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瀾(一)

 私は……桜さんの足下に有るガトリング砲を掴んだ。

 桜さんの強化服(パワードスーツ)の大型アームが破壊された際に落ちたものだ。

「……お……おい……」

「不自惜身命」

 「火事場の馬鹿力」を出す為の自己暗示キーワード 兼 この「鎧」のリミッター解除キーワードを、再び唱える。

 私は佐伯……いや……「赤の竜神」珊瑚と言うべきか……の周囲を回りながらガトリング砲を発射。

 佐伯も次々と「氷の壁」を作り出し銃弾を防ぐ。

 だが……私がある位置まで来た時……。

 氷の壁が消える。私も銃撃を止める。

 射線上に居たのは……桜さんだ。

「自分の命は捨てる事が出来ても……仲間の命は捨てる事が出来ない……。根っからの『ヒーロー』みた……」

 だが、他人の心が読めるヤツは……何かがおかしいと気付いたようだ。

「余剰エネルギー放出。背中・脚背面。出力最大」

 私は……ガトリング砲の銃身を持ち……飛んだ。

 ガトリング砲を鈍器代りに使った殴打が……ヤツに届く直前……ヤツの周囲の地面がビビ割れ水が吹き出し……。

 氷の壁を作るのは間に合わなかったようだが……水の勢いで打撃が逸れた。

「クソっ‼」

 再び私はガトリング砲の銃口をヤツに向けるが……。

「えっ?」

 地面は、ヤツの周囲……人1人が立てるだけのスペースを残して……ヒビ割れ……そして……。

 アスファルトやコンクリートの下の地面は液状化していた。私と桜さんは……泥水に足を取られてバランスを崩す。

 いや……もう……膝の辺りまで泥水に漬かり動く事さえままならない。

「貴方の心は……どうやら……『恐怖』が……死ぬ事や、傷付く事への『恐怖』が欠けているようね……」

 ヤツは私を見ながら、そう言った。

「けれど……そんな人間は他にも居る。貴方程度に知恵が回る人間も……貴方程度の強さの人間も……いくらでも居る」

「なら、そいつらをあんたの巫女にすれば良いだろ。力欲しさに、あんたに魂を売る者など、選り取り見取りじゃないのか?」

「けれど……私の予想を裏切る真似をしたのは貴方ぐらいよ……。まだ……少しは時間は有りそうね……。貴方が、何故、特別な存在なのか……理由を調べてみるのも良いかもね……」

「何?」

「あの駅の中に……ざっと7人。貴方の仲間が居るようね……。そいつらを皆殺しにする……。ああ、手加減はしてあげるから、貴方でも、私を阻止するのは不可能じゃないわ」

 泥水の一部が凍っていく。ヤツと久留米駅を結ぶ「氷の道」が生まれた。

「ゲーム開始は……私が、あの駅に入ってからよ」

 そう言って、ヤツは悠々と「氷の道」の上を歩いていった。

『聞こえた……中々……洒落にならん事態だな』

 死神(ヤマ)からの通信。

『俺達を助けようなんて思うんじゃねぇぞ。逃げろ。頭のいいお前の事だ……。それが「最適解」ってヤツだって事は(こたぁ)判るだろ』

 続いて「おっちゃん」から通信。

「で……でも……」

(おいら)はお前の師匠の1人だ。言うなれば……お前の父親みてぇなモンだ。……娘の為に死ぬのも悪かねえや』

「フザけないで下さい」

『そっちこそフザけた真似ばかりしやがって……若いのが先に死ぬなんて……アベコベにも程が有る』

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