237 合同練習 武芸の指導
ひぃぃぃ投稿遅くなってすいません~~~!!
合同練習期間中、
武芸の授業だけは1年生のレベルに合った授業をする。
俺らは1年生に手本を見せつつ、指導してあげる感じだ。
クラスメイトは懐かしいな〜なんて騒いでいたが、俺は1年の授業を受けたことがないから結構新鮮だった。
「そもそも解名を見たこともあまりないだろう。2年後にはこんなこともできるようになるんだって見せてやろう!それじゃあ……」
バノガー先生がぐるっと3年を見渡してからコルネリウスを指さした。
「コルネリウス!1年に見せてやれ!」
『はい!!』
コルネリウスは15メートルほど離れた位置にある的の方に片手を向けた。照準を合わせているのだろう。
『ギフト・・ 氷刺 』
パリィィン…!! シュン……バァァァン!!!
コルネリウスは的の中央を綺麗に射抜いた。
射抜いた氷は勢いが衰えることなく壁まで到達し、そこに氷の華が咲いた。美しいし威力もすごい。
「『「「『 おおおお~~!!!!! 』」』」』
1年生は大きな拍手を送った。かわいい。
バノガー先生は笑いながら1年に言った。
「まぁここまでできるようになれとは言わんが、ここまでできるってことだ!みんな頑張れよ!それじゃあまずは各々が出せる芸を指導生に見せてやってくれ!」
俺はアデルの指導を行う。
「アデルは芸って何ができるんだ?」
俺の質問にアデルは答えにくそうにした。
「私は…火と水……だけ…。」
「おお!じゃあ氷も風もできるようになると思うぞ。」
「……え?なんで?ほんとに?」
「本当だ!類が近いからな!」
俺の言葉を聞いたアデルは嬉しそうだった。やっぱ色んな芸ができる方が嬉しいんだな。
「アグニさんはやっぱ全部できるんですか?」
この質問の答えに迷った。
「全部か……全部って、たぶん全部じゃないんだと思う。」
「?? どういうことですか?」
「芸も解名も、無限ってこと。」
俺らは知っている範囲でできるできないを分けて考えているけど、本当はそうじゃない。
芸も解名も、想像や努力、「こんな風にできたらいいな」という発想を起点にして様々な形に実るんだ。
だからこそ固有技というものが存在するのだろうし。
「だからなアデル、お前は火や水しかできないわけじゃない。今はまだ火と水の芸だけかもしれないが、今後あらゆる芸と解名ができるようになる。」
考えを狭めては、あまりに勿体ない。
「たとえばさ、」
俺はアデルに質問した。
「アデルはどんな芸や解名があったら便利だと思う?恰好いいと思う?強いと思う?」
「え………。」
ピーー!!!
「よぉし!一回集合~!!!」
バノガー先生の言葉で俺らは集合場所に戻っていった。バノガー先生は全員が揃ったことを確認すると、珍しく少し真面目な表情で伝えた。
「伝えていなかったが、この1週間の目標は『芸とは何かを知る』だ。この授業、もちろん身体は使って欲しいが3年とよく話し合ってほしい。そんで1年生、各々が出した答えを5の日に発表してもらうからな!」
「『「『 ええ〜〜!!! 」』」』
1年が嫌そうに顔を曇らせている。かわいい。
芸素的にはそこまで嫌がってないってことがわかるから、一層かわいい。
「それじゃあ再度ペアで練習!俺は順番にペアを見ていくから指導方法がわからなかったり、することわからなかったら伝えてくれ!」
俺とアデルは再度ペアになって少し離れたところにいった。
そこになぜかシルヴィアとグリムもついてきた。
「どした2人とも?」
『アグニさん、アデルさんは軍部志望でも護衛騎士志望でもありませんからね。』
「え?あ、そっか。」
武芸の授業を受ける多くの学生は軍部や護衛騎士志望が多いが、高い爵位の生徒は志望を問わず授業を受ける。シルヴィアやシャルル、アルベルトがその例だ。そしてアデルやグリムもそうなのだろう。
『僕はアデルを守れるように防御の武芸を学びたいんです!もちろんアデルを危険に晒すことなんて絶対しないですけど!!』
「わ、わたしも攻撃より身を守る武芸を学びたいです。」
2人とも防御に専念したい感じか。
「ちなみにグリムはなんの芸ができるんだ?」
『僕は風と水と氷です!!』
「お、シルヴィアは水の芸が上手いんだぞ!ちょうどよかったな!」
『勝手なことを言わないでください。』
シルヴィアはすぐにそう言ったが、ちょっと嬉しそうな芸素が流れ出ていた。
「よし!アデルも水の芸できるし、4人で水を使った防御方法を考えてみようぜ!まずは2人がどれくらい水を操れるのか見たいから、1回目は上に高く、2回目は横に遠く水を飛ばしてみてくれ。」
「『 はい!! 』」
まずはアデルが行った。
上向きには1.5mくらい。横向きは2mほどだ。
「うぅん……おけ。次、グリム!」
グリムも・・・同様だった。
『2人とも、今の芸をあと何回ほど出せますか?』
「私はあと……5回ほどかと。」
『えー!アデル凄い!!僕はあと4回かなぁ……』
「そ、そっか……」
やはりこの結論にたどり着いたか。
2人とも、芸素量が少ない。芸素の使用効率が悪い。
「んーーーー…何かの芸を練習するというよりかは根本的な部分を鍛えた方がいいのかな……」
けど2人は実践的な芸を学びたがっている。
それをガン無視しちゃっていいのだろうか。
『……グリムさん、アデルさん、』
「『 はい!! 』」
シルヴィアに呼びかけられると2人は元気よく返事をした。
『この短期間で、芸が完成されることはないでしょう。』
「『 え……。 』」
2人は目を見開き、驚いていた。
『芸の習得はそんな簡単なものではありません。そして、私たちがあなた方の芸習得にずっと付き合うこともできません。』
「『 っ………! 』」
『だからこそ、今後ご自身で芸を習得していく術をお教えます。ご自身だけで鍛えていく方法をお伝えしましょう。』
「『 っ……わかりました!よろしくお願いいたします!!』」
2人とも頭のいい子だ。
ゼロからイチへの組み立て方を学べば、今後自分の力でいくらでも上に伸ばせるはずだ。
シルヴィアは2人にきちんと頷いてから、俺の方を見た。
『アグニさん、以前あなたは私の体に芸素を送ったことがあったでしょう?あれをこの2人にもできますか?』
「え?」
そういえば以前、芸の授業で試合をした時、シルヴィアが芸素切れを起こしそうだったんで俺が急いで芸素を送ったんだった。
その時はたしかシルヴィアに怒られた気がするけど、あれをもう一度しろと??
『あの時、私は自身の体に芸素が流れているのを強く感じました。』
シルヴィアは自分の手を見ながら続けた。
『身体にじんわりと……足の先から手の指先まで芸素が拡がっていく……あの感覚を得てから、私は芸素の使用効率が格段に良くなりました。』
「ま、まじか!!じゃあ2人にもそうしよう!」
めっちゃいいこと知った。
芸素を体に送って、感覚を覚えてもらえばいいんだ!
「よし!グリム、アデル、2人とも俺の手を掴んで!」
「『 え??は、はい! 」』
2人は戸惑いながらも、俺の手を掴んだ。
右手はアデル、左手はグリム。
俺は2人を交互に見ながら笑顔で言った。
「今から2人に俺の芸素を流し込むから、その流れを感じてみてくれ。」
「『 わかりました!! 」』
「よぉし!」
俺は少しずつ2人に芸素を流していった。
要領としては威圧や治癒に近い。自分の芸素を意図して相手の体に叩き込むような感じだ。
だからこそ、俺は慎重になるべきだった。
『あ、あ、、れ、、エ?』
「…ぐかはっ!!!」
『アグニさん!!!』
「えっ???」
2人の体から芸素の反発があった。そんなことは初めてで、俺は驚いて芸素を流すのをやめた。
『うっ……うぅ…!!!』
「ひゅー…ひゅー…ひゅー…」
「アデル!グリム!?大丈夫か?!!」
2人は驚くほど苦しそうだった。なぜだか訳はわからなかったが、2人の顔色がとても悪い。
「ギ、ギフト!治…」
『アグニさんやめてください!!』
2人に治癒をかけようとした俺の手をシルヴィアが弾き飛ばした。
『これはもしかしたら……芸素過多です!けどまさか…でも……っアグニさん!すぐにバノガー先生を!!』
「あ、わかった!!」
俺は言われるがまま走り、すぐにバノガー先生を呼びにいった。
まだちょっと合同練習続きそうです




