第25話 黒夜さんの服を買いにいこう計画 その1
風邪で寝てました・・。
いやぁ、風邪ってつらい。
翌朝。
「ん・・・・・。今、何時だろ??」
あたしはそう思って、時計を見た。
デジタル時計をみる。
緑色の文字が06:03と表示されていた。
どうりで、まだ眠いわけだ・・・・。
花音は朝6時に起きるっていうけどよくすぱっと起きれるなぁ・・。
花音はお家が神社だから、朝早く起きて掃除してたりするみたい。
えらいよね。
お祭りの時は巫女さんの服着て、お手伝いしてるし・・・・。
さて・・・起きようっと。
トントントントン・・・・・。
朝から、黒夜さんが料理を作る音。
いつもの通り、ドクロが真ん中についてるエプロンをつけて、その下にはいつものとおり執事の服を着て。
そういえば・・・・黒夜さんってあれ以外の服ないのかな・・??
「お嬢様、おはようございます。」と笑う黒夜さん。
「うん、おはよう。黒夜さん・・・少し聞いていい??」
「はい、何ですか??」
「黒夜さんって、あの・・・執事のスーツ以外の服って持ってるの??」
黒夜さんは少し考えた後・・・・・「持ってないですね・・・これのスペアを5着くらいはありますけど・・・それ以外はないです。」
「ないの!?」
あたしはびっくりした。
黒夜さんはいい顔してるんだから、おしゃれとかすればいいのに。
「はい。今日が金曜日ですので、明日か明後日には買い物のついでに行ってこようかと思いまして。それで・・・お嬢様にお願いがあるんですが・・・」
黒夜さんがいつになく神妙な顔であたしを見つめる。
「な・・・何??」
「あのですね・・・・私、あまり服についてよく分からないので・・・・ですので、一緒に見に行って見立ててくれるとありがたいんですが・・・。」
「つまり、あたしが一緒に黒夜さんの買い物に付き合うってこと??」
「はい。できたら・・・・でいいんですが・・」
あたしは、少し考えた後、
「うん、分かった!! あ、そうだ! 他の人の意見も聞かない??」
「と・・・言いますと??」
と黒夜さんが首をかしげる。
「狼とか、花音も一緒に行って見立ててもらうの。もし、予定が合えばさ、みんなで一緒に行こうよ!!」
「はい。楽しそうですしね♪ 是非・・・良かったらお願いします。」
「じゃあ・・・朝ごはん手伝うね。」
「あ・・・すみません。
ですが、お嬢様、私のほうは大丈夫ですし・・・学校に行く準備してらした方が・・。」
「あ・・・でも、汚れちゃうと悪いから・・・作ったら着替えるよ。」
「はい。では、よろしくおねがいします。」
そう言って黒夜さんはお味噌汁と、焼き魚を作ってる。
今・・・あたしが作っているのは、玉子焼き。
もう、完璧に今日の朝は和食だね。うん。
「お嬢様、お上手ですね。」と笑って言う黒夜さん。
あたしは、「そうかな? でも、そう言ってもらえると嬉しいな。」
そして・・・無事に出来ました。
きちんと、あたしと黒夜さんとママの3人分。
「おはよう! 今日もおいしそうねぇ〜♪」とママが起きてきた。
「おはよう♪」「おはようございます。」とあたしと黒夜さんが言うと、「今日もおいしそうねぇ〜」と笑って言うママ。
まぁ、朝から元気でいいんだけどさ。
「用意も出来ましたし、いただいましょうか。」
「いただきます。」×3.
「あ、奥様、今度の土曜日にですね、ちょっと服を買いにいきますが、宜しいでしょうか??」と黒夜さんが聞くと、ママは「うん、いいわよ♪ たしか、黒夜さんはその服しか、今まで持ってなかったのよね? 買いに行って来てかまわないわよ。
あたしは仕事だけど、夜にはきちんと戻るから。」と笑って答えた。
あたしは、「それで、あたしも一緒に行っていい??」と聞いてみた。
ママは笑って、「もちろん! でも、黒夜さん・・・凛に変なことしたら・・・承知しないわよ(笑)?」
な、何言ってるのさ!! ママったら!! もう!
黒夜さんは少し照れながら、「ご安心ください。奥様。」と笑って答えた。
朝から、すこし困る冗談だよ・・・ママったら。
食べ終えた後、あたしはすぐに準備をする。
ママも仕事に行くみたい。
「それじゃあ、凛、黒夜さん行ってくるわね。」
「うん、ママ気をつけてね?」
「奥様、行ってらっしゃいませ。」
「うん。気をつけるわ。それじゃあね。」
そう言ってママは仕事に車で向かう。
言い忘れてたけど、ママは仕事に自分の車で行く日もあるんだ。
一杯、車持ってるけど、ママのお気に入りは赤のスカイラインGT-Rって車らしい。
「お嬢様、そろそろお時間では??」
あたしは、携帯電話の時計を見る。
07:43と表示されている。
「あたしもそろそろ行かないと、8時の電車に間に合わないよ!!」
「あ、お待ちください! お嬢様!! お弁当です!」と言ってお弁当を持ってくる黒夜さん。
「あ、ありがとう。」
「じゃあ、行きましょう。」
と、言うわけで、今日も黒夜さんにガードしてもらいながらの登校。
それにしても、朝からちょっとどたばたかな??