15話 北海道壊滅編2
北海道民の皆さん。とうとう北海道が崩壊してしまいました。道民の方がこれを見たらどう思うんだろうね。作者は北海道に何回かいった事があるのでどうやって壊そうか想像しやすかったです。
あと五分か‥‥‥。正午に北海道を破壊すると言ってからかれこれ五時間以上が経過した。北海道を破壊するという宣戦布告に対し日本政府はどんな対応をするのかテレビを見ていたが特に触れられていなかった。つまり子供の悪戯だと思われているのだ。
日本政府がどんな対応をするのかが楽しみでわざわざ宣戦布告をしたのにこれでは興醒めである。SNSの方がいい反応をしている。まあ恐怖というよりか俺を馬鹿にするような事ばっか目に付くが。散々煽られているがまあ落ち着けって。君たち全員殺してあげるから。
さてそろそろ作戦のおさらいをしておこう。と言っても魔獣を解き放つだけだ。魔獣がある程度暴れてくれたら俺も出てくつもりだがどのくらいで出よう?一応魔獣達は俺の言うことを聞いてくれてる。なら一度撤退させてから俺が出るのも面白そうだ。
俺は今さっぽろテレビ塔の上に立っている。宣戦布告をしたというのに自衛隊や警察官が来ている気配が無い。これは本格的に舐められているな。だったら宣戦布告が嘘じゃないと思わせないとな。
さてそろそろワームホールをさっぽろテレビ塔の上に設置しておこう。ワームホールを設置し近くの建物に飛び移る。魔獣がどんな働きをするか見守る為だ。
ん?ああ、正午だ。
さて始めようか。俺たちの地球侵略その一歩目を。
俺は北海道を蹂躙して行く様を記録しておくためにカメラを回し動画配信サイトで生放送をしていた。
「やあ、六時間ぶりかな。日本人の皆さん。六時間前に言った通り今から北海道を蹂躙して行くからよろしくな♪ところで俺がわざわざ宣戦布告をしたのにも関わらず何故軍隊が出動していない?もしかして舐められているのか俺たちは?それとも北海道は日本政府にとってどうでもいい場所だったりするのか?まあ良いか。次からは軍隊を出動させないといけないようにしないとな。おっと北海道の蹂躙が始まった。カメラを後ろに回せ」
カメラを持っているカウスが言われた通りにカメラを後ろに回すとそこには人にとっての地獄が映った。
今回呼び出した魔獣は狼だ。狼と言っても体長が全長数十メートルもある巨大サイズだ。その狼を数十体放ち人間を片っ端から殺していってる。狼達は俺が躾けたので俺の命令を忠実に守ってくれる。俺が狼に下した命令は”とにかく人間を殺せ”だ。特に制限をつけていないので魔法も撃っている。
狼が歩けばそれだけで人はぺちゃんこになる。お腹が減っているのか顔を横に向け地面につけ地面を滑るように走り口に中に一定数人間が入ったら噛み砕き飲み込んでいるやつもいた。他にも建物に隠れた人間を狼特有の鼻の良さを活かして見つけると口を開け炎を放ち人間を殺していた。
近くにいた警察官が勇敢にも拳銃一本で戦おうとしていたが狼に銃は効かない。例えるならアリ一匹が人には向かっているといったところか。銃を撃ち弾を命中させているが一発も効いた気配が無い。そのまま弾が切れ逃げ惑っているうちに狼に踏み潰された。
北海道札幌市にこんなたくさんの狼は要らないのでそれぞれバラけさせて北海道を破壊する事にした。稚内、網走、根室にそれぞれ三匹ずつ行かせ、函館方面にも向かわせた。そのせいで札幌には俺とカウスしかいないが問題ない。
「さて、この生放送を見てくれている皆さん。今狼達を北海道の各所に向かわせました。これが意味することはわかるね?北海道は今日で終わりということだ。俺は今から札幌と千歳、あとは‥‥‥室蘭辺りまで破壊しようかな。ああ、逃げたければ逃げていいよ。どの道日本は終わりだから」
カウスにカメラを閉じさせそのまま異世界に帰ってもらう。今からやる事は味方を巻き込んでしまう恐れがあるからな。カウスが帰ったのを確認したら俺は魔法を使った。
全身から赤黒いオーラを放ち始め、背中から燃えている翼が生え、顔の右側に炎のマークが現れる。
「さてと、壊しますか」
今使った魔法は『不死鳥』その名の通り不死鳥の能力を得るという魔法だ。と言っても不死鳥の能力がなんなのかは分かってないのでそれっぽいものを出すだけだ。
不死になり背中から翼が生える。あと炎を操れるようになる。ただ炎を操るだけなら通常時でも出来るがこの形態になると炎をより細かく操れるようになったり、炎の威力の調整がしやすくなったりと炎関連の能力が向上する。炎以外の属性魔法も使う事はできるが威力が落ちる。ちなみに背中の翼は背中から生えてくるという訳ではなく背中にくっついているという表現が正しい。
なんでこの形態になったかというとこの形態の方が単純に人を殺しやすいからだ。一対一なら『不死鳥』を使わなくてもいいが、今回行うのは大量虐殺がメインだ。だったら一人一人を魔法で殺すより『不死鳥』の炎で一気に殺した方が楽だ。
空を飛んで手をかざすだけで炎は大きくなって前に進んでいく。さっぽろテレビ塔付近から北に向かって炎を放つ。その炎を操り時計回りに回転させるとそれだけで札幌は火の海になった。
『探知魔法』で札幌付近に生きている人間がいないか探すも引っ掛からなかった。こんな呆気なく終わるならもう少しゆっくり炎を操った方が良かったかもしれない。まあ終わった事だからどうでも良いや。
『探知魔法』を切り千歳に向かおうと振り向いた瞬間、空から沢山の爆弾が降ってきて俺はその爆発に呑み込まれた。
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