80、彼女は素直になれない 8(彼女は腕に自信がある)
朝九時前ともなれば、王都はすでに賑わっていた。
いろんな業種の大人たちが大通りを行きかう。終わった朝市の片づけをしている業者から、これから店を開店させようとしている者たちがいたりと、人がとにかく多い。人だけではなく、車を引いている生き物たちも、ストーレムの町に比べてさらに多種多様だ。馬、トカゲ、鳥、が主だが、それぞれさらに種類があり、アルベラの初めて見る種類の物もいる。
(ストーレムも賑わってる方だけど、やっぱり王都は別格ね。帰り際にまた少し回りたいな)
宿から出てきたアルベラは、エリーと共に馬に乗り昨日同様教会に出向いていた。
昨日は荷物にしまっていた、お気に入りのベージュのローブを羽織り、腰には香水瓶を三つ携えていた。これは彼女なりの武装だ。肩にかけたショルダーバッグにはリュージから借りた契約魔術具の朱肉とインク、それとただの紙。
教会の前に着いたアルベラは馬を止める。
低い柵と、開け放たれた門。それを、街の人や外から来たであろう旅の装束の者達が、まばらに行き来していた。
教会を訪れて扉を開く者たちの隙間から中を覗くが、そこにはシスターたちの姿もなければ歌が聞こえてくることもない。
早朝に行われているという律歌。それが次行われるのは、お昼前の時間だという。確か十時や十一時頃っだったはず、という自分の中のあやふやな情報があっていたようで一安心だ。
(流石に九時から、なんてことが無くてよかった)
アルベラは教会の、右側へと周り中庭へ入り込んだ。右手を少し行ったところにスカートンの家が見える。そして斜め前方、庭を挟んだ先には宿舎。
聖堂の裏口と宿舎の間には渡り廊下があるが、それを垂直に踏み越えて聖堂の反対側へと回れば、中庭の三分の一ほどの広さの長細い公園があった。
幸い、まだ誰もいないようだ。
スカートン曰く、ここに参拝者が入り込むことは滅多にないらしい。来るとしたら教会関係者。園芸好きなシスターが小さな花壇を、毎朝覗きに来るのが常くらいで、あとは誰かがその時の気分で訪れているそうだ。
教会の壁が左手に続き、教会の敷地外に面している辺は生垣が青々と茂っていた。その隙間からは、外を行きかう人々や荷車がちらついて見えた。
教会の横につないで置いてきた自分たちの馬も見えている。
教会の壁はというと、大人の頭の上少しの高さに長細い窓が付けられており、台に乗るか、二メートル越えの長身でない限り、内を覗き見るのは無理だ。
アルベラの身長だと、エリーに肩車をしてもらえば丁度いいかもしれない。
(ま、しないけど)
そんなことをした日には、どんなセクハラまがいな発言か挙動かが出るとも限らない。そんな機会を誰が好き好んで作り出すものか。
(外からも中からも見えない。秘密のお喋りにはうってつけの場所ね。昨日教会を回っといてよかった)
ここを知らなければ教会の外に呼び出すことになっていた。アルベラはどこでも良いのだが、相手にしてみれば、教会の敷地内である方が呼び出しには応じてくれやすいだろう。
アルベラは庭に立ち入ってすぐの、ガゼボと呼ばれている屋根付きのベンチへと腰かける。小さな木製のテーブルを挟み、大人四人がかけられるつくりとなっている。。
「素敵なお庭ですよね。お茶の一つでも淹れておきます?」
「そうね。いろいろと済んだらスカートンも呼んで、ここでお茶するのもいいかも」
季節柄もあり植物が元気だ。あまり人は来ないが、手入れはしっかりされている庭。園芸好きなシスター様様と言ったところか。
庭を眺めてリラックスしかけていたのもつかの間。
地面を踏む音が小さく聞こえて振り向けば、お目当てのオーレンの姿があった。
「おはようございます、オーレンさん」
「………一体どういうつもり?」
ガゼボの近くへと歩みより、挨拶もなくオーレンは切り出す。
アルベラは椅子に座ったまま、その問いには答えず反対の席を示す。
「ひとまず座りませんか?」
「いいわ。そんなにくつろげる雰囲気じゃないもの」
鋭い視線を向けられたアルベラは肩をすくめる。
隣に座っていたはずのエリーはいつの間にやら立ち上がっていた。
「公爵様のご令嬢、だったかしら? あなた、これは一体何かしら?」
オーレンは手に持ったメモを見せた。スカートンへのあの嫌がらせのメモだ。
わざわざ出してくれるとは話が早い。
「その紙について伺いたかったんです」
アルベラは静かに目の前のシスターを見据える。おそらくニーニャより年上の、大人の女性。十八歳の成人後には見えるが、見た目通りかは定かでない。
こんな年上の、「多分大人」が、何て馬鹿なことをしているんだ。と思う反面、二十歳前後の人間が、まだまだ人として未熟で危うい時期だという事も分かっていた。そもそも、こういった人への嫌がらせに年は関係ないのかもしれない。
いつかの伯爵しかり、恨みという感情は長い時間残り、蓄積され続ける。その感情の持ち主が、どこかのタイミングで受け入れ、或いは諦め、捨て去るまで。
だから、今回が上手くそのタイミングになってほしかった。ずっと同じ行動と結果では満足できなくなるのが人間だ。この先、今の嫌がらせが悪化していく可能性は十分ある。
今の自分は、最悪、相手の命を無理矢理にでも人質にとることもできるのだから。
「それ、オーレンさんが書いたものですよね? スカートンへの嫌がらせ、もうやめてください」
アルベラの声は何の感情も感じさせないような、平坦なものだった。それに対して、オーレンの方は静かながらも、怒りや苛立ちがこもっていた。
「は? 何を根拠に言ってらっしゃるの?」
「私、見てましたから。あなたがこれを置きに来るの」
アルベラはもう一枚の紙を取り出す。
―――『みんなの邪魔をするな 親の七光りめ』
「何かしらそれ? 酷いことをする人がいたものね」
オーレンは表情を変えず返す。
「とぼけるならそれでいいんです。本人が認めてくれないなら筆跡で確かめます。その場合カリアさんが適任ですかね。もし今ご自身が認めてくれるなら、その必要もないんですが」
オーレンは不快気に眉を寄せた。
静かに向き合う二人。
その間にそっと、エリーがアルベラの前に半身を入り込ませた。
気がつけば、オーレンの、帽子からはみ出た青い髪が膨らむように小さく浮き上がっていた。かと思えば、彼女の手元がバチバチと派手な音を上げて放電する。持っていたメモに火が付き、燃え尽きる。
(片方の証拠が消されたか………まあ、私が持ってるこれも、処分されたって問題ないけど)
証拠ならスカートンの部屋にまだある。筆跡の確認ならそれらで十分だ。
アルベラは外の様子が気になって左手の生け垣を見るが、背後の大通り側ならともかく、細い路地に面したそこには人の影は無かった。公然誰か居てくれて、声を上げてこの場に水を指してくれてもいいのに、と少し残念に思う。
「オーレンさん。ちゃんと答えてください。これ、あなたの仕業ですよね?」
ピリリと、オーレンの背中に小さく電気が走った。
「………………………ええ。そうよ。私がやった。これで筆跡の確認の手間が省けたわね」
オーレンは悪事を認めたというのに好戦的だ。彼女の足元で、彼女を中心に風が渦を巻いていた。
アルベラは息をつく。
「喧嘩をする気はありません。もう嫌がらせをしないで。それを約束して欲しいだけです」
「約束? ええ。それだけでいいならしましょう。私はもうあの子に何もしない。………………これでいいかしら?」
しらじらしい言葉に、アルベラは感情のない視線をオーレンに向ける。
(………使うべきか。使わないべきか)
ショルダーバッグの肩ひもを握り占める。
「もしも約束を破れば………スカートンを傷つけたと私が判断したら、父の力で、貴女を教会から追放してもらいます。………シスターには二度となれません。それでもいいですね?」
バチン! と大きな音と共に、オーレンの背に火花が散る。
「何様でそんなことを!!」
オーレンの荒々しい声が庭に響いた。
「………………あんたたちはそうやって、いつもいつも………親の力に頼ってばかり」
シスター服の肩が小刻みに揺れる。鋭い視線を向けられ、アルベラはその敵意に答える気はないとため息をついた。
「そりゃあお嬢様ですから。どうぞ嫉妬なさって」
生意気さをたっぷりに含んで胸を張って見せ、トーンを切り返すように息をつき、冷めた視線をオーレンへと向けた。
「けど、先に事を起こしたのは貴女です。こうなったのも自業自得でしょう。なんで、スカートンを拒むんです?」
「そんなの簡単じゃない! あの子は現聖女様の娘よ? 聖女様がいつ我が子可愛さで神の寵愛、聖女の素質をあの子に受け継いでしまうとも限らない。そんなのズルよ! 不正だわ! 許せない!」
なぜこんなにもため息が漏れるのだあろう。そう思っていながらも、アルベラはまた一つ、ついため息を漏らす。
「確かに、凄いシンプル………。で、あなたはその話をどこで聞いたんですか? スカートンに付きまとったのって、彼女が聖女を目指そうと決めたからですよね? その話、スカートンはゼンジャーさんにしかしてないと言っていましたが」
「私が聞いたのは偶然。きっと神のお導きね」と、オーレンは皮肉交じりに笑みをこぼす。
「人に相談しているのが聞こえちゃったの。何しろそこ、私の部屋でもあったし。………けど、私は別に、私が聖女になりたくてあの子を邪魔してるわけじゃないの」
「へえ、では他の方のためにこんな汚れ仕事を?」
「汚れ仕事なんて人聞きが悪いわね。汚いのは『あの子』じゃない。私はただ純粋に、その人に聖女になって欲しいだけなの」
オーレンはこの教会に来てからのカリアの姿を思い出す。穢れのない笑顔。真っすぐな心根。彼女には、側にいるだけで周囲を安心させる天性の才があった。
オーレンは、そんな彼女の全てに人として魅了されていた。
(父や母にも見捨てられた私を、優しく受け入れてくれた人)
その姿を思い浮かべ、胸の前で両手を握りしめる。
「今まで共に励んできた子たちは良いの。………どうせあの人には勝てやしない。けどね、気に入らないのは、後からのこのこ出てきて無自覚に不正をする輩。親の権利で、その気になれば努力もせずに聖女になってしまえる『あの子』。それに、突然神に選ばれたと迷い事を言って場を乱す、あなた!!!」
電光がけたたましい音を上げて地面を飛び跳ねながら迫ってきた。まるで大きなネズミが長い尾を引きながら迫ってくるようだ。
「お嬢様、おさがり、を!!」
エリーが長い腕をしなやかに横に一振りする、電光は音を上げ弾けて消える。
「シスター様ともあろうお方が、物騒、ね!」
エリーはオーレンへと一気に距離を詰めた。
大きく振りかぶったその拳を、オーレンは両手の平で受け止めた。
パン! と二人の間で電気が破裂する。
アルベラは生垣近くまで下がりきり、ローブの中に手を入れて防犯用のチューブを握りしめた。だが、今は見届けるしかない。
(どうする? 人を呼ぶ?)
だが、もしかしたらエリーが何とかしてしまうかも。
(………もう少しだけ。もう少し様子を見る。少しでも押されるようならここを突っ切って助けを呼ぶ!)
エリーの拳は電気をもろともしていないようだ。魔法をはじいた際に白い煙を上げてはいるが、皮膚が少し赤くなっている程度で火傷や裂傷等は見受けられない。
(身体防御の魔法か! 面倒ね!)
褐色の口もとから舌打ちが漏れる。
オーレンはとにかくランダムに稲妻を放つが、分散すればするほど一つ一つの強度は弱まる。
隙間を縫って後ろに下がった少女を狙ってもみるが、どれも上手い具合に、あの使用人に受け止められてしまう。
(クソ!)
だが使用人と距離を取ることは叶った。
両手を前に出し、手の平に魔力を集中させる。
効果を上げるなら、数を減らして密度を狭めればいい。手のひらの前にぎゅっと小さな電気の球の作り上げる。
(もっと時間をかけさせて欲しいわね!!)
地面を勢いよく蹴って、使用人の女が脚を振り上げている。
もっと大きく育てたかった球を、惜しみつつも彼女の後方に見える少女目掛け放った。同時に、使用人の蹴りを躱すべく地面に手が付くまで身を屈めたが、蹴りは飛んでは来ない。
エリーは球の行く先を察し、素早く方向転換していた。
球の軌道に入り込み、両腕でそれを受け止める。
大きく白い蛇がうねる様に、球とエリーの接触部から電流が漏れ出す。今までの物より密度の上がったそれは、彼女の体を後方へと少しずつ押しやり、ついには消滅と共に後方へと数メートル吹き飛ばした。
エリーは着地しようと足をつくが、数歩のステップの後耐えきれなかったように「すとん」と尻もちをついた。
「エリー!」
アルベラの目の前でエリーがお尻をはたきながら立ち上がる。
「なかなか良い運動だわね」
「あ、大丈夫そうなやつだ」
心配して側に寄りかけたが、アルベラは脚を止めさらに庭の端へと避難する。
「もー。お嬢様ってば薄情者~」
なぜか嬉しそうな言葉に、アルベラは「やれるならさっさとやっちゃって!」と他人事ながらの茶々を入れる。
「そうですねぇ」
エリーは目を細めてオーレンを見た。
「大丈夫ですよ。多分そろそろ………」
その視線につられ、アルベラもエリーと同じものを見る。
「次のはちょっと危なそうですね。お嬢様、ちゃんと頭を下げといてくださいね」
二人の視線の先、今まで放ったものとは比べ物にならない密度の電気をまとったオーレンが、悔し気な顔をこちらに向けていた。
電気の輪が五つ、オーレンを軸にくるくると回っていた。
(なるほど。魔術具)
エリーは彼女の足元に転がる、真っ二つに割れた腕輪へ目をやった。木と、銀と、魔法石でできた腕輪だ。高価そうな代物。きっとこんな場所で使うことになるとは、本人も思ってもみなかったことだろう。
(最後っ屁かしら? 身体強化だけでいけ………そうね。ダメそうなら仕方ないけど)
エリーは、踏み出す準備は万端とばかりに、片足を大きく後ろへ引く。
オーレンの片手がゆっくりともち上がった。その動作と共に、一つの輪がその手のひらの上えと移動する。
(くそ………せっかくここまで蓄電したのに………)
足元に転がる魔術具を惜しむ気持ちと、それを使わせるに至った目の前の者たちが憎かった。
(ここまで来たら、確実に仕留める)
「やる気満々ね。良いわよ。おいでなさい、お嬢ちゃん」
オーレンは眉を寄せ、眼光鋭くエリーを睨みつける。
「余裕じゃない!」
同時に、手の上の輪は空を駆けていた。
エリーも迎え撃つように輪目掛け駆ける。
バチバチと凶暴な音を立てながら輪は空気を裂き進み、勢いよくエリーへと衝突する。
大きな放電音。
エリーは素手でその輪を掴み上げる。後方へ押されないよう、両足を踏ん張る。
(どうなってるんですかエリーさん?!)
アルベラはエリーの姿に目を疑う。
あのオカマ、本当に人間なのだろうか。とその姿に釘付けだ。場が場ではあるが、いろいろおちついたらあの身体能力の極意を教えていただきたいものだと強く思った。
「なんでよ!! 弾き飛ばされろ! くそ!!!」
苛立ったオーレンがもう一つ輪を放つ。
「は?」
それはアルベラに向けてだった。目を丸くして飛んでくる輪を眺めるアルベラの視界の端で、エリーが素早い動きを見せた。
「ふん!!」
エリーの踏ん張りの声と共に、彼女の使用人の服の袖が破れ、胴体や顔とはアンバランスな、太く逞しい筋肉質な両腕が現れた。
エリーはその筋肉隆々な両腕で、一瞬で電気の輪を千切り捨てる。
目がつぶれるような光と大きな音が、輪の断末魔のように辺りに響き渡る。
そして真横を通り過ぎようとした、アルベラ目掛けて放たれた輪へ片手を伸ばし、掴む。
先ほど同様、それを両手でつかむと、グイっと左右に引っ張り、その輪をまた千切って消失させる。消失する瞬間、輪の断末魔が辺りを照らす。バリバリという音が耳をつんざく。
「あいつ、本当に人間なの?」
その顔にはおびえの色が混じっていた。
使用人の奇妙な姿に、オーレンは片手を持ち上げ、二ついっぺんに輪を放つ。
エリーはギラギラした目をそちらに向けると、体制を低くして駆けだす。オーレンの目に映るその姿は、まるで牙をむいて迫ってくる野獣だった。
輪とエリーが真正面から勢いよくぶつかり合う。
「な、」
一瞬の事に理解が追い付かない。オーレンの口からはただ声が漏れる。
輪を迎え撃つようにこちらへと駆けてきた使用人。それは、両腕を大きく広げ、下から掬い上げるように輪を掴み上げた。無理やり方向転換させられた輪は、抗議の声を上げるようにバチバチと激しい音を上げ、電気の流れを荒げたが、それも一瞬。力づくで制された様に、引っ張られるままに使用人の手の中に納まってしまった。
二つの輪を両手に其々持ちながら、エリーはそれをオーレンへと振りかぶる。
「クソがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
オーレンは残った一つの輪を目の前に掲げ盾にした。
エリーの掴んだ二つの輪が受け止められ、互いが押しあうようにその場で止まる。ぶつかり合う音だけが変わらずけたたましい。
エリーは輪を掴んだまま、着地をせず宙を蹴る。そこに透明の壁でもある様に、クルリと華麗に空中前転をし、回転の勢いを乗せたまま、オーレンの盾へと踵を落とした。
大きな破裂音。
目の前での電気の破裂。オーレンの視界は白く染まる。
エリーの掴んでいた輪は勢いのままオーレンへと振り下ろされた。
「ぎゃああああああああ!!!!!!」
バリバリとオーレンの体を電気が包み込む。電気の光が収まってからも、しばらくの間オーレンは立ったまま体をぴくぴくと痙攣させていた。その体を伝って、蜘蛛の子が散っていくように電気の残骸が地面を跳ねて消えていった。
電気が完全に散ったころ、ようやくオーレンの体は地面へと倒れこんだ。その体からは、薄く煙が立ち上っていた。
「さて」
エリーがぱっぱと両手を叩く。その両腕はいつものサイズに戻っていた。女性的で、程よく筋肉がついた健康的な腕だ。先ほどの「あれ」など見る影もない。
肩口から破け、ワイルド仕様になったメイド服が寒々しい。
「終わりましたよ、お嬢様」
エリーは清々しい笑顔を浮かべていた。
(ああ、情報量が多すぎてどこから突っ込んだらいいのか………)
アルベラは引きつった笑みを浮かべ、とりあえず「お疲れ様」とねぎらいの言葉をかけた。





