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アスタッテの尻拭い ~割と乗り気な悪役転生~  作者: 物太郎
第3章 エイヴィの翼 (前編)
197/407

197、 皆の誕生日 2(図書館で勉強)



 ジェフマ三の月の二週目、初日の放課後。

 授業が終わり自室で軽い勉強をし夕食を済ませ、アルベラは図書館へ来ていた。

 各学期の最後のひと月は、図書館の開館時間が二時間長くなる。考査のためだ。

 他ふた月は二十時までの所、今月の閉館は二十二時だ。

 閉館までのあと三時間、試験勉強に勤しもうと決めてアルベラは机に向かっていた。

(科目教科……、前世の内容と被ってる癖に微妙に違うんだよな……。前世の記憶の中でも、高校時代何てかなり古い方だし、生活の中で使わないのは大体忘れてるから上書きが楽っちゃ楽なんだけど、あちらで常識としてしみついてた奴がこちらではちょっと違ったりするし……ややこしい)

 教科書の単語、蛍光ペンで上からラインが引かれた単語の上。アルベラはハガキサイズの透明なカードを被せる。蛍光ペンの塗られた部分はカード越しに消え、教科書が虫食い状になった。

 それを長めながらノートにつらつらと見えなくなっている部分の単語を書いていき、アルベラは人名の書かれた部分で手を止めた。

(建国時の三聖女……の橋渡しをして国の発展に大きく貢献したと言われる中伯騎士の名前……)

 すっかり忘れてしまってる名が収まる空欄。そこをアルベラはじっと見つめる。

「……」

 少しの時間考え、彼女は諦めたようにぐうっと体を伸ばした。

(だめだぁー。出ないもんは出ない。……ああ、そうか、そういう名前だったか)

 カードを外した下に現れた名前を見て、そういえばそうだった、とアルベラはスッキリした気分でその前に書き出した単語の正解不正解を確認していく。

 少し休んで気分転換でもしようか、とすぐ横にある縦長の窓を見あげた。

 この一角は、行き止まりとなった空間に丸テーブルが一つ置かれているのだ。

 前後は本棚に囲まれ、アルベラの左手には通路とそれを挟む本棚。そして下の階と上の階に繋がる階段がある。

 上の階は吹き抜けとなっており、アルベラが見上げれば手すりとその奥に鎮座する本棚の数々が三層続いていた。金や銀の装飾が施された本の背表紙や、図書館に設置された小物の類が外から、または室内の明かりに照らされキラキラと光を反射している。その光景は圧巻で美しくもあった。

(スケールが……ガチ……) 

 いい事だ、とアルベラは上の階を見上げたまま感嘆の息をついた。



「ディオール様。あの、お疲れ様です」

 館内の風景を堪能して休息をとっていたアルベラに、一人の女生徒が声をかけた。

 やけに気を使ったような緊張しているような彼女は、特待生のイチル・ニコーラだ。

 彼女は勉強道具を入れていたのであろうトートバッグを肩にかけていた。

「あら。お疲れ様」

 アルベラは薄い笑みを浮かべて返す。

 ニコーラは迷うようにググっと唇を引き結び、視線を落とすと、決意した様に顔を上げ視線をアルベラへと戻した。

「あの……少し、お話よろしいでしょうか?」

「ええ、どうぞ」

 アルベラは正面の空いた椅子を示した。

 ついでに広げていた教科書やノートの類を閉じる。

「すみません。お勉強の邪魔をしてしまいましたか?」

「いいえ。今さっき、丁度飽き始めていたところよ。息抜きをしたかったの。紅茶はいかが?」

 館内は飲食禁止……ではない。三階までは食はともかく、飲は許されている。

 四階と五階。それと地下にあるという危険物扱いの資料が収められた危険書物資料庫では飲食は禁止だ。

 ニコーラは「すぐに退散いたしますので」と申し訳なさそうに首を振った。

「そう。じゃあ……」

 アルベラはテーブルの上に置かれている、細身のランプへ手を伸ばす。根元のスイッチを捩じり、ランプを灯した。

 音消し、防音の魔術具だ。他の者達への迷惑にならないよう図書館に設置されているものだ。光が灯るのはスタッフに防音を施している事を示すためらしい。

 何かあった時用の防犯のため、スイッチを入れた時点で、館側もどこの席で魔術具が発動したかが知らされるようになっている。

 アルベラとニコーラが学園で二人きりで話すのは先月末の「あの一件」の後二度目だ。

 二人の男から追われた彼女に手を貸したその翌日、前の休息日になるのだが、彼女が部屋に訪れて一言お礼を言いに来た。

 奮発したのであろう菓子折りを持ち、深いお辞儀と共に彼女はアルベラへ感謝の気持ちを述べた。

 アルベラも無難に「ご苦労様」「気にしなくていい」という内容を伝え、その時はその形式ばった空気のまま事は終わった。

 貴族と親しくしたくない。

 貴族が怖い。

 ニコーラにはそんな節があると、あの一件の後にガルカから聞いていた。

 こんな話をガルカから気を利かせて話すこともなく、勿論アルベラから「ニコーラを前にした時、何か彼女の空気や声から分かる事はあったか」と尋ねた事で引き出せた情報だ。

 ―――『事情? そんな事知るか。平民だから貴族が怖いのだろう。詳しいプロフィールならあのオカマ男に聞いていたではないか。納得できないならアレにもう一度調べさせろ』

 あの奴隷であるはずの魔族の、なんとも太々しい態度を思い出しアルベラは息をつく。

 ニコーラはアルベラの小さな表情の変化に、不安げに瞳を揺らした。

(まるで怯える小動物ね……。私より色々と優秀な癖に……)

 能力的には、現状自分より優れているであろう者が自分に怯えるとは、何とも可笑しなものだ。

 変な感じ、と心の中でぼやき、アルベラから口を開く。

「あなたもこちらでお勉強を?」

「は、はい。私はもう帰るところだったんですが」

「そう。お疲れ様。……あなた、中等部でも常にトップだったんですものね。高等部でも余裕なんじゃなくて?」

「いえ……それは。どうでしょうね。皆さんの顔ぶれも変わりましたので」

「そう。……まあ、中等部より平民の特待生の方々の人数も増えましたし、貴族枠でも特待生が数人いら者るようですものね。彼らが勉学面で入られているのか、技術面で入られているのかは存じておりませんが」

 特待生のは枠は平民だけでなく貴族にも設けられている。

 それに決まった人数制限はなく、学園への入学を希望するが、家計状況から入学が困難とみなされてる者達が対象だ。

 ただ入りたいという理由だけで特待生になれるわけではない。貴族側も、それ相応の能力を認められなければいけないのだ。

 だから、毎年入学人数が決められた平民特待生達とは異なり、貴族側の特待生の入学人数と言うのはかなり流動出来だ。

 十人近く居た年もあれば、全く居ない年もある。それは学園の理事長や関係者のみが知ることで、学生たちには知らされない。

 学園の入学で支援を必要とした等と知られることは、貴族社会の一般認識的に恥となるからだ。

(今年はいるんだか居ないんだか知らないけど。優秀だったとしてもご実家に問題が大あり過ぎれば申請を拒否するみたいだし……平民とは違う理由で、同じくらい狭き門だよな)

「そうですね。貴族枠の方々も気になります。……やれるだけの事をやって、備えておければと思う次第です……」

 言葉がしりすぼみになり、ニコーラは無意識に身を縮こませていた。

(あらあら。またちっちゃくなっちゃって……。悪役冥利に尽きますこと。今は殆ど出番なしだけど)

 自分を観察するようなお嬢様の目に気付きに、ニコーラは「はっ」とし背筋を伸ばした。

「す、すみません。失礼いたしました」

「ええ。何か失礼されていたのなら許して差し上げましょう」

 さらりと上からな言葉を口にし、優雅に紅茶を口に運ぶお嬢様にニコーラはふと笑みを溢す。

「ありがとうございます。……それであの、お勉強の邪魔をしてしまうのも申し訳ありませんので本題を」

「あら、本題があったのね」

「はい。あのミーヴァのプレゼントです。お預かりしていましたので、数日前の誕生日会の際、渡させて頂きました」

「あら、」

 アルベラは報告に楽し気な表情を浮かべた。口元は弧を描き、目には悪戯っ子がワクワクしている時のような輝きが灯る。

 そんなお嬢様の顔が、おもちゃを目の前で揺らされた猫の姿とダブり、ニコーラの表情もつられて緩んだ。何となく、気持ちは「共犯者」だ。

「一瞬のことでしたが、皆大騒ぎでしたよ。ヒフマスなんか咄嗟に破壊しようと飛びかかっていて」

「その分だと魔術の方はやっぱり解除されてしまったのね」

「はい。ミーヴァからは何もお聞きになってませんか?」

「ええ。あいつ『お祝いの方感謝いたします』って言ったきり、今日一日私の事無視よ。懐の小さい男って嫌ね」

 アルベラは片手をはらりはらりと振り、ニコーラは「ふふふ」と小さく笑った。

 アルベラが送ったのは、魔術付与の媒体で売られていた品だ。貴族が集まるような公的な場所でも使える質のいいものを選んでおいた。

 それなりの質である事は分かり、流石のミーヴァも品に対しての例は言わずにはおけなかったのだろう。

(あの子だって社会的には十分貴族側でしょうに。本当意地っ張りなんだから……)

「あの爆発の魔術はディオール様が?」

「ええ。私の全力の物をね。毎年のお決まりなの」

(描き終わるのに二時間は掛かったなぁ……)

 自身の大作を思い出し、アルベラは目を細める。

「今年は爆発までの時間を短くしたはずなんだけど、彼は何秒で解いて?」

 ニコーラは言いずらそうに視線を下に落とした。

「……三秒です」

「……」

 アルベラは深くため息をついた。

「毎年何秒で解いてるのかよく分からなかったけど……三秒。なら来年は二秒ね」

「ディ、ディオールさま……それは結構無茶です」

 自分が同じものを向けられれば爆発は不可避だろうとニコーラは苦笑する。

「それで、その魔術の中に二重で貼られていた防壁系の魔術についてなんですが」

「……あなた気づいたの?」

「ええ。偶然。あれは爆発の魔術に気を取られてたら見えませんね。……私、偶然包装紙の近くにいたものですから。爆発の魔術の陣が現れた際、私、その陣の後ろ側に居たんです。それでごく薄く大きな陣が見えて……見間違いかとも思ったんですが、一部をその場でメモして調べまして」

(流石……)

「あれはアルベラ様が? ……といいますか、お聞きしたかったのですが、あれは防壁の陣であってるのでしょうか?」

「お答えする代わりに、ミーヴァには言わないって約束してくださる?」

「はい。神に誓って」

「神なんかに誓わなくったっていいんだけど……そう。……じゃあお答え致しましょう。――――――あれはアート・フォルゴート様が張った守りの陣よ。防壁や、もしもの時のための修復や治癒の効果もあるらしいの。あんな高度な陣を描ける技術は、残念だけど私には無くてよ」

「え、あ……フォルゴート様が……?! え、と。では、ディオール様が爆発の陣をトラップとして張った事も、フォルゴート様はご存じで?」

「ええ。プレゼントを贈るのも四回目ですもの。アート様はその四回とも全てご存じよ」

「お孫さんのお誕生日の品に……。フォルゴート様は何か仰っていられませんでしたか?」

「ええ。毎年『去年より守りの陣の描きがいがありますな』って。あれは……たぶんお喜びね。楽しそうよ」

「フォルゴートさま……」

「ちなみに、あの時限爆発の陣を教えてくださったのもアート様よ? 私がこういうのを彼の誕生日に付与させて驚かせたいって話したら、喜んで教えてくださったの」

「遊び心のある方だとは、本を読んでいて思いましたが」

「ええ。彼はとても柔軟で素敵な魔術師様だわ。本当、ミーヴァは恵まれてるわよね。……アート様の籍、こっそり我が家にいただけないかと考えるくらいよ」

(人のお爺さんを勝手に自分の家系に……?)

 ニコーラはどう反応したものかと困った笑みを浮かべる。

 二人はそれから幾つか言葉を交わし、ニコーラは席を立った。

「あなたの口が堅い事を願ってるわ。この間の件も合わせてね」

 後半の言葉を言う際に、アルベラの目が悪戯気に細められる。

「はい。決して口外いたしません」

 ニコーラは柔らかく頬笑み、スカートを摘まんで頭を下げた。

「よろしく」



 ニコーラは階段を降りながら、あの賑やかな誕生日会の事を思い出す。 

 ヒフマスは置く主であるお嬢様に「信じられない! 人でなし!」と騒いでいた。

 他の特待生達も「これを毎年って……貴族の平民揶揄いにしては流石に悪質すぎるのでは」と不安そうにしていた。

 ミーヴァも憤り「あの女……解けたからいいものの、流石に今回のは笑いごとじゃ済まないぞ」と零していた。

(ミーヴァが失敗した時のための……爆発を閉じ込める魔術)

 「守りの魔術」とは大まかな名称だ。きっと別の名があるのだろうが、あの見るからに強固な魔術を見てしまえば爆発など全く怖くはなかった。

 爆発の事もミーヴァの祖父に相談して居る辺り、もしもの時への注意を怠って居ない事がよく分かる。

 爆発の陣自体は、皆が言うようにお遊びにしてはかなり悪質な代物だった。店ごと、更には隣会う店も優に吹き飛ばせてしまうだろう。

 だが、驚かすことに全力を駆けていながらも、その安全面へも、あのお嬢様はしっかり考慮していたのだ。

 爆発の陣を解くことに全身全霊を向けていたミーヴァの視点からでは、陣の裏に描かれたもう一つの陣に気が付ける事は無いだろう。

 だから彼は、本気であの公爵ご令嬢に憤慨し、誕生日会の最中も思い出してはひどく怒っていた。

 しかし、貰ったプレゼントはとてもいい質の物で、銀のバッチが五つ入った箱を見ては曖昧な顔をしていた。

 ニコーラはあの瞬間を思い出して「ふふっ」と声を漏らしてしまう。

(ミーヴァの言う『性格の悪い』は、こういう事だったのか……)

 嫌い嫌いと言いながら、彼は本気であのご令嬢の事を、人として見限る事が出来ないのだ。

 あの日の、プレゼント購入の日の一件。初めてあのお嬢様と二人きりになり、もしかしたらこの人は貴族の中でも、「お嬢様」という存在の中でも今まで自分が見た事のないタイプの人物なのではないだろうか、と思った。期待した。

 そして今日、それが自分の中で確信へと変わった。

(ディオール様は確かに高慢に振る舞ったり意地悪そうな顔で笑ったりするけど……違う。あの人達とは違う『貴族』だ……)

 頭がすっきりした気分だった。

 ニコーラは足取り軽く図書館を後にする。

(今回の考査、満点取れちゃうかも)

 くすりとご機嫌に笑う彼女は、普段よりも人目を気にしてはいなかった。それは中等部に入学直後の、学園生活に胸を膨らませていた頃の初々しい気持ちにも似ていた。



 ***



 三階の吹き抜け。手すりに腕を組み、ラツィラスは下の階を眺めていた。

 その目はある物を捕らえると暫くその様子を眺め、じきに丸く開かれた。

 見つけたのは、中等学園から共に上がってきた平民の特待生、イチル・ニコーラだ。彼女が脚を止め、暫し考える間をおいて向かった先は、自分のよく知る友人である公爵令嬢の元。

 貴族嫌いであるはずの彼女が、自分から貴族、しかも「ご令嬢」に声をかけ、同じテーブルを挟み向かい合っていた。

 眺めていると、彼女の表情は徐々に、氷が解けていくように楽になっていっているようだった。

(笑って…………)

 僅かに見開かれた目はゆっくりと元に戻り、優し気な笑みの形に細められる。

「どうした」

「ふふ。別に」

「別に……?」

 なんかろくでもなさそうだな、とジーンは不信感丸出しで下の階を見た。

 そこには沢山の生徒達の姿。王子様の見ていた何かが、どこのどれなのか見つけられず、ジーンは大雑把に館内へ視線を走らせる。

 ラツィラスの視線の先で、ニコーラは席を立ちアルベラと別れた。

「残念。もう終わっちゃったよ」

「そうか」

 ジーンは良く分からなそうな表情を浮かべ手すりから離れた。

「ほら、探してた本見つかったし部屋に戻るぞ」

「はーい」

 選択科目の教科で、考査内容がレポートの物があるのだ。

 毎年その教科で出題される試験内容の大まかな形は同じだ。

 領土を攻め込まれた際の敵の陣営と地形、自分の側にある人員数や季節、領地の状態が記された問題をみて自分の考えを述べるという問題。自分が軍を率いる側となった時、何を目的にどう動くかというのを一時間でまとめなければならない。

 問題の形は決まっているが、その領土や敵陣営の詳しい設定と言うのは当日にならなければ知らされず、過去問や、前期の授業で教わった内容を見なおして考査に備えるしかないのだ。

 可能であれば授業で習っていなくとも、歴史上の事例を参考に解いてもいいという。

 だから今回、二人はその資料を探しに図書館を訪れていた。

「いやぁ。本も見つかったし、何かいい気分だし。このまま今日は勉強切り上げて散歩に行こうか」

「俺は嫌だぞ。誰かさんのせいで点数の敷居が上がってるんだ。一人で行ってこい」

「何言ってるの。それは僕も一緒だよ」

 ジーンは自分が差別対象でありながら王族の護衛であるために、陥れる材料欲しさに周囲から低い点を望まれている事を示していた。

 ラツィラスはと言えば、自分が王族で、時期王とまで言われているがゆえに、周囲が彼が完璧であることを期待していることを示していた。

 確かにどちらも考査で「高い点を取らなければ」という意識を持つ事には変わりないのだろうが、ジーンはあまり仲間意識が持てないでいる。

 それは「勉強しなければ」という意識を持つに至る理由からと言うより、勉強に当てる時間やその結果からだ。つまりは頭の出来の差だ。

(……コイツ……一度教われば大概忘れないもんな)

 ―――完璧な王子様

「……」

 そんな言葉が頭に浮かぶ。

「……あ、ジーン酷いよ。行くなら行くって言ってくれなきゃ」

 先に階段を降り始めていた彼へ、ラツィラスが手摺から身を起こし声を上げた。

 そんな彼へ、ジーンはツンとした態度を示す。

「殿下、館内ではお静かに」

「なんで急に他人行儀かな。……それより散歩の件だけど」

「私は行きませんので、学園の騎士に申請を出しておきましょう」

「えぇ。それは連れないよ。勉強サボるの後ろめたいなら命令しようか? 『今日は勉強禁止』って」

「やめろ。お前は俺を陥れたいのか」



 その後、言葉の通りラツィラスは学園の騎士を連れて学園周りを散歩し、ジーンは自室にて考査の備えをしたのだった。



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