6話 いわゆる説明回←ほんとに?
昨日昼ごはんを食べた数時間後にご飯を食べたことをマジで忘れてた。まだ二十歳でも無いのに記憶力が無さすぎてヤバい
俺はその話を聞いて絶句した。何故そんな事をするのか。異世界に来た弊害かは分からないが地球での記憶があまり残っていない。しかし高校で俺はイジメられていた気がする。それに関しては確かに復讐したいという気持ちがないと言ったら嘘になるが。何故アロメはそこまでして地球人を根絶やしにしようとするのは俺には分からなかった。
その理由を王サマが聞く。
「勇者様がこの世界に来た理由は分かりましたが何故勇者様の元の世界の人間を根絶やしにしなければいけないのでしょうか。女神アロメ様詳しく理由をお聞かせ願います」
「確かに理由無しにいきなりこんな事を言っては混乱しますよね。その理由を答えるに当たって一回目の異世界転生の前の良太様の事を離さなければいけません。良太様、話してもよろしいでしょうか」
突然の女神からの質問に少々テンパりながらも俺はOKを出す。話したところで面白い話でも無いが。
「ありがとうございます。ではお話ししましょう。一回目の転生の前の事を」
良太様は一般家庭の長男として生まれました。良太様とご両親、そして一歳下の妹様の四人家族で暮らしていました。ご両親はともに働いており顔を合わせる事はそこまで多くはありませんでしたがたまに顔を合わせるとうんと可愛がっていました。
ご両親は仕事がとても忙しいので良太様は妹様と家で二人きりになる事がとても多かったです。その為ご両親は自分たちが家にいない時に何かあった時の為に家の金庫に多額のお金を置いていました。
そして良太様が中学三年生になった時にご両親が交通事故に遭い亡くなりました。死因は相手の運転手によるよそ見です。本来だったら裁判沙汰ですが良太様はまだその知識がない為、相手側からの多額のお金でその事件を揉み消されました。
それと家にあったお金の合計金額は億を超えたためその後の良太様は中学を卒業し高校に入りました。
高校に入ると良太様はイジメられました。何が原因かは分かりませんが。そのイジメに加担していたのは同級生だけではありません。教師までもが加担していました。
良太様は家で一人で待っている妹様の為にイジメを耐えていましたが高校二年生になった時、いよいよ耐えきれなくなり高校の屋上から飛び降り自殺をしました。妹様への手紙を残して。
「これが良太様が1回目の転生をする前の人生です。酷いものでしょう。人間なんか所詮こんなもんだと思い知らされましたよ」
アロメの話が一旦終わり下を向いて聞いていた俺はふと顔を上げるとそこには悲しみに耽る人と怒りを灯す人が大半だった。
「何と‥‥‥悲しき事か。世界を救った勇者様の過去を聞けたらどれだけ良いかと思っていた自分が嫌になる。これでは過去を離したがらないのは当然だ」
「可哀想に。何故こんな仕打ちを受けなければならぬ。勇者様は何もしていないでは無いか」
「世界は違えどこれが同じ人間がする事か!?許せん‥‥‥」
「女神アロメ様が仰っていた勇者様の世界の蹂躙‥‥‥。腕が鳴るな‥‥‥」
この場にいる者は全員が勇者である俺の事で怒ってくれている。それが俺には嬉しかった。
そしてアロメは再び口を開いた。
「先ほど話したのは良太様が転生をする前の出来事。ではこの世界に来て勇者としての使命を全うし再び元の世界に戻った後、良太様がどうなったのかをお話しします。良太様よろしいでしょうか」
「ああ」
「ありがとうどざいます。‥‥‥と言っても先ほど話した内容とあまり変わりません。強いて言うと良太様をイジメる人間が学校外にも現れたという事です。学校外でのイジメは酷い者でした。女神の力を使って本当に滅ぼそうとしたくらいですよ。そして再び良太様は高校の屋上から飛び降り自殺をしました。そして再び私に出会いこの世界に転生させました。別の世界に転生をする際、元の世界の記憶が残っていると転生先と元の世界の記憶が混ざり混乱すると思いましたので今の良太様は元の世界の記憶がございません。なので良太様は私と会った時にあの世界を滅ぼしたいという私の願いを忘れています。‥‥‥さて良太様、貴方はこれからどうしますか?このままこの世界で普通に生きていきますか?それともこの世界の住人と私と協力して地球を滅ぼしますか?」
アロメが俺に問う。だが俺はこの出来事を覚えていた。二回目の転生の際のやり取りだなぁと思いながらも俺は再び答える。
「滅ぼすに決まってんだろ。あんな世界。力を貸せ、テメェら」
うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
俺の言葉に反応して皆が雄叫びを上げる。
この世界の方針が決まった瞬間だった。
百三十連で限定十体は神引き?