なりたいものは。
周りに見えるのは木、木、木。人は見当たらない。助けを呼ぼうにも、こんな森の奥には誰一人来ないだろう。薄れ行く意識の中、俺はこんなことを考えながら力を抜いた。
"もっといい人生だったら良かったのに。"
気がつくと俺は白い部屋にいた。そこには、「何か」がいた。姿は見えない。けど、何かがいた。
「やあ、おはよう。気分はどうかな?」
「何か」はそう言った。いいはずがない。最悪の目覚めである。
「そりゃまたどうして?」
心まで読めるのか。そんなの決まっているだろう。俺は死んだ。もう二度とあの世界には戻れない。
「そうかいそうかい。まあ、そう悲観しないでよ。」
黙れよ。お前に何がわかる。
「はは。ごめんね。まあ、君の事情なんか知ったこっちゃないんだけどね。」
こいつは人をおちょくるのが好きなんだろうか。率直に言って不快だ。
「だからごめんって。ところでさ、」
何かは一拍置いてから言った。
「異世界転生とか、興味ない?」
こいつ、今何て言った?異世界転生だと?俺もライトノベルなどはよく読むが、実際に言われると面食らってしまった。
「あるの?ないの?」
、、、、ある。
「そう言ってもらえて良かったよ。じゃあ、次の質問。君はなんになりたい?」
俺は、俺のなりたいものは、、、
これから、よろしくお願いします。