第01話 執事登場。
へたくそな作品ですが、面白そうだ!と思った方は、是非見てみてください。
批評は是非していただいてかまいません。
「ん・・・眠い・・・」とあたしは目をこする。
体をゆすられる。誰に?
ママ??
「起きてください、お嬢様。」
「あ・・・うん。」
ん? 誰これ?
ママにしては、悪ふざけが過ぎている気が・・・
そう思って・・あ・・・・朝ごはんつくらなきゃ・・・と思っていたら、目の前に知らない男の人がいた。
目が合う。
「きゃー!!!!!!」とあたしは大きな声をあげる。
「あ・・・。」
ママの仕事の関係の人かな・・・!? それとも・・・新手の不審者!?
と、私が答えに困っていると、男の人が笑って、「おはようございます。お嬢様。」
へ・・・??
お・・・・お嬢様・・??
あたしが?
まったくわけが分からない。
「申し送れました。今日より、奥様にお申し付けられて、執事を担当することになりました。黒夜 一夜と申します。あと、いきなりお嬢様のお部屋に無断に入ってしまったこと、深くお詫びします。」と丁寧な口調で黒夜さんはそう言って、頭を深々と下げた。
すると、ママが出てきた。
「あ、その人、今日から、家の執事さんだから。」
ひつじ・・・?? しつじ・・・??
「よろしく、お願いします。お嬢様。」
へ・・??? 全然、よくわからないんですけど・・・・。
そういうと、男の人は私に、笑顔を見せた。
あたしは、すこし苦笑いをする。
「執事さんがくるなんて、聞いてない!!」とあたしが言うと、ママは「当然。言ってないんだから。」と静かに笑う。
う〜!!!!! なんでこういう大事なことを勝手に決めちゃうの!?
あ、そうだ、これはきっと夢だ。あたしったら・・・なんて変な夢見てるんだろうか。
はやく、朝ごはん用意しないと・・・。
そう思っていると、「ご朝食の用意が出来ておりますので、どうぞ、こちらへ。」と案内される。
テーブルの上には、フレンチト−ストと、スパニッシュ・オムレツと見事な、ポテト・サラダ、そして、コーンスープが、並んでる。
あたしは、それを食べてみた。
っていうか・・・何、この料理・・・。
朝ごはん・・・あたしが作るのより・・・おいしい・・・。
あ、自己紹介が遅れました。
あたしの名前は、神崎 凛と申します。
中学1年生です。
「これ・・おいしいわ。」といって、笑っているのが、あたしのママ。英語で言うと、マイ・マザーですね、なんてことはいいか・・。
神崎 栞というのが、ママの本名だけど、職業柄、本名は出せない。
月宮 晶っていうのが、ママの仕事上の名前になる。
職業は何かと言うと・・・・占い師なんです。占星術だか、なんだかよく知らないけど
(まぁ・・・しつれいだけど。)ママの占いはよくあたるらしい。
今までにも、世界中で起こった事件とか、悪いこととかそういうのが、全部当たってる。
でも、あたしは占いはあまり信じないようにしてる。
ママが、占い師だからって言うのもあるのかもしれないけど、占いは信じるほうではないっていうのがあたしの考えになってる。
「お嬢様、お味のほう、どうですか?」と執事さんが聞いてくる。
こういうとき、どういえばいいのかな・・・??
よくドラマとかだと、「おいしいですわ。」とかお金持ちのお嬢様がやってるけど、ウチはそんなお金持ちではない。(とあたしは、思う。)
「あ、おいしいです。」とあたしは小声で言った。
「そうですか・・・・それはよかったです。」と執事さんは笑う。
笑顔がとっても素敵。
でも、葬儀屋さんみたいに黒いスーツを着てる。それに黒のネクタイ。
身長はあたしより大きいけど、男のひとにすると、小柄なほうかな??
髪型はすこしはねてるけど、きちんとした黒髪だし顔はさわやかな顔立ちで好感がもてそうだ。
でも・・・・・・・一応、マンション暮らしだけど、家事はママとあたしで、十分やってこれてるし、お手伝いさんなんか、呼んだことがない。
高そうなレストランに呼ばれたことはあるけど・・なんか、ママの接待みたいな感じだったし。
それなのに、どうして、執事さんを雇うことにしたんだろうか。
あたしに、相談もなく。
そう思うと、少し腹が立ってくる。
でも、執事さんに気づかれないようにしなきゃ。
あたしの頭の中はそんなことで一杯だった。
ちゃんと朝ごはん全部食べて、あたしは、
「あ、そろそろ学校入ってくるね!」と明るく出た。
ママは、「うん。」とうなづく。
執事さんは、「はい。お気をつけて。」と笑って送り出してくれた。
あたしが出ようとしたそのときに、「あ、お嬢様!! お待ち下さい!」と言って、あたしを呼び止める。
「なに?? 執事さん。」
「いえ・・・・・・これをどうぞ。」といって、黒夜さんは黒い呼び鈴をくれた。
よく映画とかである、お金持ちが家来の人を呼ぶときに使うやつみたい。
でも、ハンドベルよりは少し小さいかも。
不思議な模様が入っていて、ところどころ宝飾がある。なんだろ、これ・・・?
「お嬢様、これはお嬢様がピンチになったときに、お使いください。」
「ピンチのときに? あたしが?」
「はい。これを鳴らせば、私はどこにいても、すぐに駆けつけますというお守りです。お嬢様にプレゼントいたします。」
「でも・・・こんな高いもの・・。」
「いえ、たいした価値はないのです。ですから、お気になさらず」と黒夜さんは笑って言う。
「ありがと・・・・大切にする!」といって、あたしは家を出た。
だって、電車の時間に間に合いそうにないんだもん!
はぁーはぁー!! すさまじくダッシュして、なんとか学校に間に合った。
あたしの家から、3駅くらいまたぐと、ウチの学校がある。
駅から近い・・・それに・・・・これを言うと・・・なんか、気分悪くされる方もいると思うんだけど・・・その・・・お金持ち系が通う学校だそうで。
男女共学で、お金持ちが通う学校。
でも、勉強はきちんとあたしはできる!
きちんと、入学試験受けて入りましたから。
でも、今日は朝から、すこし不思議。
執事さんが朝ごはん作ってくれて・・・・・・おいしかったし・・。
なんて、あたしが考えてると・・・「おはよう・・ございます。」と声をかけてくるあたしの友達。
天原 花音
花音は、見た目は小学生、と思うくらい背が小さい。
それに、色素の薄くなってしまう病気で、肌が白いのだ。
でも、人一倍がんばり屋で、恥ずかしがりやなところがかわいいと思う。
結構長い付き合いだけど、ですます体で話す。
あたしとは違って、なんか本物のお嬢様という感じが出てるんだよね。
男の人に声をかけられると話はできるけど、目をあわせられない。
純情なのだ。
そんな、花音は何台か続く神社の娘さんで、神様を信じているそうだ。
ちょっと前に、あたしは神様がいると思うときは、人間が自分に困ったときだけだと思う。とあたしが言うと、「そんなことない・・・・です・・・。」と言う。
また、この言い方もかわいい。
キーンコーンカーンコーン・・・・。
「学校・・・はじまるです・・・・。」
「あ、急がなきゃ!!」とあたしが言うと、「はいです!!」とあたし達はダッシュで学校に入る。
無事に間に合ったあたし達は、教室に入った。
しばらくすると、なんか、見たことない先生が入ってきた。ん、いつもの滝川先生ではないの??
「皆さん、始めまして。滝川先生はしばらく休まれるということで、新しく教師として臨時ですが、このクラスの担当をすることとなりました。名前は・・」
と、言って、チョークで自分の名前を書いていく。
吉崎 和重とかいてある。
「よしざきかずしげと言います。よろしくお願いします!」とあいさつをした。
なんか、いい人そうだ、とあたしが思うと、花音は、「なんか、あの先生、違和感があります・・・。」と嫌みたいな言い方をしていた。
花音が人を嫌がるなんて・・・珍しい。
花音は、基本恥ずかしがり屋だけれど、あんまり人を嫌うことはない。
あたしは、そう思いながら、授業を受ける。
ウチの学校は、勉強が難しいと思う人もいれば、簡単という人もいる。
普通の人はいない。
あたしはこう思うんだよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・両極端すぎない??