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再創世記 ~その特徴は『天使の血筋』にあてはまらない~  作者: タナカデス
第1章 名はアグニ
13/268

13 →サントニ町→氷の町

大量のアリの芸獣の死骸を持ってやっと町に戻った。



   うん。疲れたよね。

   でも見たことないようないい素材が手に入った。

   使うのがとても楽しみだ!



サントニ町に着いて、とりあえず質屋に行き5匹のアリの死骸を売りに行くことになった。




・・・・・・





「へいらっしゃい。売りたいならこちらへ。買いたいなら2階まであるからゆっくり見てってくださいな」


店頭で男が興味なさげに、決まり文句を言う。


シリウスはスタスタと(民族衣装着済み)店主のところへ行きアリの死骸を置く。



『これすべて売りで。昨日取ったものです』


5匹のアリを見て店主の顔が少しこわばった。


「お客さん、だいぶ狩りましたね。」


『そうかしら…?まあこれくらいはね…』


「品質を検めます。昨日は何人で行かれたんですか?」


『2人です。』


シリウスが俺の方に一瞬顔を向け、店主にそう答える。

すると店主は眉間に大きくしわを寄せ、訝しそうな顔をした。


「2人で?この個体数を?お客さん、もしかして…「天使の血筋」の私兵か…?」



   なんだ?



『いいえ。たまたまですわ』


シリウスは赤の薄い布越しに店主に微笑む。

店主はその顔に少したじろぎつつ再度質問をした。


『何か…よほどすごい芸石を使ってる、とか?』



   芸石?なんだそれ?もう本当にわかんねぇな。



しかしシリウスはまたもや妖艶に微笑んで答えた。


『そんなことないですわ。本当にたまたま、ですのよ』


「……わかりました。はい。こちら全て買い取れます。全部で50センだ。良いかい?」


『ええ。ありがとう。ではまた』


「ああ。またのお越しを」



そうして質屋を出た。結構すぐ済んだ。せっかくだから少しお店見たかったが…それよりも50センの値段がどれくらいなのかがわかんない。そもそもお金がよくわかんない。


「なあなあ、50センってどんくらいなの?」


『そうだね。この前泊まった宿は一泊1部屋素泊まりで5センくらいだったかな。だからあの宿に10日は泊まれるよ。センの下の単位がペン。センの上の単位がウェン。1000ペンで1セン。1000センで1ウェン。まあこれからわかるよ。』


「なあなあ、あと天使の血筋ってのと芸石?は何?」


『天使の血筋は…サントニ町のすぐ隣の国、シメリア公国を治めている大公の事だよ。それについては今度ゆっくり話そう。芸石は単純に、芸を行うために使う石のことだよ』


「え?俺ら使ってないよね?みんなは使うの?」


『ん~ほとんどの人は芸をするのに必要なんだよ。僕たちが異質なの。ほら、あの人見てみ?おでこに赤い石付けてるでしょ?あっちの人は首、あそこの人は耳に着けてる。ね?』



言われるがまま辺りを見ると、本当にみんな付けてる。

色々な色や形、装飾をした石を付けていた。なんならそれをお洒落の一部として使っている。


「あれ付けるとどうなるの?」


『それは芸石に付与するもの次第。基本、芸の補助効果かな。たとえば、赤い芸石を付けて炎の芸をより大きく、それでいて扱いやすくする…とかね。』


「俺も付けたら使えるの?」


『君は、使える。』


「どういうこと?シリウスは?」


『僕は使えない。芸石がなくても芸を出せる人は逆に芸石を使えないんだ。君だけが…唯一の例外。』


「え、なんで?」


疑問を口にするとシリウスは俺の頭に手を置いて、柔らかに微笑んだ。



『それは今後、自分で理由を見つけなさい』





・・・・・・






色々な宿を経験したいので、この前とは別の宿に泊まることにした。


今回の宿の内装は下に青いカーペット、水色の壁紙で家具を白に揃えており清潔感のある女性らしい可愛さのある部屋だった。その分少しお値段も張ったが…


『アグニ。明日からまたこの町を出るよ。いい?』


宿について少し落ち着いたところでシリウスがそう切り出した。


「おう。わかった。次は?」


『次はね、ここからずっと南に言った町。シリアドネ公国のエッセン町だ』


「エッセン町…そこには何があるんだ?」


もちろんシリアドネ公国もエッセン町も聞いたことのない俺は毎度のようにシリウスに聞くしかない。


『エッセンは別名「氷の町」だ。芸獣の影響で町全体が氷に覆われて、人が住めなくなった。』


「え…どうして?」


『ディヴァテロス帝国は南に行けば行くほど年平均気温が低くなる。その中でもエッセン町は冬の寒さの厳しいところだったんだけど、その町の近くに氷の芸を出す強力な芸獣が棲みついた』


寒いところの方が氷を扱う芸獣は生きやすいのだろう。だからこそ、エッセン町は芸獣に狙われたのだ。


「じゃあ、退治がてら素材ゲット?」


『ああ。君は新しく氷をマスターする時がきたね』



シリウスが無邪気に笑って言う。

俺もそれにつられて笑顔で言う。




「てめえまたおれを突き飛ばす気か」















「天使の血筋」・・・この物語の最大のポイントになります。これから死ぬほど使います。


芸石をアグニは使える、けどシリウスは使えない。これも大きなポイントですね

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