第13話 犯人の正体、ついに明らかに。
更新が遅れていてすみません。
でも、今回のお話は、結構気合入れて書きました!
読んで見て下さい!
私はお嬢様を探そうと思って、「お嬢様!」と呼びます。
しかし、台風さんは、「あまり声を出すな。犯人に居場所を特定されて狙われる!」と小声で言います。
大山さんは、「3人で一団となって、行ったほうが安全ね。それに、どこから狙われても対処がしやすいわ。」と冷静に言う。
さすが、プロの方ですね。
こういうときでも冷静に物事を考えておられる。
「お二人とも、この業務はSPの範囲外ではないんですか?」と聞いてみた。
台風さんは、「そんなことをいえる状況じゃないし、凛ちゃんの飯が美味かったからな。俺はきちんと借りを返さないと、割に合わない性分なんだよ。」と言う。
大山さんは、「とにかく、一刻も早く探し出さないと。」と言って、我々は3人で固まって動きだします。
その時です。
「黒夜さーん!」とお嬢様の呼ぶ声がします。
どこだ?と探していると、矢が飛んできました。
バシュ! バシュ!
「く・・・・・・。」
台風さんの太ももに思いっきり矢が、突き刺さっています。
「台風さん!」
「台風!」
「俺より・・・・・凛ちゃんを・・・・・・・。」
「ば・・・・ばか! そんなことできるわけないでしょ!」
「恭子! よく聞け! 俺と凛ちゃん、どっちのほうが大事か位わかるだろう! どっちが危ないかぐらい分からないお前じゃないだろ!」
が〜・・・。
「あー、マイクのテストします。聞こえていますか?」
スピーカーから音がしています。犯人の声のようです。
「私は興味があるのは黒夜 一夜、ただ一人です。でも、その他の方が来るのなら人質は容赦ないですよ? ですから、そこのお二人は引き下がってください。黒夜 一夜、屋上で待っていますよ。」
私は一人で行こうとします。
「黒夜! 待て!」と台風さんが言います。
「はい。」
「お前、まさか一人で行く気じゃないだろうな!?」
「そのまさかですよ。」
「危ないに決まってるじゃないの!」
「でも・・・・一人で行かないと、お嬢様に何が起こるかわかりません。あと・・・台風さん・・・。」
私は台風さんの矢を太ももから思いっきり抜いた。
「ぐ・・・・・・・・!!!!!」
「この脚じゃ、足手まといになります。文字通り、ですからここは任せてください。」
「お前・・・。」
「大丈夫です。死にません。」
そう言って私は笑った。
「大山さん、早く救急車の手配をお願いします。」
そう言って、私は自分のジャケットを破いて、台風さんの脚に巻きつける。
「おい、黒夜。」
「はい??」
「お前がケガしたときに助けてやったから、これで借りはなしだぞ。」
「はい。」
「黒夜さん、気をつけて!」
私は屋上へと向かいます。
「黒夜 一夜が近づいてきていますよ。」
犯人は椅子に座って本を読みながら、そう言う。
顔は覆面を付けて隠している。
私は縛られていて、この状況は最初は怖かったけど、今は怖くない。
怖いのはこの犯人の見えない犯行の計画性と、狂気に満ちた感じ。
言うなれば、犯人に近づくだけでも怖い。
犯人という存在そのものが私には恐怖。
「凛さん。」
「はい。」
「今夜は星が綺麗ですね。実に。」
空を見上げると・・・黒い空に星がキラキラと輝いていた。
「あまり、ロマンティックな状況じゃないときにこういうことを言うのもなんですけどね・・・私は黒夜を殺す覚悟と使命があります。」
「さっきから、どういうことなの?? どうして、黒夜さんを殺さないといけないの!?」
「それは・・・・彼が・・・。」
ズドン!!!
ドアを蹴破って入ってきたのは、黒夜さんだ。
「おっと・・・・マナーとしてはよくないですね。黒夜 一夜。」
「いえ、あなたよりはいいと思いますよ。か弱い女性をこんな風にさらうあなたよりは。」
「仕方がなかったんです。じゃないと・・・・あなたは来ないですよね。黒夜 一夜・・・・
「悪趣味ですね。あまりいい趣味とはいえませんね。犯人さん・・・いえ・・・・・吉崎先生!!」
フ・・・・と犯人は笑うと、覆面を顔から取った。
覆面を取った犯人は・・・吉崎先生だった。
「ばれてしまってはどうしようもないですね。黒夜 一夜。しかし・・・どうして私だと?」
「あなた、最初、事件のことがどこにも公表されていない状態で、電話をいただきましたよね? あれは、どこにも情報が漏れないようにしていたはずなのに、あなたは、凛さん大丈夫ですか??と電話をかけてこられました。そこであなただと思いました。」
「いい推理力ですね。しかし・・・黒夜さん・・・あなたはここで死にますから。」
と、言うと吉崎先生はすぐに、弓を持って黒夜さんに矢を撃った。
バシュ!!
すさまじい音があたしの耳を通り過ぎて、矢は黒夜さんの肩に突き刺さっていた。
「黒夜さん!!!!」
「だ・・・・・大丈夫・・・・・・で・・・・・す。お嬢様。」
黒夜さんは肩に刺さった矢を抜いて、そう言う。
「ふふ・・・・・はっはははは・・・・(笑) やはり・・・殺し甲斐がありますよ・・・黒夜さん・・・いえ・・・・あなたは何かを隠してる・・・・私にはわかりませんが・・・・その隠している事が・・・重大な感じがしていますね。」
「わ・・・・私は・・・あなたから・・・お嬢様を助け出して・・・・・・・温かいご飯を食べさせてあげるんです・・・。」
「うるさい! 矢を避けられない人間が何を言うんだ!!!」
「あなたも・・・・人間ではないですね・・・吉崎先生・・・・。」
な・・・何を言ってるの・・・・??
黒夜さん。
先生が人間じゃないなんて、どうかしちゃったの???
そういうと、黒夜さんは持っていた銃を出す。
そして、吉崎先生に向けて撃つ。
バシュン!という、大きな花火みたいな音が響いた後、銃弾は吉崎先生のほうへと跳んでいく。
銃弾は先生の頭に当たった。
「あ・・・・・あ・・・・」とあたしは声がでない。
すごく気持ちが悪くなる。人間が目の前で死ぬんだもん。
吐きそうになるくらいに気持ちが悪い。
「お嬢様、早く逃げて!!!」と黒夜さんは言う。
でも、あたしは縛られていて、上手く動けない。
吉崎先生の頭からは血が流れてる・・・。
でも、吉崎先生は頭に銃弾を受けたはずなのに・・・受けたはずなのに・・・・・立ち上がって、「痛いじゃないですか。黒夜さん。」と笑う。
すると・・・・黒い翼が背中から生えてきた・・・・。
信じられない事があたしの目の前で起きている。
人間の背中から羽が生えている。
そんなこと自体ありえないのに・・・でも・・・その翼は大きくて、たしかに空を飛べそうなくらいのサイズはある。
でも、あたしが知っている天使の羽は純白だけど、その羽は黒い。
まるで、この世の黒という色を全部足して一つのものにしたみたい、まさに漆黒の翼が生えてる。
そして、吉崎先生はその羽で空に向けて飛んだ!!
「私は、確かに人間じゃないんです。でもそのことに気が付くなんて、あなたもこの世界のものじゃないでしょう? 黒夜 一夜。」
そして、吉崎先生は、ギギギギギギギ・・・・と音を立てながら。思いっきり弓を引っ張っている・・・・。
「おぉぉぉぉぉ!!!」
黒夜さんが猛ダッシュで近づいてくる。
吉崎先生はしかし、笑った。
「ふ・・・・これでジ・エンド・・。」
バシュ!!