第10話 執事、犯人との対決
あたしは、昨日起こったこと花音に説明をした。
花音は、「え〜!!!!!!!!!!!!!」とびっくりしていた。
「でも、本当に起こったんです。」と黒夜さんが付け足す。
「うん・・・・。」とあたしはうなづくだけ。
台風は、「まぁ・・・俺らは凛を警護するために、仕事してんだ。」
「うんと・・用心棒みたいな感じですか??」
花音・・・すこし表現が和風過ぎるよ(笑)
「まぁ・・・そうね。用心棒みたいなものかしら。」
「へぇ〜・・・・かっこいいです。」
「え、そんなにかっこいいか?? 俺。」
花音は縦にうなづく。
台風は、「ほら、俺のことかっこいいって。」と指差していう。
大山さんは、ふん・・。と顔を背ける。
黒夜さんが、「お茶が入りましたので、どうぞ。」と花音に笑う。
花音は、「あ、ありがとうございます・・・。」と照れていう。
うん、やっぱり、花音はかわいらしい女の子だ。
「で、花音ちゃん、凛が狙われたことは・・内密にしてくれ。」
台風が真剣な表情で、花音のほうを見ていった。
花音はすこし、びっくりしながら、「は・・はい。」とうなづいた。
「これが公になると、凛ちゃんのお母さんにも多大な影響があるから。」
大山さんは冷静に言った。
花音は、「はい、でも・・・・・弓矢ですよね。そんなに遠いところから撃てないと思うんです・・・。」
すると、台風が「黒夜さん、少し地図を持ってきてくれるか??」と静かに言った。
黒夜さんは、「はい。」と言って、部屋から地図を取りに行った。
「何するんです??」と花音が聞く、台風は、「射程距離を考えれば、どこから撃ったか分かる。少し考えてみよう。」
黒夜さんが地図を持ってきた。
この家、周辺の地図だ。
「う〜ん・・・・。」と台風は考える。
ママも地図を見る。
そして、手をかざす。
「何してるの??」とあたしが聞くと、黒夜さんが「多分、占っておられるのでしょう。」とあたしの耳元でそっと囁いた。
「ここ。」とママは赤ペンで丸をつけた。
「ここって・・・廃ビルですか?」と大山さんが聞く。
「そうですね。」と黒夜さんがいう。
「しかし・・・・ここから弓矢で、狙えるか?? 少し距離がありすぎるが・・。」
と台風は言う。
「まぁまぁ。手がかりがないんだから行って見るだけ行ってみようよ。」と大山さんがいう。
「ま・・・行ってみるか。じゃあ・・・誰が行く?」
「私が行きます。」と黒夜さんが淡々と言う。
「あんたがか?」と台風が言う。
「狙われる危険だってあるのよ。わかってる??」と大山さんが聞くと黒夜さんは「それでもです。」と静かに言った。
「しゃあねぇなぁ・・・。何かあったらすぐに連絡するようにしてな。」
「はい。」
黒夜さんは・・・「それでは・・用意しますか。」
自分の部屋に入っていった。
あたしは黒夜さんがいないということで、すこし心配になった。
あたしが命を狙われたとき、守ってくれるのは黒夜さんだけのような気がしたから。
カツカツカツ・・・。
廃ビルに来てますが、本当にここから人間が狙ったのでしょうか??
何か手がかりがあればいいのかもしれませんが、あんな犯人が手がかりを残していくようなマヌケには思えません。
ん・・???
あ、読者の皆様、どうもこんにちは。
黒夜 一夜です。
しかし、お嬢様を狙ったのは、どういう理由があるのでしょうか。
私には分かりかねますし、なにより不思議です。
しかし、こんな荒れ果てたところから、よく狙ったものです。
ん・・・・・・??
また、黒い封筒が落ちていますね。
ビリビリビリ・・・。
「かわいらしいお嬢様と、執事へ。
わたしはあなた達を狙っています。
捕まえられるものなら捕まえてごらん。」
ふ〜・・・・挑発ですか。
私は、こんなことでは怒りません。
人間なら怒るのでしょうが。
ブルブルブルルル・・・。
すいません、携帯電話がなっておりますので出ます。
ピッ。
「はい、黒夜です。」
「佐藤だ。どうだ、何か手がかりはあったか??」
「はい。犯人から私への挑戦状です。捕まえられるのなら捕まえてみろとのことです。」
「そうか。危なかったらすぐ逃げろよ。」
ガガン・・・・。
その瞬間に私の目の前から、大きな柱が落ちてきました。
やばい!
私は、走って避けてます。
ガンガンガンガン!!
廃工場とはいえ、ここまでして大丈夫なんでしょうか??
「お、おい、どうした!! 大丈夫か!?」
佐藤さんの声が響いています。
「はい、大丈夫です。ただ・・・・犯人が私を狙っているみたいなので・・・応援をよろしくお願いします。」
「分かった!!すぐに行くからな!」
さて・・・・避けたはいいですけど・・・まさか犯人が私を狙っているとは・・・思いもよらないですね。
「黒夜 一夜か。」
廃工場の2階のほうから、その声が響いた。
顔に覆面がついていて、声が機械のようです。ボイスチェンジャーを使っているのかもしれないですね。
「あなたですか。お嬢様を狙っているのは。」
「違う。俺はお前を狙っている。」
「私を?? 何故です??」
「それは・・・お前が俺と同類だからさ。」
「私の存在を知っているって事は、あなたも私と同じですか??」
「お前と同じではない。似ているが違う存在だ。」
「なら、なぜ私を?」
「理由なんかあるわけないだろ!!」
犯人は背中から大きな弓矢を取り出し、私に撃ってきました。
バシュ!
打たれた矢は私の顔の横を飛んでいきました。
「外したか・・・。しかし、次は外さないぞ??」
「私を狙えるものなら狙ってみてください。」
相手はそういうと、さらに連射してきました。
私は、必死に避けます。
ぎりぎりで・・なんとかかわしていますが・・・このまま時間がたっていくと、危ないかもしれません。
避けているとは言えど・・・・ぎりぎりで・・・かするために、血も出てきました。
「おい、執事さん、もうこの辺で終わりにするぞ!」
そういうと・・・・相手は思いっきり、弓を引っ張ります。
先ほどよりも、ためる時間が長いです。
どうやら本気で私を狙っているようです。
こうなれば・・・私も仕方ありません。
私は相手に向かい、思いっきり走る。
「バカめ! 狙い撃ちだ!! 空中では身動きがとれないだろう!!!」
バシュ!
黒い矢は先ほどよりも、速い速度で来る。
私はそれを避けるために、空中でさらにジャンプしました。
人間では無理でしょうね。この動きは。
そして、そのまま覆面をつけた犯人にカカト落とし!
ズゴォン!!
私の足が相手の顔に当たって、確実にミートしたのが分かりました。
しかし・・・服が汚れてしまったのが、残念です。
「ぐ・・・・。」
「さぁ、あなたは誰です?? 正体を現してください。」
「お前に俺の正体を見られてたまるか・・・・。」
そういうと犯人は窓のほうに・・・。
「また、会うぞ・・・。黒夜 一夜。私は、お前の傍にいて・・・・・お前のお嬢様を狙っている。そして、お前の美学を否定してやる・・・。」
パリン!
犯人は窓から飛び込んで逃げました。
私もその後に追いましたが・・・血が足りないので・・だめですね・・。
「おい、黒夜!!」
「はい、台風さん。」
「大丈夫かよ! 犯人のほうはどうした??」
「逃げられました・・・しかし・・・・傷を負わせたのでなんとか・・・。」
「そうか、ケガはないか!」
「はい・・・お嬢様のところにお願いします。」
「わかった、飛ばすからつかまれよ!」
台風さんはすさまじい速さで向かってくれています。
いい人です。
私の任務は・・・お嬢様を守ること。
それは奥様が私を助けてくださったときの契約。
契約は裏切ることのできないもの。
私は、それ故にお嬢様をお守りするのです。
来ていただいてるファンの皆様へ。
ありがとうございます。
この話もついに10話へ。
これからも頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。