13.ヒーローとして 前編
GM:それでは始めていきましょう。先ほど出てきたフードを被った老人は「よく来た、ヒーロー達よ。私がロード・ダークネスだ」
レイドライト/飛騨:「お前が!」
GM:「レイドライト君は私の事をよく知っているんじゃないかな?」
レイドライト/飛騨:「忘れるわけがねぇよなぁ! 自分が何したか、よーく分かってんだろぉ?」
GM:少し笑いながらロード・ダークネスはフードを取り払います。中から出てくる顔は紛れもなく黒崎信二朗の顔です。
タカ:「黒崎殿……どうして」
GM:「タカ君か、どうしてと言われてもね。この世の中ではヒーローの力だけでは救えない物もある。多くの人々を救うために政治家になったが、大した意味は無かった。やはり力が無ければ何も救うことはできない」
レイドライト/飛騨:「救うだぁ? 何人、人が死んだと思ってんだ!」
GM:「確かに多くの人を犠牲にしてしまった。本当に申し訳ないと思っている」
レイドライト/飛騨:「いけしゃあしゃあと……」
GM:「ヴィランはヒーローと違い、自らのために力を使うことができる。規則に縛られた身では何もできないのだ。どうだ、ヒーロー達よ。私と共にヴィランとなって多くの人を救わないか?」
タカ:「その結果、どれほどの人が……。その提案には乗れませぬ」
レイドライト/飛騨:「綺麗ごと言ってんじゃねえぞ! この人殺しが!」
GM:「耳が痛いな、それもまたキミ達の道か。しかし、私の正体を知った以上は生きて返すわけにはいかない」
レイドライト/飛騨:自分で言っておいて(一同笑)。
デュラハン/沖:じゃあこちらは「潜入捜査か何かっすか?確かに得られるものも多いでしょうが、報告も無しにするのはどうなんっすかね?」と空駆さんに。
GM:「いや、違う。俺は自分の意志でここにいる」
デュラハン/沖:「分かんないなぁ。ついさっきまで警察署で話していた自分の同僚がまさかこんなことしていたなんて思わなかったんすけど」
GM:「俺は妻と子供を救うために手を汚してしまった……。今更戻るわけにはいかない」
デュラハン/沖:「調子が悪いとは言ってましたが、それと関係あるんですか?」
GM:それなら……「ここの作っている薬剤については知っているか? ヒーロー、ヴィランが使うと体に悪影響がでる痛み止めだ。俺の妻が入院しいる病院でもあれを使っていたんだ。ロード・ダークネスの部下になれば中和剤を用意してもらうという契約だ」
デュラハン/沖:「それって完全にマッチポンプじゃないっすか!」
GM:それを聞いてロード・ダークネスの方はニヤリと口角を上げる感じですね。
レイドライト/飛騨:「おいおい、人を救うっていうんなら、ちゃんとタダで救ってやらねえといけねぇんじゃねぇか?」
GM:「あの薬には致死性はない。あくまで疲労が溜まることで出産の際に衰弱する可能性が高いというだけだ。私自身は手を下してはいないよ」
ダイヤモンド/エヴァ:「最低ネ!」
GM:「私は医者ではないし、販売しているだけだ。なんなら使っている病院側が悪いんじゃないか?」
デュラハン/沖:「空駆! 自分が立っている側の人間を見てみろ! こんなことを言うやつを信用できるんすか!」
GM:それに対してロード・ダークネスは「既に中和剤は投与した。私が約束を守ったから、彼も守っているのだよ」と言うとロード・ダークネスの右手から淡く輝いて、それに呼応するように、空駆さんの体が光のラインで拘束されているのが見えるようになりますかね。
デュラハン/沖:「悲しいっすよ……。一発殴って、目を覚まさせてやる」と言いながら、懐のスマホからデュラハンを呼び出します。
GM:ロード・ダークネスが「ロード・カラミティ。奴らを始末しろ」と言ったところで、戦闘を始めましょう。戦闘配置はプレイヤーで1エンゲージ、ロード・ダークネスと、ロード・カラミティで1エンゲージです。
~~戦闘開始~~
第1ラウンド
・行動値
タカ 11
ダイヤモンド 11
ロード・カラミティ 10
デュラハン 9
レイドライト 8
ロード・ダークネス 6
GM:第1ラウンドのセットアッププロセスです。行動値順に宣告していってください。
タカ:《影化》を宣言します。
GM:了解です。他の方はありますか?
ダイヤモンド/エヴァ:ないです。
デュラハン/沖:ないです。
レイドライト/飛騨:ないです。
GM:こちらもないです。続いてイニシアチブプロセス。行動値が11のタカさんとダイヤモンドさんからです。
タカ:じゃあ先に行きます。ムーブアクションで《変異解放》、マイナーアクションは無し。メジャーアクションで《成敗!》を使用してヴィランのエンゲージに対して攻撃。更に判定前に《異界の常識》を宣言。(ダイスを振る)命中値23です。
GM:たっか! どちらもクリティカルしなければ避けられません。(ダイスを振る)無理ですね。
タカ:ダメージ出します。(ダイスを振る)37点の刺属性ダメージです。
GM:まだまだピンピンしていますね。それでは続きましてダイヤモンドさんの手番です。
ダイヤモンド/エヴァ:じゃあロード・ダークネスに対して攻撃します。ムーブアクション、マイナーアクションは無し。メジャーアクションで《鮮やかな輝き》と《伝説の戦士》を宣言して『アイスアロー』で特殊攻撃をします。(ダイスを振る)こちらの命中は21です。
GM:(ダイスを振る)さすがに命中しました。
ダイヤモンド/エヴァ:ダメージロール前に魔力の雫を宣言しますね。(ダイスを振る)34点の氷属性ダメージです。
GM:ロード・ダークネスもまだまだ健在です。続いて行動値10のロード・カラミティの攻撃です。ムーブアクションでヒーローのエンゲージに侵入します。攻撃対象はレイドライトさんにします。マイナーアクションは無しで、メジャーアクションで切りかかります。判定直前に《千里眼》を使用。この攻撃に対する相手の回避C値を2増やします。(ダイスを振る)命中値12です。
レイドライト/飛騨:まだいける気がする。(ダイスを振る)回避11です。……イエティ君をお願いできないでしょうか?
ダイヤモンド/エヴァ:じゃあ特技の《使い魔》使用します。「いくネ! イエティ君!」
レイドライト/飛騨:じゃあ回避14で避けました!(どや顔)
GM:では、《使い魔》のおかげで攻撃がそれました。続いてデュラハンさんの手番です。
デュラハン/沖:本当はロード・ダークネスに攻撃しないといけないんですけど、ロード・カラミティに攻撃します。
GM:了解です。ムーブアクションで《アクセルヒット》を宣言。マイナーアクションは無し。メジャーアクションで《デコード》を宣言してロード・カラミティに特殊攻撃をします。(ダイスを振る)命中は13ですかねぇ。低いですねぇ。
GM:(ダイスを振る)こちらも13なので同値は回避側優先なんで回避成功ですね。
レイドライト/飛騨:HFの《ナイトメアムーン》(※1)とか言います?(一同笑)
デュラハン/沖:いや、甘んじて受け入れます。デュラハンの攻撃が空を切るって感じですね。
GM:では、続いてレイドライトさんの手番です。
レイドライト/飛騨:はーい。ムーブアクションは無し。マイナーアクションで《メレオーラ》。メジャーアクションで《華麗なる技》。カラミティに特殊攻撃をします。(ダイスを振る)命中値19です。
GM:では回避! (ダイスを振る)14です。当たりました。
レイドライト/飛騨:ダメージいきまーす。(ダイスを振る)27点の氷属性ダメージです。
GM:まぁさすがに大丈夫です。それでは最後にロード・ダークネスの行動に移りましょう。ムーブアクションは無し。マイナーアクションは無し。メジャーアクションで《引き寄せ》を宣言します。ダメージが1点でも入ればロード・ダークネスのエンゲージに引きずり込まれます、対象はデュラハンですね。
デュラハン/沖:(笑)。最悪だぁ。
GM:手から雷のような超能力が放たれ、沖さんに降り注ぎます。(ダイスを振る)命中値は18です。
デュラハン/沖:避けるか弾くかすればいいんですよ! (ダイスを振る)回避値17です。
GM:当たりましたね、ダメージを出します。(ダイスを振る)27点の雷属性です。
デュラハン/沖:いける! 《不屈の精神》を使用して、ダメージを軽減します! (ダイスを振る)防御修正込みで弾きました!
GM:了解です。続きましてイニシアチブプロセスですが、ロード・ダークネスは《瞬発行動》を宣言。追加行動します。
デュラハン/沖:ですよねぇ。
GM:それではロード・ダークネスの行動です。ムーブアクション無し、マイナーアクションで《攻撃拡大》。メジャーアクションで《引き寄せ》を宣言、対象はデュラハン以外です。1対1でカラミティと戦っておいてください(笑)。
デュラハン/沖:お前天才かぁ!? (一同笑)
GM:それでは命中出します。(ダイスを振る)19です。
ダイヤモンド/エヴァ:(ダイスを振る)回避値20です。避けました。
レイドライト/飛騨:(ダイスを振る)当たりました。
タカ:(ダイスを振る)同じく。
デュラハン/沖:ここで《ボディーガード》を使用します。対象を選んでかばいます。誰にしましょうかね?
タカ:まぁ、どっちでもいいいのでは?
レイドライト/飛騨:じゃあ勿体ないんでかばってください。
デュラハン/沖:じゃあレイドライトさんをかばいます。
GM:ではダメージを出します。(ダイスを振る)19点の雷属性ダメージです。1点でもダメージを受けてしまった人はこちらのエンゲージに引き込まれます。
タカ:16点のダメージを受けます。
デュラハン/沖:9点ダメージです。
GM:ではタカさんとデュラハンさんを引き寄せます。続いてクリンナッププロセスです。何かありますか?
レイドライト/飛騨:《くじけぬ心》を使用します。メジャーアクションとリアクションのC値を1下げます。
GM:それでは演出をしていきましょう。
タカ:それなら背中の巨大な手裏剣を構えまして、バッと消えたかと思うと背後から二人に斬りかかります。
GM:「それでは私は倒せないよ」とロード・ダークネス。
ダイヤモンド/エヴァ:「難しい話はよく分からんけどお前が黒幕ネ!」と言いながら氷を纏った矢を放ちます。
GM:超能力で矢の軌道を捻じ曲げて直撃を免れます。「中々な力だが、我らには遠く及ばない。やれ」と言いますと、ロード・カラミティがレイドライトさんの方にレーザービームでできた刃を向けて斬りつけます。
レイドライト/飛騨:では刃をマジカル釘バットの方で弾いて「お前に用はねえが、邪魔するんならぶっ飛ばす!」と言って殴りつけます。
GM:ロード・カラミティの方はまともに攻撃を受けますが、まだまだ余裕はある感じです。
レイドライト/飛騨:「腐っても元ヒーローか!」
GM:ではロード・ダークネスの方が「彼にかかりきりかね?私もここにいるのだが?」と言うと手からバチバチと雷を迸らせて、それをヒーローにかざすと一直線に飛んでいく感じですね。
デュラハン/沖:「よく見ておけ、空駆。ヴィランの力の程度ってやつを!」と言って正面から雷を受け止めます。無傷で「ほら、大したことないでしょ?」
GM:「お前の力も大したものだな。だがこれならどうかな?」といって再び雷を放ちます。今度は広範囲に拡散するような攻撃ですね。命中したタカさんとデュラハンさんを超能力で引き寄せます。
タカ:「近づけるのなら好都合」
GM:「お前はそうだろうタカ。だがデュラハン、キミはどうかな?」
デュラハン/沖:「離せ! 用があるのは空駆の方だ!」といって振りほどこうとしますかね。
GM:「ロード・カラミティが仲間を痛めつける所をよく見ているといい」というところで、次のラウンドに行きます。
注釈
※1:ナイトメアムーン……HFの一つ。相手の達成値を20減らし、判定をファンブル(※2)にする。
※2:ファンブル……判定の為に振ったサイコロ全てで1の出目を出してしまうこと。必ず判定に失敗し、場合によっては追加でペナルティを受けてしまう。