9話 高校復讐編2
さてと、高校に侵入したはいいがどうやって復讐しようか‥‥‥。この時間なら丁度全校集会のために生徒と教師は体育館に全員いるはずだ。っていうか今って朝なのか。転移したせいで今が何時か分からなかった。
俺は放送室に向かう。体育館いる生徒と教師に俺が来た事を教える為だ。ひとまず復讐する奴は俺を直接イジメていた奴に絞る。どの道地球侵略する過程で全員殺すが俺をイジメた奴だけは俺だけで復讐しないと気が済まない。
放送室につき俺はマイクを取ると体育館に繋がっているか確認しマイクに向かって話しかけた。
「全校生徒の皆さん。おっはよ〜ございま〜す。俺は鬼河原良太。この導天高校に在籍していた生徒だ。突然の事で困惑しているかも知れない。殆どの生徒は無関係だ。だが俺をイジメていた生徒、教師には関係がある話だ。今からかくれんぼをする。ルールは簡単だ。俺に見つかったら即死亡。俺をイジメていたと自覚がある奴はこの校舎の中に隠れてもらう。鬼は俺だ。自覚が無い奴は体育館にいてくれて構わない。俺はイジメていた奴以外には基本的には不干渉。だが体育館にいた奴を狙おうとしてうっかり巻き込んでしまうかもな」
「制限時間は三十分。三十分隠れられた奴は殺されない。今から五分以内に隠れろ。五分立ったらスタートだ」
「ちなみに俺は放送室にいる。このデスゲームをどうするかは君達次第。ではスタート。俺は五分後動き始める」
俺はマイクを切りこれから始まる祭りに胸を踊らせた。
私の名前は幽激千聖。導天高校に通っている高校二年生。高校内では私は高校一の美少女‥‥‥らしい。
自分の事を美少女と思っていない私は今、大変な事に巻き込まれています。
自殺をして亡くなった私が大好きな人、良太くんがこの高校に来て復讐めいた事をしているんです。確かに良太くんはイジメられていた。それを止める人は誰もいなかった。私も止めようとはしたんだけどイジメの標的が私に移るのでは無いかと思うと怖くて助けられなかった。でも良太くんが傷付いていくのは耐えられなかった。だから私は良太くんの家に食べ物や絆創膏などを密かに送っていた。
良太くんは私が送ったって気づかないかも知れない。でも私に気づいてくれない事よりも良太くんが傷ついていく方が私は辛かった。
そして良太くんが自殺をした。何気ない朝のホームルームで先生が良太くんが亡くなった事を伝えた。死因については教えてくれなかったがその日のニュースで良太くんが自殺をして亡くなった事を知った。私はそのニュースを見て数日は部屋から出なかった。部屋でずっと泣いていた。原因は分かっていたはずだ。良太くんはイジメのせいで亡くなった。
両親は私が良太くんに好意を寄せていたのは分かっていたから何も言わず、部屋に引きこもったままにしてくれた。
私はイジメを知っていたのにそれを咎めることはなかった。そのせいで私の最愛の人が亡くなった。私は復讐したかった。良太くんをイジめ、それが原因で人を死なせておいて何もお咎めなしな人達を。
でも私はまた何も出来なかった。良太くんをイジメていた人達に復讐したいのに力が無い私は自分が段々嫌いになっていった。
そして月日が経ちつまらない一日が始まるはずだった。
「おい、開けろ!学校関係者で無いあんたが使っていい場所では無いんだぞ!」
俺が放送室にいると言ったらどんな反応をするかと思って楽しみにしていたが‥‥‥まさか元生徒だと認識すらされていないとは。この学校の教師はバカしかいないのか?
つーか、さっきから扉を叩いて来て鬱陶しい。手始めにコイツを殺しておこうか。そう思った俺は扉を開ける。そこにいたのは俺が知らない教師だった。
「貴様!こんな事をしていいと思っているのか!?事によっては警察に‥‥‥」
良い加減鬱陶しかったので異空庫から剣を取り出し目の前にいる男の教師の腹に突き刺した。男の教師は直ぐには死なず口から血を吐き苦しそうにもがいて死んでいった。
俺は人を殺したというのに特に何も感じなかった。一々人を殺している度に感情を出していては復讐なんて出来ないからな。転がっている死体は俺の感情を試す良い実験体だった。感謝しておこう。それにしても人の血って思ったより飛び散るんだな。ズボンが血で真っ赤になってしまった。お気に入りのズボンだったけど仕方ない。後で変えよう。
おっと五分経ったな。始めようか。最初の復讐だ。