第22話 執事と凛、ビデオ店にて。
更新が遅れて申し訳ないです。
「それじゃあ、行きましょう。」
「うん。」
きちんと戸締りをして、黒夜さんとあたしは、近所のレンタルショップへと向かう。
「ねぇ、黒夜さん。」
「はい?」
「黒夜さんが好きな映画って何??」
「えっとジャンルで言いますとですね、ヒューマンドラマとかコメディとか大好きですね。楽しめる映画が好きです。」
「じゃあ、嫌いな映画は??」
すこし沈黙。
黒夜さんは歩きながら、腕を組んで考えてる。
「え、えっと・・・。」
「なに??」
なんだろ?
いつもの黒夜さんらしくなく、すこし恥ずかしそうだ。
「笑わないでくださいよ?」
「笑わないよ! なに??」
「えっと・・・・私、ホラー映画がダメです。お化けが出るのが。」
え??
あの・・・皆さん、忘れてるかもしれませんが、ココで確認しておきます。
黒夜さんは吸血鬼と人間のハーフなんです。
黒夜さん、この間、堕天使とか退治してたじゃん!
なのに、なんで黒夜さんはお化けがだめなの!?
む〜・・。
「お嬢様??」
「何??」
「やっぱり、変ですかね。吸血鬼のハーフがホラー映画嫌いだなんて・・・。」
すこし、落ち込みながら言う黒夜さん。
あたしは気になって聞いてみた。
「なんで、だめなの??」
「いや、怖いじゃないですか。」
「どこらへんが??」
「いや、私達の世界にあんな怖い人たちいませんよ。
私、あんなのが同職だったら、この仕事してません!」
ムキになる黒夜さん。
「わかったわかった! あ、見えたよ。あそこがレンタルしてるお店だよ。行こう!」
「は、はい。」
駅前にレンタルビデオ屋さんはあります。
そういえば、花音は映画が好きで、良くここに来てるんだっけ。
ん・・・・??
あれ、花音じゃないかな。
黒夜さんが近寄っていく。
「花音さんですか??」
「え・・・・!! あ、黒夜さん!? それに凛ちゃんも!」
「花音も借りにきたの??」
「あ、はい。見たい映画あったんです! 凛ちゃんもですか??」
「うん、見たいのがあったから。」
「私もです!」と黒夜さんは笑って言う。
「お嬢様、借りたいのを探してきます。」
「あ、じゃあ、私も行くよ。」
「私も行きますー。」
そういって、あたしと花音は黒夜さんが何を借りるのか、見ることにした。
だって気になるんだもん。
で、黒夜さんは最初にどこのコーナーに行ったかといいますと・・・。
「お嬢様、花音さん、私、この間これ見ました!!」
どれどれ。
笑って、黒夜さんが差し出してくれたのは・・・
「面白いんですよ。韓国ドラマ。」
韓国ドラマでした。
主婦!?
「いやぁ・・・綺麗なラブストーリーですよ。」
「そ、そうなの。でも、あたしは今回はこれにするよ。」
あたしは前から見たかった、邦画の恋愛映画にした。
「あ、それ面白いんですよ!」
「うん。この間、花音が話してくれたから借りてみようと思ったの。」
花音から聞いた話だと、泣けるし、面白いんだって!
だから、借りてみたいのでこれにしよ。
黒夜さんは・・・「どっちにしようか悩んでます・・・。」
と言って持ってきたのは・・・・洋画のスポーツコメディと韓国ドラマ。
「う〜ん・・・・。」
「どっちも借りたら??」
「そうですよ。どっちも借りたらどうです??」
「いえ! 1個に決めます!」
悩んでいる黒夜さん。
すごく珍しい。
ある種・・・子供みたいでかわいいかも。
「よし、決めました!」
「どっちにしたの??」
「こっちです。」
そう言って、黒夜さんは洋画のスポーツコメディにした。
まぁ、楽しいほうがいいからね。
「あ、会計のほうは私が・・・。」
「いいのいいの。あたしもお小遣い貰ってるんだから。」
黒夜さんは少し苦笑いした後、
「じゃあ、ジュースを帰りに買いましょう。花音さんもどうですか??」
「あ、ありがとうございます・・・・!!」と花音は笑顔でお礼を言う。
ちょっと照れてるみたいかな??
と、言うことで仲良くジュースを買うことににしました。
「ありがとうございます〜♪」と笑って言う花音。
「ありがとうね♪」と笑って言うあたし。
「いえいえ、いいんですよ。」
あたしは、アップルジュース。
花音は、オレンジジュース。
黒夜さんは、スポーツドリンク。
黒夜さんがおごってくれた。
うん・・・おいしい♪
すると・・・・「てめぇ、ざけてんじゃねぇぞ!? あぁ!!」とか言ってる声がする。
何だろう・・・。
なんか、不良が3人くらいで、人を囲んでる。
パーカーをかぶっていて囲まれてる人は男か女か分からないけど・・・。
「てめぇ、ぶつかっといて何もなしってどういうわけだ!?」
キレ気味に言う不良。
仲間の一人が、胸倉をつかむ。
「おい、てめぇ、金出せよ??」
何も言わない。
すると、腹部を思いっきり殴られた。
「ねぇ、黒夜さん!!」
「はい。」
「あの人・・・助けてあげて??」
「分かりました。お嬢様。」
黒夜さんが駆け出そうとしたその瞬間、膝蹴りを不良の腹に腹部に入れる。
「てめぇ!?」
「やんのか、コラァ!?」
そういって、仲間2人が襲い掛かる。
だけど、その人は1人の胸倉をつかむと思いっきり殴った。
「てめぇ!! くらえや!!」
不良が鉄パイプを持って、殴ろうとする!
その人からは後頭部で、気づきそうもない。」
でも、「危ないです!!!」と花音がその人をかばうように、前に出た。
ガシ!
黒夜さんが鉄パイプをつかんだ。
そして・・つかんだ後に、相手の顔面に向けて、キック!
相手は蹴られて、少し飛んで・・・「おい、逃げろ!!!」
と言って、不良たち3人は逃げていった。
「大丈夫ですか??」と黒夜さんはその人に手を貸す。
その人が立ち上がった瞬間にパーカーがめくれた。
その人は、あたしと花音が知っている人だった。
「狼!」
「狼くん!」
あたしと花音はびっくりした。
クールな狼が喧嘩するなんて・・信じられなかったから。