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お花見

作者: 室岡 勇実
掲載日:2026/03/05

春は出会いの季節であり、別れの季節でもある。私は毎年一人で桜を見に来ている。近所の小さな公園の一つしかない桜の木の下で、毎年春を過ごすのが私なのだ。


 五月が近づけば私には恋人ができた。とてもいい人だ。毎回、この人が将来の夫になる人だと思った。三月になれば恋人は私の下を離れていく。そうして私はまた一人で桜を見にいく。

 思えば、桜はいつも私の春を支えてくれる。ただ黙って、その綺麗に咲いたピンクの混じった白色の花弁を私に眺めることを許してくれる。大学の四年間、社会人になってからの三年間と、七年にも渡って私と桜の関係は続いた。今年で八年目になる。私は桜が散り始める頃にここに来ることをやめる。そして毎回一言呟いている。

「来年もよろしく、またね」と。

 葉桜になった頃、ようやく仕事もひと段落終えて久々にジャズバーに行った。年一回この時期にしか来ない。理由は、ここに来れば四季が一周するまで来る必要がなくなるからだ。

「良ければご一緒させてくれないかな」男の低い声がした。とても落ち着く声だ。

これは2年ほど前かに一度お花見をテーマに書いてみたものである。当時の私は恋人と別れた直後で、一人でお花見をしに行った。それを女性視点に置き換えて作ってみた。本当にただそれだけの作品なのだが、なんとなく思い立ってここに投稿してみる。

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