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瀾(七)

「遊んでたせいで……時間切れになったようね……。ここで選びなさい。私の巫女になるか……仲間を失なうか……。私の同類の応援が来たようだけど……まだ、貴方の仲間を殺す時間ぐらいは有る」

 たしかにそうだ……。佐伯は……「神の力」を持たぬ者を手さえ触れずに殺す事が出来る。そして、それを防ぐ手段は……無い。

 佐伯は「ゲーム」と言っていたが、最初から佐伯に有利なだけでなく、いつでも、佐伯が好きにルールを変える事の出来るとんだ糞ゲーだったのだ。

 だが……その「ゲーム」そのものを引っくり返す手は残っている。

 私は右手で脇腹に有る鎌型短剣(カランビット)を抜く。

「頭の良い貴方なら判るでしょ……。そんな事をしても無意味よ。貴方は立上る事さえ……」

 残念ながら、この刃を向ける相手はお前じゃない。

 私は刃を自分の首筋に当てた。

「他人をとやかく言えた義理じゃないが……好き勝手やってくれたな……。ここまでの真似をやった挙句、人に不本意な選択を強いて……自分が同じ目に遭わないとでも思っていたのか?」

「ほ……本気なの?」

「あんたは……人の心が読めるんだろ? 判る筈だ」

「ま……待ちなさい」

「酷い二択のどっちかを選ぶ羽目になるのは私じゃない。お前だ。選べ。お前が欲がってるモノを得る機会を永遠に失なうか……とっとと帰って、万が一、私の気が変る日が来るのを待ち続けるか」

「ちょっと……」

「選べ。お前は……たかが神様の分際で……喧嘩を売ってはいけない相手に喧嘩を売った。これ位の報いは安いモノだろ?」

「な……何様のつもり?」

「決ってるじゃないか……。お前程度の神様気取りより恐しい化物……ただの人間様だ」

「ふ……ふざけ……」

「何を待ってる? 頭のいいお前の事だ。良く判ってる筈だ。時が過ぎる程……お前が不利になる。早く選べ」

「ふざけんじゃねぇぞ、小僧」

 その時、「おっちゃん」の声がした。

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