1話 異世界に行こう
やぁやぁ初めまして私は十六夜蒼華。れっきとした日本生まれ日本育ちの始祖の吸血姫である。
急に自己紹介をしてなんだって?
いや知らないやつが急に語り始めるよりは素性が明らかな方がマシでしょ?
ん?なになに?日本に吸血鬼はいないだろって?
いるじゃん、ここに。
まぁいいや、本題に入ろう。
私は今別の世界に転移するための準備をしている。
まぁ準備といっても持っていくものはないし転移自体は今目の前にいる神にやってもらう。
目の前に神がいるのかって?
いるんだよ。
で、結局準備っていうのは転移先の世界の話を聞くということだ。
ちなみに私は死んだわけではない。転生ではなく転移だから。
なぜこんなことになっているのかって?
そんなことは簡単だ。普通に過ごしてたら急に目の前に白い空間と神がいて、自分の世界を救って欲しいと頼まれたからだ。
ざっくり言うと私は神に世界を渡りたいと言った。そして神はそれを承認し渡る先の世界について説明している。ただそれだけだ。
なぜ神とコンタクトが取れるかについては面倒なので今は言わない。
「おい蒼華よ。聞いておるのか?」
あぁそうだ。今は向こうの世界について説明を受けているんだった。
「聞いてるよ。つまりは向こうの世界は科学の代わりに魔法が発展している剣と魔法の世界で時代的にはこっちの世界の中世ヨーロッパに近いんでしょ?」
「そうじゃ。ちゃんと聞いていたようじゃな。」
そう、私が今からいく世界には魔法がある。
いや、正確には魔法はこっちの世界にもある。ただそれがこちらの世界には認知されていないだけだ。
まぁ魔法が浸透している世界が正しいのかな?
要はゲームやアニメの中の世界のようなものだ。
「そして向こうの世界には6つの国がある。一つ目はオストール王国、単に王国と呼ばれることが多いのぅ。人間の国じゃが他の種族がいないわけではなく色んな種族がおる。しかし、魔族は少し偏見や差別があるのじゃ。」
へぇ、暮らしやすそうないい国だな。
「二つ目はウルガスト帝国じゃ。こっちは帝国と呼ばれることが多いのぅ。この国も人間の国じゃが人間至上主義で種族差別が酷い国じゃ。」
いい雰囲気はしないね。あまり関わらない方が良さそう。
「三つ目はフォレスティーン王国じゃ。エルフの国でエルフ国と呼ばれることが多い。多種族との干渉を嫌っているのでエルフ以外の種族は少ないのぅ。」
面白そうな国だな、いつか行ってみよう。
「四つ目はグラウオーエン王国、ドワーフの国じゃ。ドワーフ国と呼ばれることが多いのぅ。こっちはエルフ国と違って干渉を嫌っているわけではないが他の種族は少ないのぅ。」
鍛治とか習ってみたいなぁ。
「五つ目はラーナスト王国、獣人の国で獣人国と呼ばれることが多いぞ。この国は少し実力史上なところがあるのぅ。」
実力史上か、会社でも見習ってほしいなぁ。
「最後にローンデッド王国じゃな。魔族が暮らしておる。よく魔国と呼ばれることが多いぞ。ここはあまり魔族以外の種族はいないのぅ。」
まぁ、魔族の国に行きたがるのは物好きぐらいだろうなぁ。
「魔国以外のどの国も魔族はそこそこ嫌われているから気をつけるのじゃぞ。まぁ嫌われてるとは言え魔族を駆逐しようとかではなくあまり歓迎されないというだけだからそこは安心して良いぞ。これ以上の情報は…お前のことじゃ。どうせ自分で調べたいのじゃろうな。」
「おお、私のことよくわかってるね。」
「当たり前じゃ。もう何千年関わってると思っておるのじゃ。」
「だねぇ。……さて、そろそろ行こうかな。」
「なんじゃもう行くのか。」
「早く行ってみたいもん。」
「では送るぞ。」
「了解。」
次の瞬間、自分の足元が光り始め、魔法陣が浮かび上がる。
「またの。」
「またね。」
そう言うと私の意識は薄れていった。
目覚めた私が一番最初に思ったことは、体が痛いと言うことだ。
原因を探るため私は辺りを見渡す。
ああ、私は今地面に寝ているのか。どうりで痛いわけだ。
ということでまずは立ち上がる。
周りは、木しかないね。森だろうか。まぁテンプレだね。
とりあえずここがどこかがわからないと。
まぁあの神のことだ。どうせ王国の近くだろう。
まずは森を抜けなければ。ということで適当に歩く。
しばらく歩いていると魔物が現れた。
とは言っても実際に見るのは初めてなので本当に魔物なのかはわからない。
液状の体でぷるぷるとしていることからおそらくスライムだろうと思われる。
「鑑定」
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ステータス
名前:無し
種族:スライム
能力値:HP 5/5
MP 0/0
攻撃 1
防御 1
魔法攻撃 1
魔法防御 1
素早さ 1
スキル:無し
魔法:無し
___________________________________
やはりスライムだった。
とりあえず魔法を使ってみる。
手を魔物の方にかざす。
「ファイヤーボール」
そう唱えると手のひらから火球が出現し魔物の方に飛んでいく。
スライムはそれを避けられずに真正面から喰らう。
なんでいきなり魔法が使えるかって?
それはもう少ししたらわかると思う。
私はスライムに近づく。どうやらもう死んでいるようだ。さっきまで形も保っていた体が完全に液体になっている。
そしてそこには小さい石が落ちていた。
スライムの核的なやつかな?
「鑑定」
___________________________________
魔石
魔物の核となっている石。基本的には魔石が大きければ大きいほどその力は強くなる。
魔力を貯めることができる。そのため魔法を付与することで魔道具にすることもできるが大きさが小さいと簡単な付与しかできない。
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魔石か、本当にゲームみたいだな。使えるかもしれないしとりあえず持っていこう。
そうして空間魔法であるストレージに魔石をしまう。
そしてまた歩き始める。
しばらく歩くとやっと森を出れた。
少し遠くに村がある。あそこで情報収集をするか。
ちなみにあのあと何回か魔物に襲われた。
まぁ全部返り討ちにしたけど。
そう言えば向こうの世界では魔物がいなかったからレベルが上がらなかったけどこっちには魔物がいるからレベルが上がる。
実際いくつか上がってた。
今のステータスはこうである。
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ステータス
名前:ソーカ・イザヨイ
レベル:3
種族:始祖の吸血姫
能力値:HP 15381/15381
MP 15381/15381
攻撃 15465
防御 15368
魔法攻撃 15276
魔法防御 15468
敏捷 15542
状態異常:無し
魔法: 火魔法 水魔法 風魔法 雷魔法 光魔法 闇魔
法 氷魔法 土魔法 神聖魔法 etc…
スキル:全魔法適正 魔法創造 スキルコピー
吸血 超速再生 眷属支配 霧化 蝙蝠化 血
液操作 etc…
称号:始祖 吸血鬼の姫 魔法を生み出した者 努力
家 魔法に愛されし者
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お、名前が異世界仕様になってる。
ちなみにレベルが上がる前のステータスはこれだ。
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ステータス
名前:ソーカ・イザヨイ
レベル:1
種族:始祖の吸血姫
能力値:HP 10000/10000
MP 10000/10000
攻撃 10000
防御 10000
魔法攻撃 10000
魔法防御 10000
敏捷 10000
状態異常:無し
魔法: 火魔法 水魔法 風魔法 雷魔法 光魔法 闇魔
法 氷魔法 土魔法 神聖魔法 etc…
スキル:全魔法適正 魔法創造 スキルコピー
吸血 超速再生 眷属支配 霧化 蝙蝠化 血
液操作 etc…
称号:始祖 吸血鬼の姫 魔法を生み出した者 努力
家 魔法に愛されし者
___________________________________
たった2レベでステータスが5000ぐらい上がるとは。
多分成長系のスキルのおかげだな。
ちなみに始祖の吸血姫っていうのはこんな感じ。
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[始祖の吸血姫]
オリジンヴァンパイアとも呼ばれる吸血鬼の王である始祖の吸血鬼の姫
吸血鬼の子孫ではなくその存在自体が吸血鬼の始まり
その身体能力は人間を凌駕する
一般的な吸血鬼と違い吸血鬼の弱点を克服しているまさに王と呼ばれるに相応しい吸血鬼
吸血衝動はほぼないが定期的に血を飲まないと情緒不安定になる
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そしてスキル欄にないのに鑑定が使えるのはスキルコピーの効果である。
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[オリジナルスキル:スキルコピー]
自分が認知しているスキルを習得する
ただしそのスキルの性能を全て理解することが必要
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まぁこういうことだから厳密にはスキル欄に無いのではなく表示しきれてないだけなのだが。でもそれはステータス欄のetc...でわかるか。
なぜ表示しきれないほど多いかというと私は自分がやったゲームや見たアニメや漫画のスキルや魔法を全て覚えているからである。
おそらく1000は軽く超えているのでは無いか。
そういえば村で情報収集をしようと思ってたんだ。
でも人族の国って魔族嫌ってるんだったよな。王国はそこまででもないらしいけど…私一応魔族だけど大丈夫かな?
まぁ力を制限している普段の私の見た目は黒髪黒目だから魔族だとバレることはないだろう。
力を解放すると髪は伸びて白く、目は赤くいわゆる吸血鬼という感じの見た目になるけどその時に見られなければ大丈夫。
ちなみに身長は150ちょいぐらいしかない。
偽装スキルを使って人族に見えるようにしているから鑑定されても大丈夫だ。
よし、出発だ。
今回から初投稿をさせていただきますもなかラテと申します。
自分は文章弱者なので表現に違和感があったり見づらいところがあったりしたら教えていただけると嬉しいです。
また、学校があったり趣味もあるので投稿ペースに関しては不定期になることが予想されます。なので続きに関しては気長に待っていただけると嬉しいです。