第34話 雨降る日は蛙にご用心&大事な話。
今回は文字が今までより増え、話が長くなりました。
あと、書くのが遅れて申し訳ないです。
フロッグマンは蹴られた後に、静かに笑った。
「俺の舌を甘く見るなよ?? 黒夜 一夜。そして、ベルゼブブ。」
あたしが携帯電話で電話をかけようとすると・・・・何かが電話を取った。
それは・・・フロッグマンの舌だ。
「きゃー!!!!!!」とあたしは思わず叫んだ。
気持ちが悪い舌があたしの携帯を包んで壊そうとする。
「この!!」
ベルゼブブくんが携帯を奪い取ろうとするが、フロッグマンの舌が巻きついて完全に携帯を・・・・バキバキバキ!!という音を出しながら、破壊した。
そして、フロッグマンは驚異的なジャンプ力で車に追いついて、車のてっぺんにくっついた。「しつこいわね!!」とママが車を左右に振る。
手が蛙みたいに、ネバネバしてるみたいで、ちょっとやそっとじゃ離れない。
「お嬢様、携帯電話は必ず買い替えに行きましょう。それよりも・・・フロッグマン・・私が今、猛烈に怒っているのが分かりますか??」
「あぁ・・・分かってる! かなりの怒りの感情が感じられる。でも、何で怒っているのかは分からないなぁ〜??」
そう言って、ケラケラと笑うフロッグマン。
フロッグマンが笑うと、黒夜さんは、「簡単です。私の大切な人たちを恐怖させたからです。
あなたにも恐怖を味わってもらいます!!」
「そうかい!! それじゃあ〜・・・いくぜぇ!!」
フロッグマンはすさまじい跳躍力で、こちらへ銃の弾丸みたいに、一直線とんでくる!
黒夜さんは車から顔を出し、車の上に飛び乗る。
「奥様、そのまま走ってください。私は・・・逃げる時間を稼ぎます。」
そう言って、車の上から飛び降りた!
「げ!!」
「フロッグマン待ってましたよ。」
そう言って飛びながら、キックをかます黒夜さん。
あたしは車の中から見てるけど、あの人たちの戦いはすごすぎるって事がよく分かる。
「甘い、甘いぜぇ、黒夜さんよぉ!!!!!!」
そう言って、舌を伸ばしてフロッグマンは黒夜さんの体に舌を巻きつけて、黒夜さんを地面に叩きつける。そして、持っていたナイフを投げて、車のタイヤをパンクさせた。
「きゃ!!」
「うわぁ!!」
「しっかりつかまってて!!」
何とか車は止まった。
「いたたたた・・大丈夫??」
「あたしは大丈夫。」
その時、あたしは隣のベルゼブブくんも大丈夫だって、思った。
でも、目の前の現実はものすごく違う答えを出してた。
ベルゼブブくんが、頭から血を出して倒れてるなんて・・。
「凛、トランクにミネラルウォーターとタオルがあるはずだから、持ってきて!」
ママがそういうと、あたしは急いでトランクに向かった。
ママはベルゼブブくんを抱き上げると、車の外へ出した。
「フハハハハハ!!」
「くっ・・・・」
あたしは叫んだ。聞こえるかどうかわからないけど。「黒夜さん!! ベルゼブブくんが大変なの!! 頭から血を出してる!!」
「なんですって!!」
「フハハハハ・・・この俺の舌からは逃げられないんだぁ・・・・ベルゼブブが怪我をしたのは仕方ない。お前らから奪えばそれですむ。」
「・・・・・・あなたのような人間を私は絶対に許しません。」
「許しなどは必要ない。俺に殺される覚悟だけがお前に必要だ。」
「いえいえ・・・・・誰も見ていませんから・・・あなたを、どうしようが私の自由だってことです。」
「ふざけるなぁ!!」
「いえ、あなたの舌はもう攻略済みです。」
「だったら、攻略してみろ!!」
そう言って、フロッグマンは舌で黒夜さんを捕まえる。
「あなたの弱点はその舌なんですよ。」
黒夜さんは捕まれてぐるぐる巻きにされながら、そう言った。
「捕まえられた奴が何言ってんだ??」
「いえ、捕まえられたら逃げればいいのです!」
そう言って、フロッグマンの舌に隠し持っていたナイフを刺した。
「ギャアアアアアア!!!」
「痛いでしょう?? しかし・・・・あなたの痛みよりも、お嬢様、奥様、王子、はもっといたい思いをされているんです。」
「ゲ・・・ゲ・・だからどうした!!!!」
「あなたが思っている以上の地獄を与えます。天国へと送るのです!」
「フ・・・フ・・・。天国で地獄のものを裁いてもらうってか。甘いぜぇ・・・黒夜さんよぉ・・・・!! お前がすることの無力さを自分自身で味わうがいい。」
「うるさい!」
そう言うと、黒夜さんはフロッグマンの頭をつかんで、手でロザリオを切る。
「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主!
この神に背きし堕天使を神の名において、断罪せよ!!」
黒夜さんがそう言っても、何も起こらない。
前は光って吉崎先生を消せたはずなのに。
「はっははは!!! だから言ったろう! 無力だと。」
「何故・・・・??」
「答えは簡単だ。黒夜。そのままつかんでいろ。」
「あなたは!」
どこからか声がする。
その人の声が聞こえた瞬間、辺りが黒い雲に囲われた。
そして、雷がなった瞬間。
その人は何処からともなく現れた。
背が高い。黒いロングヘア。端正な顔立ちで髭がりりしい感じ。
でも、ものすごく怒っている感じがする。
ママが、「凛、そばにいて・・・。」と唇が真っ青になりながらあたしの手と、ベルゼブブくんの手を握った。その手は震えてる。
ママがこんなになるなんて、珍しい・・・・。
「フロッグマン、我を裏切った蛙よ。己の罪を思い知れ。」
そういうと、フロッグマンをつかむ。
「あ・・・・あなた様は!!!!!! これは・・・これは違うんのです!!!!!!!」
「わが息子、ベルゼブブを監視しておいてよかった。貴様のような裏切り者を、すぐ見つけることができるからな。」
「お許しを! お慈悲をください!!」
フッと笑うと、フロッグマンの体をその人の手で突き刺した!
フロッグマンの体を貫通はしなかったけれど、手は止まったまま。
「カ・・・・・は・・・・!!!!」
「死して滅せよ!」
その人が声を出すと、フロッグマンは黒い光に包まれて、消えていった・・・。
その人はこっちに向かってくる。
はっ・・・ぼけっとしてた。
「あの・・・あなたは??」
「ベルゼブブ!」
「今は頭から血を出して、気を失っています、でも、救急車を呼びましたから!」
「いや・・・心配はない。私の能力で治せる。」
そういうと、その人はベルゼブブくんの頭を触る。
「ふん!」
と声を出して、ベルゼブブくんから手を離すと、ベルゼブブくんの頭から煙が出ていて、でも傷口はあっという間に治った。
「死で死を治す・・・。」とボソッとその人は言う。
「あの・・・あなたは??」とママが聞くと、「これは失礼。私は・・・・ベルゼブブの父親だ。名前は、ルシファー・ダークリヴァーだ。」
「それで、あの気持ち悪い舌の長い人間はどうしましたの!?」
救急車の音が聞こえる。
周りの車も止まってこちらを見ている。
「話は長くなるが、それでもいいか??」
「ええ。私はかまいません。」
「凛・・・凛さんと申されたかな。あなたにもお話がある。わが息子ベルゼブブのことを知ってほしいのだ。」
「はい。」
「なら・・・・私も同席願えますか・・・・?」と黒夜さんが言う。
「お前は怪我を治してからだ。」
「はっ。」
そういうと、黒夜さんは前のめりに倒れた。
「黒夜さん!!」
「大丈夫です・・・この程度では死にません。」
救急車が止まって、「怪我人ですね。すぐに搬送します!!」と言って、ベルゼブブくんと黒夜さんを運ぶ。
こうして、救急車に乗るあたし達。
ママとあたし。
そして、黒夜さん、ベルゼブブくん、ベルゼブブくんのパパのルシファーさん。
この人はどんな話があるの?
ベルゼブブくんはどうして狙われたの?
あたしの色んな考えは頭の中を駆け巡っていた。