8話 地球侵略の準備2+高校復讐編1
一週間も空いたって?ごめんよ。4月から入る学校の手続きが面倒くさくてね。
入った覚えの無いAm◯zonプ◯イムで映画とかアニメとか見ていた訳ではない。‥‥‥絶対に。
俺たちは王城を出て数十キロ先にある平原を目指していた。
「勇者様、質問しても宜しいでしょうか」
「何だ」
「何故平原に転移陣を設置するのでしょうか」
そう質問してきたのはカウス。何故王都から少し離れた場所に転移陣を設置するのかが分からないようだ。
「確かに王都から草原まで遠く使いづらいと思う。だが転移陣を使ってあっちから人間が送られてくる可能性がある。地球には魔力や魔法といったこの世界の常識なものは無いが、その代わりに科学というものが発展している。それを使って転移陣を解明する可能性がある。そういった意味では地球人は侮れない。もしこっちに軍隊が送られて来たら、そう思ったら平原の方が良いと思ってさ」
俺がそう言うと付いて来た二人は戦慄していた。
「魔法が無いのに魔法を理解しようとするとは‥‥‥。絶対にそんな事をさせないようにしないと」
ソアがそう言うが俺はそれは不可能だと思った。地球人はいつでも未知に対しての興味が尽きない。だからすぐには無理でもその内魔法という物を理解しそうだ。これは黙っておこう。
そうして話しているうちに平原が見えてきた。平原に着くと俺は転移陣を設置する為の魔法を放った。因みに転移陣を設置出来るのはこの世界では俺だけらしい。魔法創造ってヤバい力だなと改めて思った。これよりもヤバい奴が沢山あるんだけど‥‥‥。
転移陣を設置し転移陣の座標を東京に設定する。地球の中でも俺は日本しか分からないので取り敢えず日本の首都の東京にした。
俺たちは転移陣の上に乗り転移陣を起動させる。転移陣が光り出しその光に包まれる。少し眩しくて一瞬目を瞑ったらそこはもう異世界ではなく東京だった。
ここは東京のどこだ‥‥‥。家に引きこもっていた時間が長かったから東京の何処かを思い出すのに少し時間が掛かった。
思い出した。ここは東京の渋谷だ。よくニュースで見たスクランブル交差点のど真ん中に俺たちは立っていた。
帰ってきた。
このクソッタレな世界に。
「ゆ、勇者様‥‥‥」
カウスが何やら苦しそうにしていた。‥‥‥ヤッベ、地球には魔力が無いから苦しいのか。異世界の住人は体内に魔力官と呼ばれる器官を持っている。まあ血管みたいに魔力を全身に循環させる器官だと思ってくれて構わない。異世界人は魔力が無いと生きていけない。酸素みたいに空気から呼吸をして魔力を取り込んでいる為だ。魔力が無い地球では異世界人は体内の魔力を循環できないっぽいな。仕方ない。
俺はカウスとソアの全身を魔力で包み込んだ。これでひとまずは大丈夫だ。幸いにも俺の魔力は無限だからな。
「この魔力。勇者様の‥‥‥ありがとうございます」
「勇者様に包まれている感じがしてすごく心地良いな〜」
やめろソア。そんな事を言うな。恥ずかしいだろうが。何とか顔にださないようにしつつ俺はこれからどうするか決めた。
「よしひとまずこの国について調べないとな。まずはこの国の地形、歴史についてだ」
そして俺たちは異世界人であるカウスとソアが分かるように図書館を使って調べた。言語翻訳があるとは言えパソコンは使えなさそうだしな。
「よし、これからは別行動しよう。二人には引き続き地形と歴史を調べてくれ。調べた物を翻訳して向こうの世界に人達が見れるようにしてくれ」
「「分かりました」」
あの世界は魔法があるから一々紙に書いたりする必要が無いからな。
さて俺はどうしようか‥‥‥。
どうしようかと悩んだ末に行き着いたのは俺が2度も自殺をした高校だった。ここでの良い思い出は何一つ無い。
教室に入ったらすぐに罵声、授業の合間の休み時間は暴力、昼休みはお金を集られた。
だから、最初に復讐するのは高校だと決めていた。さてどう復讐しようか。
隠蔽魔法をいくつか掛けているのでいるので侵入自体は簡単に出来た。復讐しているときに逃げられたら面倒くさいので学校に結界を張った。これでこの学校は外部と完全に遮断された。
学校から出ることは出来ないし、外部からの通信などの電子機器のやり取りも出来なくした。これで心置き無く復讐が出来る。
そういえば一度目の自殺の前に告白されたんだっけ。俺の下駄箱に手紙だけ置いてあったな。誰かの悪戯だと思ってほったらかしにしていたが、本当に告白していたのだろうか。幸い今の俺は魔法が使える。魔法を使って告白してきた奴の心でも覗いてやろう。もし悪戯なら徹底的に復讐するけど。