第39話 執事、家族とともに新年。
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。
元日。
それは、一年の始まりですね。
あ、黒夜です。あけましておめでとうございます。
本日も私は、いつも通り起きて、おせちを製作しております。
大晦日に大体のことはしたんですが、盛るのはまだですね。
「黒夜さん、おはよう。」
奥様が起きて来られました。
「あ、おはようございます、奥様、あけましておめでとうございます。」
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくね。」
「はい、こちらこそ。」
「おせちの準備? あたしも手伝うわね。」
「それじゃあ、私はお嬢様を起こしに行って来ます。」
コンコン。
「お嬢様、黒夜です。」
「あ・・・・・ちょっとちょっと待って・・・・!! 黒夜さ〜ん!!」
カランカラ〜ン!
すると、私が上げたベルの音が。
お正月から、お嬢様ピンチですか!!
私がおもいっきりドン!とドアを開けると・・・・・そこには・・・・お嬢様に抱きついたまま眠るみぃが・・・・。
あ、みぃは寝るときは猫耳をはずしているので、こうしてみると普通の女の子ですね。
はい。
「ぐ〜・・・・。」と眠ったまま抱きついてます。
「黒夜さん、みぃが抱きついてるから・・・出れないよぉ〜・・。」とお嬢様が困ってます。
私は、みぃを揺らします。
「みぃ、起きなさい。」
「ふにゃ・・・!! あ・・・・おはようございます。黒夜さん、凛ちゃん。」
「はい、おはようございます。とりあえず、お嬢様から離れなさい。」
「ふぇ・・・?? あ・・・ごめんなさいにゃ!!」
お嬢様が、ほっとした感じで、起きます。
「みぃ? どうしてあたしの部屋で寝てるの??」
「昨日、雷がなってこわかったんですにゃ・・・・。だから・・・凛ちゃんのとなりで眠ったんですにゃあ・・・。」
「ふ〜・・・とりあえず、お嬢様と一緒に顔を洗って、そして出来たら準備を手伝ってもらえますか??」
「はいにゃあ!」
「うん。」
お2人は朝の準備から。
そうしていると・・王子様が起きました。
「おはようございます。そして、あけましておめでとうございます! 黒夜さん!」
「はい、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」
王子様と私は、そのままリビングへ。
そして、おせちの準備に取り掛かります。
「ふぇ〜・・これがおせちかぁ・・・きれいだなぁ・・。」
「ベルゼブブ君は、初めて見るの??」と奥様が聞くと、「本で見たことはあるけど、食べるのは、今日で初めて。」
「そう。よかったわね(笑)」と笑う奥様。
そうして準備していると、みぃとお嬢様もこられました。
準備も整いましたので、全員テーブルへ。
「じゃあ、みんなあけましておめでとうございます! みんなに・・・はい。お年玉!」
「ありがと〜!!」と喜ぶお嬢様。
みぃと王子様は首をかしげてます。
「お年玉??」
「お年玉ってなににゃあ??」
「お年玉知らない??」とお嬢様が聞く。
「お年玉といって、日本の文化で子供はお金をもらえるんです。」と私が補足すると、「え!? 何にもしないでお金もらえるの??」と王子様が驚く。
「はい。」
「ありがと〜!!」と王子様は喜んで、みぃも「ありがとうございますにゃあ!」とお金をポケットの中に入れる。
「お2人とも、落とさないように。では、私からも。」
そう言って、3人に手渡します。
「ありがとう!!」×3
いやいや、子供は現金ですね。はい。
「あ! あたし、もう少ししたら花音のお家に行って来る!」とお嬢様が言うと、奥様が、「毎年行ってるものね。初詣もかねて、あたしも行くわ。」と言い、全員で行くことにしました。
たしか・・・花音さんの家は神社でしたね。私もすっかり忘れていました。
みんなで歩いて、神社に着きますと・・・・たくさんの参拝客が。
あ・・奥様は変装してらっそゃいますよ。きちんと帽子とサングラスをつけて。
でも目立っちゃうんですよね。みぃの猫耳で。
みぃは服はいつもと違って、お嬢様が選ばれた服を着てるんですが、いかんせん猫耳が。
まぁ、かわいいようですからいいのでしょうか??
「あ、黒夜さん!」と私を呼ぶ声が、狼さんですね。
お嬢様は、「狼!」と呼ぶ。
「あけましておめでとうな。」と狼さんが言うと、「うん、おめでとう。」とお嬢様が返します。
「花音に会いに来たの??」
「まぁ・・・そんなとこだ。」
ちょっと苦笑いをする狼さん。
まぁ、そんな感じで私達は進んでいくと、花音さんがおられました。
本日はいつもと打って変わって、上が白で下が赤い和服の巫女さんの服を着ておられます。
「あけましておめでとうございます。」といつもと違って、穏やかな様子で言う花音さん。
「あけましておめでとう、花音!」
「あけましておめでとうございます、花音さん。」
「あけましておめでとう!!」×2
「あらまぁ・・・今日は一段とかわいいわねぇ・・・」という奥様。
「はい、ありがとうございます。」と笑う花音。
王子様は、花音さんの服が珍しいようで、じっと見てます。
「そういえば、花音、この後踊るんだっけ??」とお嬢様が聞くと、「はい、新年なので神様に舞を捧げます。少し緊張してます・・。」と言う花音さん。
少し緊張のせいでしょうか?
手が震えておいでです。
私はその手を握って、「大丈夫です。」と言ってあげた。
すると・・・花音さんは少し戸惑いながら、「・・・はい。」と笑いました。
その様子を見ていたお嬢様は、聞こえるか聞こえないかの位の声で、「黒夜さんのばか・・・。」と言いました。
狼さんも、「な・・・!!」と驚かれておられる様子。
私には人間では聞こえない範囲の音まで、聞くことが出来ます。
しかし・・・何故、ばかですかね?? 何故、そんな驚かれるんですかね??
う〜ん・・・。
「さ、凛、花音ちゃんも励ましたことだし参拝して、私達は、花音ちゃんの舞をゆっくり見ましょう。」と奥様が言って、私達は参拝をすることに。
「ん?? この箱にお金をいれるの??」と王子様は聞くと、「はい、お金を入れて神様にお祈りをするんです。」
「お祈りごとは何でもいいんですかにゃあ??」
「はい、でも、一つだけですよ??」
全員でお参り。
まぁ、見よう見まねで2人はやられていますが、上手ですよ。
王子様は、「お金入れないと、お願い叶えてくれないなんて・・・神様ってケチだなぁ・・・。」と言ってます。
まぁ・・・そんなものですよ。
人だかりが出来ていて・・・「これより、舞をはじめます、皆様どうぞご覧ください!」
と神主さんの大きな声が響き、花音さんがお辞儀をすると、舞が始まりました。
和楽器の音にあわせてゆっくり、しかし、正確に舞を踊る花音さん。
「花音、きれい〜!!」
「上手ですにゃあ!」
「すごいなぁ〜。きれいだなぁ〜。」
そして、きちんと踊り終えました。
パチパッチパチ!!!
すごい拍手の数が花音さんに向けられています。
「花音、こっち向いて!!」とお嬢様が言うと、笑って手を振る花音さん、かわいらしいですね。
そして、無事に花音さんの舞も終わって、あとは帰るだけです。
私に狼さんが近づいてきました、「黒夜さん、あんたにゃ負けねぇ!」とはっきりとした声で言ってきました。
・・・・??
どういう意味でしょうか?
お嬢様は、少し考え事をしてるみたいで・・「凛ちゃんどうかしたんですかにゃあ??」
「あ、なんでもないよ!?」
「そうですかにゃあ?? 相談ならあたしのりますにゃあ。」と言うみぃ。
お嬢様は私の顔を見ると、赤くなってますし。
風邪でもひかれたんでしょうか?
すると、今夜は暖かいものを・・・・・。
「みんな、写真撮るわよー!!」と奥様の声が。
どうやら、カメラを持ってこられたようで。
狼さん、花音さん、お嬢様、王子様、奥様、みぃ。
「黒夜さんもはやくー!」と奥様が呼ぶので・・・・・・・「ただいま行きます!」
それでは、読者の皆さんこの辺で。
今年もよろしくお願いいたしします。