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現実世界+オンラインゲームの世界=????  作者: 雪猫
第二章 現実世界の異変
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29日目 東北異聞 山形 遊佐町伝説 上

 目が覚めると水の中にある空間なので、ひんやりしていてスムーズに起きられた。ベットや家の材質は水を固めた物みたいで、まるで水の中にいるみたいだった。

 すると白い物体が何かをしていたので話しかけてみる事にした。

 「ホワイトさんおはようございます、何をしているんですか?」


 「妖精の舞、基本動作ステップを練習していますぞ」


 小刻みにステップを巨体の体を使って踊っていた。するとみんなが起きて来たみたいで、宿屋で用意をしてくれた魚料理をご馳走になる。ワープをする直後に御礼を言うと村長さんは笑顔になりながら手を振って見送ってくれた。

 「ありがとうございました。また来ますね」


 「ええ、いつでもお待ちしています」


 久しぶりに白い光に包まれると、さっきまで水の中にいたのに始まりの町に到着していた。久しぶりのイギリス様式の家に感動をするとやはり町は避難民が多いのか、この前より人が多かった。

 「前より多くなってるやんか」


 「たしかにね、人多すぎて前進めないわね」


 人に飲み込まれながらもダークは喋る。人だかりの間を頑張って通るが、暑いせいなのか、すごく疲れる。ふと思った事をティファに尋ねてみる。

 「ティファさん山形県の人なんて、どうやって探すんですか?こんなに人がいるのに」


 「ユキちゃん酒場があるでしょう、あそこで募集していれば来るはずよ」


 熱いせいなのかイライラしながらティファに尋ねてみると、金髪の美女も疲れた様に説明をする。熱気が頭にジリジリ迫りながら掻い潜りながら進むも、酒場に到着する頃には汗を掻きすぎて服がびっしょりになっていた。


 酒場のマスターにお水を6杯頼むとウィトレスの子がすぐに持ってきてくれる。ティファが掲示板に何かを書き込むと、こちらに戻ってくる。


 掲示板に書き込むとは、近くにいる冒険者のメニュー画面に内容が発信させられる機能になっており募集の人を探す時には重宝するシステムの一つである。

 物の数分に3人が集まっていた。3人共、違う市みたいで丸池様が近いと言われる坂田市の人を選ぶ事にした。

 「いくらでお願いできますか?」


 俺は2人の冒険者に謝罪した後、残った女冒険者に尋ねると指を3本立ててくる。

 「3万でいいわよ」


 「3万!?ないどうしよう」


 鞄に確認するとお金がない事に絶望するが、紫髪の子が財布からお金を取り出し女冒険者に渡す。

 「……これでおね……します」


 「師匠ありがとうございます」


 ユキとダークがお礼を言うと、コクリコクリ頷いていた。女冒険者をPTに入れてリーダーを変更するとワープをして酒場から海の見える家の前に到着する。どうやら女冒険者の実家みたいでジロジロ見ていると少し注意をされた。


 6人が来るのを確認すると女冒険者はPTを抜け始まりの町に帰っていく。下に行くと道路があり柵が覆われていた。

 「へえ海の道路って木の板が立ててあるんやな」


 危険防止の為に柵が置いてあるところを、赤髪の小学生は海を見たいのかジャンプをしていた。ドスンドスンという何かが来る音がしたと思ったら、前には太った冒険者の隊列がこちらに向かっていた。

 「おいおい、テメェラ久しぶりじゃねぇか?」

 象の様な大きい声で、灰色髪の太った女は俺達を見つけると手を振っていた一番にティファは気づいたみたいで後ろを向くのを躊躇っていたが、すぐに話しかける。

 「メアリー貴方も来たの?」

 金髪の美女は嫌な顔をして太った女性をまじまじと見ている。

 「俺が先行組だと思ったんだがなあ、山形城見てたのと模擬合戦してたら時間が過ぎてたぜ」


 笑いながらメアリーが言うと、他の太ったメンバーは疲れた顔をしていた。

 「じゃあ俺達はいくぜ、戦場で会ったらよろしくな」


 「あまり会いたくないけどね」


 メアリーが去った後に小声でティファが呟いていた。坂田市の町並みに到着すると異様に騒がしくなっていた。ダークが男の人に騒がしい理由を聞いてみる。

 「なあなあ兄ちゃん何かあったんか?」


 「丸池様の周りで片目がない生物の死体が動いたりして大混乱みたいなんだ、それに加えて今暗い場所に行くと一つ目小僧が現れるという怪談話まで持ち上がっているんだよ」


 住人の男が冷や汗を掻きながら焦っている。ユキは幽霊が怖いせいか一つ目小僧と聞くと背筋が寒くなってしまう。ホワイト・ダークが口をモグモグしている何か食べたんだろか聞いてみる事にした。

 「ダークさん何食べているんですか?」


 「魚屋さんで鮭のバター焼きもろた、身がふっかふかして、めちゃくちゃ美味い」


 ハフハフしながら食べているのとバターの焦げた匂いでお腹が減ってきてしまう。ホワイトが何個か貰って来てくれたみたいなので食べてみる事にした。

 さすが鮭が有名な町だと思っていると見慣れた2人組と出会う。

 「ユキさんや、お久しぶり」


 「皆さんお久しぶりです」


 黒短髪の美女と青髪の美女は礼儀正しく挨拶をする。

 「サモンくんとシエルさん、お久しぶりです」


 俺とダーク以外は会った事がまだないので軽い挨拶をして握手をする。

 「サモンくんもクエストでこの町に来たの?」


 「ううん、僕達は新婚旅行で鮭の町を訪れたんだけど、一つ目の生物に邪魔されたんだ」


 どうやらサモンは一つ目みたいな生物に会ったらしく、装備がボロボロになっており戦いの後で少し怪我をしているみたいだった。

 「新婚旅行なんやな、でもどっちも女の子やん」


 「みんなには内緒にして欲しいんだけどシエルちゃん中身男の人で最近結婚したんだ」


 「マジですかおめでたいですね、何も上げられなくてすみません」


 ダークが以外は気にしてなかった事をサモンの耳元で話すと黒短髪の子は恥ずかしそうにダークに小声で説明をする。おめでたい事なので、みんなが拍手をして二人をお祝いをした。

 「ユキさんいいんやで、その気持ちだけで十分や」


 「そうですよ、欲を言えば銀眼鮭が欲しいなあと思うくらいですね」


 「銀眼鮭ですぞ?」


 「……片目が銀色の鮭がいるらしい」


 ユキは頭を下げながら謝ると、サモンは俺の肩を叩き慰めていると青髪の美女が欲しいアイテムの名前を言うとホワイトは聞いた事がないのか首を傾げ確認をする。するとトラコの眉がピクリと動き面白い話を聞く事になる。

 「銀眼鮭って美味しいんか?」


 「伝説5大鮭の一つで油がものすごく乗ってて美味しいみたいなんだよ、一回でいいから食べたいと思っていて探そうとしたら襲われたんだ」


 サモンは食べたそうに涎を垂らしながら説明をする。あまりの美味しそうな情報にユキは唾を飲み込むとダークが提案をする。

 「どうやろ?俺達の方手伝ってくれたら、俺等もサモンくんに協力するよ」


 「本当ですか?ところでユキさん達は何のクエストをしているの?」


 これまでの話とクエストの内容を説明すると2人は快く承諾をしてくれる。そういえば二人の職業を一回も聞いた事がなかったので尋ねてみる事にした。

 「そういえばサモンくんとシエルさんはどんな職業なんですか?」


 「私はマジシャンです、このステッキが武器ですね」


 「僕は召還士かな」


 シエルはステッキを取り出すと服がマジシャンの様なダンディな格好に変わる。サモンは懐から本を取り出すと呪文を唱える、すると空中から大きな魚が姿を現す。

 「うわーモンスターやんけ」


 「ううん、この子は僕の召還魚だよ、名前はマスノスケみんな優しくして欲しい」


 赤髪小学生の目の前に来ると驚いたのかダークは後ろに倒れ、大きな魚はサモンに近づくと犬の様に顔を舐めていた。

 「ステッキって、どうやって戦うのかしら?」


 「基本棍棒みたいな物ですよ」


 金髪の美女は初めて見る服を指摘すると、シエルはステッキを素早く振り回すとビュンビュンという音と共にすごい風を巻き起こしていた。サモンが襲われた森に俺達も入る事になった。まだ昼間だから明るいが静か過ぎる森は何かと不思議な感じで怖かった。

 「ゲームの中でも神秘的な森あったけど、日本にもこんなところあったんやなぁ」


 ダークが周りをキョロキョロ見始めると、そんな感想を呟く。ゲーム仕様になっているのか、景色は青みが掛かりまるで鍾乳洞にいるような気がした。するとティファが急に俺の袖を掴むので何かあったのか確認をする。

 「ティファさん何かあったんですか?」


 「右斜め方向に光っている目がこっちを見てるんだけどわかるかしら?」


 指摘された方角を見てみると木に隠れながら大きな赤い目玉がこちらを見ていた。どうやらあちらも気づいたみたいで顔の8割を占めている目の生物は近づきながら雄たけびを上げる。

 「ウォォォォガァァー」


 「なんや、なんや、びっくりしたやんけ」


 ダークはまた驚くと、転びそうになりながら必死に踏み止まり杖を構えると、袈裟を着ている生物は錫杖を持ちトマトの様な頭のダークを殴ろうとする。

 さすが歴戦の戦士だ。ホワイトが異変に気づきダークの目の前に行くと、大きな盾で防ぐも相手は少し小さいはずなのに白い妖精さんはギリギりと力負けをしていた。

 「こいつ、やばいですぞ」


 後ろがガラ空きなのでアタッカーのティファ・ダーク・トラコ・サモン・シエルは全力で攻撃するが一つ目の生物はもう一つの錫杖を構えると全部の攻撃を叩き落とす。

 「二錫杖なのね、まさか5人で攻撃されて全部防がれるとは思ってもいなかったわ」


 ティファは一つ目の生物を睨み付けながら、悔しいのか持っている鎌がカタカタと震えていた。急に赤い目が光ると袈裟を着ている生物は消える。

 「え!?何処行ったんですぞ」


 「私もずーと見ていたのに目の前で消えました」


 タンクのホワイト・アランは周りを確認するが気配がまるで無かった。すると横にいたトラコが横に吹き飛ばれると木に激突した。

 「……!!」


 何が起こったのかトラコは分からないまま気絶をしてしまった。トラコにいた方向を見ると一つ目の生物は笑みでこちらを見ていた。

 「な、なんやと?、おいトラ大丈夫か?」


 すぐにダークはトラコを起こすと看病しているみたいだった。油断している赤髪小学生の前にも攻撃が来ると、アランがギリギリで間に合い受け止める。

 「くぅ、重いですね」


 ホワイトでもギリギリに後ずさっていた為、完全に力負けしていたがアランも声を荒げて頑張る。黒髪短髪のサモンがマスノスケを投げると刃の様に硬くなっていき、右腕を切り裂く。

 「マスノスケ斬り」


 一つ目の生物は焦ったのか少し離れるとティファが追撃をすると避けまた笑い出し、赤く目が光ると薄っすらと消えていく。

 「また消えたわ、みんな気を付けて」


 青髪美女の後ろに一つ目の生物が笑いながら攻撃をするとトラコの様に吹き飛ばされ木に激突するが、シエルだった物は溶けて行き白い鳥が何匹も飛んで行く。

 笑っている一つ目生物の死角からステッキの用な物がぶつかると血しぶきが上がる。

 「棍棒打ち」


 突然マントが現れるとそこからシエルが現れる。一つ目あまりに痛いのか大きな目を閉じながら血の涙を流している。

 「ウゴォォグゥゥ」


 「痛がってるわね」


 「そやな、さすがに俺も切れたで」


 ティファとダークの怒気に当てられたのか一つ目生物は後ずさりをするが遅く鎌六風撃が決まると痛いのか鳴き声を出しながら一目散に逃げていくが金髪美女の鎖が絡まるとダークが呪文を唱え始め大技を打つ。

 「燃え尽きろフレア」


 炎の塊は一つ目にぶつかるとものすごい雄たけびを上げて黒焦げになった。どうやらトラコも無事みたいで起きて来たときは一安心をした。

 剥ぎ取ろうとしたらメラメラという音と共に何か焦げ臭かった。

 「ダークさんフレアを使うのは不味かったと思いますよ」


 アランは冷や汗を掻きながら、音の方向を見ていると木が豪快に燃えていた。すぐに8人は町に戻り水魔法が使える人に手伝ってもらって消火活動をした。鎮火するのは夕方まで掛かりもうみんなは疲れ切っていた。

 「まあ仕方ないやろ、イライラしてたんよ」


 ユキ・サモン・シエル以外から睨まれているダークが頭を下げながら言うと金髪美女が溜息を付きながら喋る。

 「まあ大惨事にならなかったし、いいんじゃないかしら、でも二度目の失敗は許さないから」


 顔が墨で真っ黒になったティファが鎌を持つとダークはヒィと言い俺の後ろに隠れる。

 「そういや、もう暗いし宿屋行かないといけんよな?」


 「宿屋って言っても地形が分からないので何処にあるのか検討も付かないですよ」


 ダークは疲れたのか休みたいのかみんなに提案をすると、アランが周りを見てお手上げだという顔をする。

 「シエルちゃん僕達のところに泊めてあげるのはどうかな?」


 「サモン君がいいなら私はいいですぞ」


 短髪美女が提案をしてくるが俺はさすがに二人に悪いので断ると明日の約束をして二人は宿屋に帰っていった。

 途方に暮れていると黒髪美女がこちらに気づき話しかけてくる。

 「あらあら、貴方達お久しぶりね」


 「東光尼さん何でこんなところにいるんですか?」


 そう彼女は二本松市にある宿屋恋衣の従業員の女性である

 「私は買出しに来たところなのよ、もしかして泊まるところないのかしら?」


 「そうなんですよ、何処か知りませんか?」


 妖艶なる美女は笑いながら尋ねるとダークが反応したと思ったら手を握り聞いていた。

 「よかったら恋衣に来ないかしら?」


 「恋衣って二本松市に戻ってしまうわよね?」


 驚くことを東光尼は提案をしてくるとティファが首を傾げ尋ねて見る。

 「言ってなかったわね、移動型宿屋だから何処にでも出没するのよ」


 「移動型宿屋?」


 俺は聞き返してしまった、そんなシステムが出来ていたとは黒髪美女に案内されて学校のグラウンドに来ると前着た宿屋がドーンと建っていた。前と違ってお客さんは多かったが広い部屋に通されてみんなは疲れたのかすぐに倒れこむ。


 宿屋に訪れた同時刻一つ目の黒焦げがファーストアイの目前に置かれると一つ目の女はガタガタと震えだし大声を出しながら叫ぶ。

 「冒険者メェェェェ、すぐにみんなを集めなさい」


 一つ目女は同じ種族の男に睨みつけながら言うと命令を伝える為に冷や汗を掻きながら洞窟から出て行った。

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