10話 高校復讐編3
前回出てきた女の子の名前は咄嗟に出てきた漢字を合わせただけです。名前の読み方は『ゆうげきちさと』です。
俺には探知魔法があるのでどこに逃げようが隠れようが分かっているが敢えて焦らそう。いきなり全員殺してもゲーム性がないからな。最も魔法がある時点でゲーム性も無いが。
剣を肩に担ぎながら体育館に向かう。魔法を使っている事がバレないように聞き込みから始めよう。血がついている剣を持っていたら殺されると思って隠れている場所を教えてくれるバカが沢山居そうだ。
「やっほー。復讐者がやって来ましたよ〜」
俺は体育館の扉を開けると体育館全体に聞こえる様に拡散魔法を使いながらそう言った。体育館には隠れた生徒と教師以外の全員がいて生徒は床に座っていて教師は外部との連絡をしようとしている。
そんな事をしても無駄なのにと思っていたら刺股を持った教師一人がこっちに突っ込んで来た。刺股ごときで俺に敵うと思っているのか?丁度良い機会だ。俺が本当に人を殺すところを見ればわざわざ反抗する奴も減るだろう。
そう思って刺股を持って突っ込んでくる教師に対して剣を右から左に一振りする。
教師と俺には数メートルの間があったにも関わらず教師は上半身と下半身を分かれさせた。それに恐怖したのか他の刺股を持った教師も刺股を放し地面に座り込み呆然としている。俺は死体の横を通り過ぎ、近くにいた生徒に話しかけた。
「ねえ、君。どこに隠れたか分かる?」
俺に話しかけられた事に恐怖したのだろう。その生徒は青白い顔でカタカタと震えながらこっちにゆっくり振り返る。
「うん、そう。君に話しかけているんだ。俺が言ったことは分からなかったかな?もう一度だけ言うぞ。あいつらはどこに隠れた?」
再び問いかけてもその生徒は怖くて口が上手く動かないのか居場所を話してくれない。仕方ない。コイツは殺して次の生徒に話を聞こうか。俺が剣を振り上げるとその生徒は死が近付いたのを敏感に察知したのだろう。先程まで動かなかった口が嘘のように動き出した。
「あ、あいつらは、その‥‥‥えっと、た、体育、‥‥‥倉庫にい、行ったのを、見た‥‥‥」
なるほど、体育倉庫か。あいつらと言ったからには複数人いるんだろう。俺は早速体育倉庫に向かった。探知魔法を使っても体育倉庫に複数反応があるからこの生徒が言っていた事は嘘では無いのだろう。
「よく教えてくれた。お礼に君は殺さないであげるよ」
そう言い残し俺は体育倉庫に向かう。体育倉庫は体育館の裏にあるのですぐ着いた。体育倉庫の扉を開けようと、扉を横にスライドさせようとしたのだが開かない。中でバリケードなんか作っているのだろう。俺には意味が無いが。
力任せに扉を開けるとそこには怯えた表情で背後にあるマットにもたれ掛かっている女子生徒とそれを守る様に拳を構え前に出ている男子生徒がいた。
「お前!これ以上近づいてみろ!よ、容赦しないからな!」
そう意気込んではいるが脚はガクガクだ。俺はそういう中途半端な奴が嫌いだ。守るなら覚悟を持って守る。逃げるなら全力で逃げる。隠れるなら本気で隠れる。全てが中途半端な男子生徒に少し腹立った俺は男子生徒の腹を蹴り飛ばし背後にいた女子生徒のとこに飛ばした。
俺の身体能力は魔法で強化している事も相まって人間を飛躍している。そんな俺の蹴りを受けた男子生徒は口から血を吐き出した。殺さない様に手加減したとはいえアレは骨と内臓がグチャグチャになっている。全く人間は脆いな。
俺は血反吐を吐いている男子生徒の横にいる女子生徒に近づくと女子生徒は震え出した。
「や、やめて。助けて。な、なんでこんな事を‥‥‥」
女子生徒は無様に命乞いをしだした。涙が溢れ出しているその表情を見るとなんとも無様だなぁと思う。それにしても今さら命乞いなんてバカじゃ無いのか?
「‥‥‥なんでこんな事を、ね。俺をこうしたのはお前らだぞ?」
俺はそう言い残し隣にいる男子生徒を剣で滅多刺しにした。それを見て女子生徒は絶望したような表情をした。
ああ、俺は人間のこういう表情を見たかったんだよ。最後にそれを見せてくれるなんて。それを見せてくれたお礼にきちんと殺してあげよう。
俺は剣を真上から振り下ろした。人って半分に割るとこんな感じなんだな。