ、非常食よりマシなのか』


非常食ってマジな感じなん?


「ウルセェ!騒ぐな!」

 

籠に顔を近付けて怒鳴る男。


『ウワァン!こんなオッサンの顔間近で見たくない!!っていうか何で大人しく捕まってるの!』


「はぁ!何言ってるんだこの妖精は」


そやな。大人しく捕まってるって誰に言ってるんや?

まさか……ローブの子にか?


「うん?食事貰えるまで待つよ」


「「は?」」


思わず男と声が混ざった。ローブの子…そのセリフ、何時でも何とか出来るみたいな意味に聞こえるよ?


『ご飯が貰えるとか嘘だよ!』


妖精が叫んだ。って話的にご飯が貰えるとか言われて着いてきたんかこのローブの子は!!


「いや、メシは本当だぞ?後一時間位で出来る」


賊はそう言った。嘘じゃない感じやな。

 

『えっと、ほら、ご飯が欲しいなら食料全部奪えば良いじゃない!で、食事は隣のお姉さんに作って貰う!むさい男に作って貰うより良いよね!』


「え、私が作るん?」


『料理出来ないの?』


「え、まぁ出来るけど、ってそうじゃない!……なぁ君ってこの檻から抜けられるん?」


聞いといてなんやけど無理やよな。


「は、その檻から女の力で抜け出せるわけないだろ」


男女差別者なんか。男でも無理やろ。


グッ


何でローブのお子さんは檻の柵に手を掛けてるんや?


バキン!!!

   

「何今の音!?って、はい!?」


お、檻のさ、柵が取れてる!?そしてローブの子が外れた柵の棒を持っとる!?壊れてたんか!?……って思いっきり折れた音がしたな!へし折ったんか!?

いや、いやいや!ありえへんやろ!この檻!ミスリル入りなら下位のドラゴン位なら閉じ込められそうなモンスター用の檻やで!?

  

ちょっ外に出た!


「なんだ!?何で檻が!……ま、まさか魔法使いか!」


外に出たのを見て盗賊が驚いてる。

盗賊は魔法で壊したと思っとるな。檻を壊したの魔法?力付くに見えたけどそうなんか?あ、いや!そや、な、力付くより魔法の方があり得るな!

ん?ミスリルに魔法耐性がないか?ってちゃう!今はそんな事考える場合やない!ウチも出て援護を! 


「ごはんを大盛りにしてくれればなにもしないですよ?」


何をいっとるんやぁぁ!!!


「お、檻をぶち壊した奴に誰が飯なんグエええうああア!!!!」ドグァァァア!!!


「はぁ!?飛んだ!?飛んで壁にぶつかった!?」


『う、うわぁスゴい』


あ、あの娘!またあの娘か! どうやってや?魔法か?見えんかったし不可視の魔法やんな!?う…ウチの見えん速度で殴ったとか無いやんな?ローブの中身想像したら恐ろしい。


「ご飯くれるのは嘘ついてなかったみたいですし手加減しました」


何を言ってるんや?


『泡吹いてるのに手加減なんだ』


「あ!いやそれよりヤバイ!!デカイ音が鳴ったし敵がーー」


「何だ?なんの音だ。バイガン何して、バイガン!? 」


あー!やっぱり他の盗賊が来てしもうた!?

ヤバイ幾らあの子がよう判らんけど凄い言うても、上位冒険者のウチらを倒した盗賊団相手や!複数来られたら勝ち目ない!


「おい!誰か来てくれ!!!!バイガンがヤられてる!!」


多勢に無勢は不味い。様子を見るか。いや!今が好機か。少なくとも今なら外に出て戦える機会がある!


「ウチも加勢するで!」


「え?」


好機と言ってもたぶん死ぬやろうな、いや死ぬよりひどい目にあうかもしれん。だけどあのまま震えてるよりましや!武器は、檻の折れた棒があるな。これがあれば一人や二人!皆の仇や!一人でも多く地獄に連れてったる!


「よしっ!………あ…あかん」


最悪なのが来よった!!


「おおバイガン!?誰がやった!」


「其処のローブのチビじゃ無いですか!」


「テメェがやったのか!」


「バイガン!しっかりしろ!」


盗賊ら十数人の集団できおった!!盗賊の癖に反応良すぎや!無理や。ウチより遥かに強いリーダを切り殺した隻眼の奴もおる!

く、仇が間近におるのに!馴れた武器でもアカンかったのに、こんな鉄の棒じゃアイツには勝てへん。


『其所の貴女!檻から出たならこの籠を開けて!!』


開ける?そうや!檻の中身は妖精やったな!妖精なら並の魔法使いより魔法が上手い筈や!援護してくれたら!籠の入り口は簡単に開けられそうや。けど相手は妖精、開けたらさっさと消えそう。


「開けるの良いけどその代わりアイツ等倒すの手伝ってくれるか」


『は!?ムリムリ!私攻撃は得意じゃないし』


「幻覚魔法とかの援護だけでもええから」


『幻覚魔法で援護とか無理だよ、それに私達が何もしなくてもーーホラ見て』


見ろって何を……ローブの子が拳を構えたけど、どないする気や!まさかこの人数相手に戦う気か!?なぶり殺しにされてしまうで!?私みたいにその覚悟があるんか。


「ごはんくれれば見逃すよ?」


ズッコケタ。


さっきから何言っとんや!!見逃すとか言う方が逆や!……逆やんな?さっきは真逆の結果になったけど、え、まさかこの人数差で倒せるとか思ってる?


「はっ、このガキ頭が可笑しいのか?」


「体ちょ…団長!バイガンは気絶してるだけの様です!しかし鎧が破壊されてます」


「そうか。鎧を破壊するとはな。ただのチビでも無いのか。そのローブの下はなんだ。……ゾング痛め付けてやれ!殺すなよ!」


「オウ!オラがオシオキしてやるがフヘヘヘヘ」

 

痛め付けてやれ言いながら一番の大男でアホそうなのが行くなや!って!アイツ!ウチの団のエルジが装備してた鋼より硬い、バルカ甲殻の盾を素手で叩き割ってた化け物染みた怪力の奴やん!エルジの剣を身体で防いだ化け物でもある。素早さは無さそうやけど、空間が制限された場所やと最悪に嫌な相手や。


え?大男が近付いてるのにあの子なんで動かんのや!


「はよ、にげぇ!!」


「オラ!」


大男がローブの子の頭狙いおった!痛め付けるとか言ってたやろ!!そんな岩でも砕きそうな勢いで殴ったら!


パシッ


受け止められるで…えっ?あの拳を受け止めてる?


「う、嘘だオラの拳がこんなチビに止められぃギャアアアアア」バキッ!


『ひうぅ!手がグチャッてなった!』


う、うわぁ大男の拳がエライ事になってる!

あ、あのローブのお子さん!弱いって!ボソッと言ったで!?バルカ甲殻を叩き割ってた奴の力が弱い!? あの子どんな腕力してんの!


「さよなら」ポッイ


「ぞん!グバァ!」ドゴ!


苦しんでる大男を簡単に持ち上げて他の盗賊に投げつけた!体重!ローブの子の何倍もあったやろ!?あの子ち、力!?ホントにスゴいな!?え、と言うことは……檻も素手でなんか!?下手なドラゴンより筋力上なんか!マジでローブの中身はなんや!着痩せしてるだけで中身ムキムキか!


どんな着痩せやねん!!


「ゾルゲ!!」


ゾルゲさんは壁にめり込んでるよ。


「なんだよコイツ」


「隊長どうする!」


「……殺すか。様子見とかするんじゃなかった。コイツまともじゃない!」


あの隻眼の男、刀身が黒い剣を抜いたらとんでもない威圧感を出してる!!あの剣はメタル系の魔獣を斬っても刃こぼれしなかった団長の剣を折った剣。あの剣のせいで団長は!


「俺が相手しよう。このゼルガン製の剣の相手には相応しいか見せてみろ」


ゼルガン製、ゼルガンってあの上級魔族のゼルガンか!?

かつて試作の剣の試し切りで数万って人を切り殺した魔族の刀職。


隻眼の男が前に出た。

ローブの子とどちらが勝つか。


「気を付けや。あの剣はとんでもなく危険や」


「剣は危険?ならーー必殺」


ローブの子が腰を下ろして構えた。これは武道の構えやったか。

ヒッサツ?


ゴッと風が吹いた。


バキ!バキ!バキ!バキ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!ハギ!バキ!


気付いた時には無数の打撃音が響いてた。


「「「「「ぐぶぁああ!」」」」」ドガガガ!!


盗賊ら一斉に洞窟の壁に叩きつけられた!!?

盗賊ら顔面が腫れ上がってる!えっ?ちょいまち!せ、隻眼の凄腕の奴も入ってるやないか!!……黒い剣は落ちとる。


「剣が怖いそうなので、剣を使う暇を与えない攻撃をしました」


その台詞にガックリ膝をついた。


「か……仇、全員一瞬でボコボ…う…ウチの団の仇……」


『なんか知らないけどご愁傷さま?』


……籠から聞こえてきた本気の同情の声に泣けた。


ーーー


とある洞窟につく半日前


シオンです。少し困ってます。


砦から続いた道を辿ってくと森に着きます。当たり前ですが目的は町なので森を避けて別の道を探します。なのに何故か結局森の中に入ってて迷子になりました。

 

純粋な迷子と違いますよ!これはーー迷わされて迷子。

森を避けたのにいつの間にか森の中、確実に幻惑系の魔法。森の中から出るには犯人をどうにかするしかない。


『アハハハ』


バカにした様な笑い声を聞こえてきた方向に猛ダッシュ!!


「見つけた!!」


犯人発見。

犯人は赤い髪の人型で羽の付いた虫系の魔物。捕まえて魔法で強化した手製の籠に入れました。


『虫じゃないよ妖精だよ!?』


しかし状況は更に悪化しました。追い掛けるのに夢中で森の奥に入りすぎて今度は本格的に迷子です。


『此処何処だろ』


捕まえた犯人も何処か解らないそう。道が解らない。

役に立たない。魔物なら非常食に成りますかね?


『食べられるとかいやぁぁ!うわーーん、誰か助けてーー!』


さ迷ってお腹空かせてると盗賊ルックなワイルドなオジサンに出会う。


「迷子か?着いてきな。大人しく着いてくれば飯を食わせてやる」


『絶対悪党だよ。着いてくの不味いよ!』


見かけと違い親切なオジサンがごはんくれると言うので着いていきますよ。籠の中の非常食が煩い。煩いので欲しいと言うオジサンに渡しました


『いやぁぁぁ!状況が悪くなったぁ』


オジサンについて行った先は洞窟。

魔物入れた手製の籠は取られ人がワラワラ入った檻の中に入れられる。←今ここ


オジサン、盗賊ルックじゃなくてマジものの盗賊だったらしいです。…誘拐されたんですか。誘拐。んー冷静になると食べ物欲しくて着いてくとか恥ずかしいですか?


まぁ、狐耳の可愛い女の子に会えたので自分的に+です。


さて逃げますか。檻は外せるか試たら簡単に壊れました。オジサンはどうしますか。盗賊で悪党、しかしご飯をくれると言うのは嘘は着いてない。


取り敢えず外に出てごはんを大盛りにする様に交渉。大盛りを直ぐに用意してくれたらオジサンだけは見逃します。


悲しいかな。真摯な交渉は決裂、速攻で倒します。あの砦で人みたいなのも相手してましたから躊躇とかも出ませんね。一応は手加減しましたよ。


悪党一人を倒すと悪党の仲間が現れた。


一人増えたと思えば何処から出てきた言いたいぐらいにワラワラ出てくるんです。黒い害虫みたいですよ。十数人くらい?皆ヤクザみたいな外見です。


威圧感的に砦で戦っていた弱い部類の魔物ぐらい弱い感じ

一応眼帯つけた人だけはソコソコ強そう?……まぁあの砦で戦った魔物と比べたら中間くらいの強さ?


トロールみたいな悪党が襲ってきました。


檻の中の人が悲鳴を上げました。うん、特に驚異も感じないんでトロール男の拳を掌で受け止めました。止めるだけのつもりが、

拳がグチャッと潰れてしまいました。

あー……魔物を相手にしてた時と同じ力加減はだめですね。取り合えず喚くトロールさんが煩いので投げました。


ただ投げただけなのに敵意がスゴい向けられましたよ。


眼帯の人が刀身が黒い剣を抜いた。

何処かで見たような?

威圧感は若干増えましたが特に危機感は感じないです。


狐の女の子が剣が危険と叫ぶ。

 

剣が危険、ウーン、大丈夫と思いますが警告されましたし一応警戒しますか。剣が危険なら遠距離攻撃で。

ですが遠距離だと手加減が難しい。殺しはなるべく嫌ですから回復魔法を手に展開。唸れボクの手。必殺、間違い非殺癒しのパンチ。


回復魔法付きの手加減パンチ。

即死ダメージでも(多分)死なない。(ギリギリ)死ぬ前に雀の涙ほど回復させる優しい攻撃。※アンデット系には特効です。


コレの遠距離版は拳の拳圧に回復魔法を乗せる攻撃。


砦で戦ってる時にナゼか考えた技ですが今まで使い道が無かった技です。つまり初御披露目、実際に回復するかは知りません。


やってみました。


隻眼のが少し避けましたがまぁ直ぐに顔面がボッコボコ。下手に避けるから余計に攻撃してしまいますよ。全員気絶…きぜつ?多分痙攣してますから多分気絶?で済んでます。あ、怪我が完全にではないですが治ってますね。

癒しパンチは上手くいきました。実験台?知りませんね。


狐の女の子は何でショックを受けてるんです?

立ち直ると狐の女の子が何者かとか問い詰めて来ましたが普通の旅人と自己紹介。


ジト目で見てくる狐の女の子を放置し早速盗賊の食料を頂きました。ついでに持ち物も少し拝借、此方が盗賊になった気もしますが、ゲームとかの勇者様だって貰ったりしてますからセーフてすよね。……お金とか無いですし仕方ない。



狐の女の子はヒーバリさんというそうです。


皆を町まで連れていって欲しいそうです。頼られましてもね。迷子に道案内は無理です。そう言うと何故かズッコケました。

町への道は知ってるそうです。僕に頼みたいのは護衛だそうです。人里まではボクも行きたかったので了承しました。



牢屋から人をだして気絶した盗賊をヒーバリさんが縄で縛って放置です。隻眼男は連れていって後の処分は他の人がするそうです。高確率で死罪だそう。


洞窟の中に裸の女の子も倒れてましたし同情は無いですね。



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