第44話 執事、お嬢様へのお礼。
「お嬢様?」
つんつん。びよーん。ぱちっ。
「はは。」
あれ・・・あたし何してたんだっけ??
あ、そうだ、黒夜さんのベッドで黒夜さんが寝ぼけて・・・まぁいいや・・・。
「お嬢様、起きて下さい? もう3時ですよ?」
「うん・・・分かった・・・。」
つんつん、びよーん。ぼち。
っていうか、誰?
あたしのほっぺつねるのは。
って、あたしが起きたとき笑ってるのは・・・・黒夜さん。
しかも・・・あたし、黒夜さんに腕枕されてる・・・!!
あたしはすぐに起きて、黒夜さんに聞く。
「く、く、黒夜さん!!」
「はい、何ですか?? お嬢様??」
「な・・・なんでここに??」
「だって私のベッドですよ?? ここ??」
あ・・・あたし、寝ちゃったの!?!?
な・・・な・・・・!!
「寝顔がかわいらしくて、つい、いたずらしてしまいました。お許しを。」
と言って少し笑う黒夜さん。
「いたずらって・・・。」
「さっきのほっぺたをつねっていたのは、私ですが??」
そういって、笑う黒夜さん。
もう!!
「く、く、黒夜さん!!」
「何ですか? お嬢様??」
そう言って、あたしに顔を近づけてくる。
「か、体の具合は?」
「あ、一時間前に薬を飲みましたが、どうやら大丈夫なようです。」
あたしはほっとする。
「お嬢様が看病してくださったおかげです。」
そう言って笑う黒夜さん。
この笑顔がずるい。
あたしに黒夜さんが笑って近づいてくる。
黒夜さん・・・!!!
「お嬢様の寝言かわいらしかったですよ。」
「寝言?? 覚えてない!!」
「でしたら、私の胸の中に秘密にしておきます。」
あたし・・・どんなこと言ったんだろう・・・。
不安になる。
そんなあたしを見て黒夜さんが、あたしの右頬をやさしく触る。
あたしの目をじっと見る。
すこし嬉しそうな表情で。
「お嬢様・・・看病ありがとうございました。御礼に・・・。」
そういって、黒夜さんはあたしに近づいてくる。
く・・・黒夜さん、まさか・・・・!!
そんな・・・あたし・・・・・・!!
あたしは、「黒夜さん!!」と声を出すけど、黒夜さんは「大丈夫です。優しくします。」と言う。
あたしを見つめる黒夜さん。
あたしはどうしていいか分からない。
声も出せない。
黒夜さんがじっとあたしを見つめてる。
黒夜さんは笑ってあたしの髪を撫でる。
あたしは、ドキドキが止まらない。
心臓がすごく高鳴ってるのが分かる。
好きな人に見つめられて、触れられてる。
こんな事初めてだし・・・どうしたらいいの・・・!!
「黒夜さん?」
あたしがそう笑って言うと、黒夜さんは「お嬢様・・。」と言う。
黒夜さんはあたしの前髪を上に払う。
そして・・おでこに・・・・・
CHU・・。
・・・・・!!!!!!!!
「お嬢様、御礼になりましたか?
それでは、夕食の用意などさせていただきます。
看病どうもありがとうございました。」
あたしは・・・信じられなかった。
だって・・・黒夜さんが・・・・その・・・・。
あたしに・・・CHU・・って・・・。
「お嬢様、お手伝いしていただけますか??」
「あ・・・うん!! わかった!」
黒夜さん・・・十分なお礼になったけど・・・。
はずかしいから!!
お嬢様の寝言も意外でした。
あ、黒夜です。読者の皆さん。
寝言なんて言ったかって??
それは・・・・・・
「黒夜さーん! ちょっと手伝ってくださいにゃあ!!」
「わかりました。今、行きます!」
みぃが呼んでいるので、失礼します。
え? 何??
意地悪ですって??
当たり前じゃないですか。
吸血鬼ですから(笑)
今回少し短いですが、どうだったでしょうか??
ご感想お待ちしてます。