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現実世界+オンラインゲームの世界=????  作者: 雪猫
第二章 現実世界の異変
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28日目 東北異聞 福島 桧原湖伝説

 目が覚めるとベットから起き上がるまだ眠いので湖の風を浴びに外に出ると綺麗なリゾート地が広がっていた。昔はあんなに綺麗で何回も着たいと思っていたのに人がいない事に残念でしかなかった。

 すぐにみんなも起きてくるとヒコウペンギンを呼び出していた。すぐに搭乗して空を飛び回る30分乗っていると塩原町という看板が見えてきて町に降り立つ。

 「ワカサギ釣り人気なんやな、釣り屋いっぱいあるやん」


 釣りと書いてある看板が何個も書いてあるお店をいくつも発見する。湖が見える町はいい物である綺麗なところでアニメに出てきそうな風景だった。

 すると見慣れた薄い紫髪の子が釣竿を背負って歩いていた。

 「師匠じゃないですか」


 「本当や、トラやんけ久しぶりやな」


 トラコは俺達に気づいた様でこくりこくり首を縦に振っていた。ホワイトは会えたのか嬉しいのか持ち上げて肩車をしていた。

 「トラコさんは釣りで来たんですか?」


 「……うん、ワカサギ釣り」


 ホワイトが小さい子に尋ねるとトラコは静かな声で受け答えをしていた。

 「トラコちゃんよかったら私達と一緒に来ないかしら?」


 「……うーん……いいよ」


 金髪の美女がお誘いすると少し考えると頷く俺がリーダーなのでPTを誘うと入ってきてくれる。やはりトラコは恥ずかしい様でダークの近くに行くとローブの端を持って付いて行くみたいだった。

 町から下に行くと大きな湖があり冒険者が何組か着ていた。

 「来たのはいいですがどうするんでしょうね?」


 「ユキちゃん掲げるって書いてあったでしょう」


 そうだったクエストには掲げろって書いてあったんだった。鞄から黒い鍵と白い球体を取り出して空に掲げてみると10分立っても何も起こらなかった。

 「何も起こりませんぞ」


 「ゆっきーちょっと貸してみ」


 ダークさんに渡そうとしたら2つ共水の中に落としてしまい心臓が悪い意味でドクンとする。

 「あー、落ちてもうた」


 「うーんと……クエスト品が無くなったって事は最初からやり直しなのかしら?」


 ティファに言われると胸あたりがまた重くなる。でもそんな心配はなく落ちたところから光りが溢れ出していた。

 「なんや?光が俺達の周りに纏わり付いて行く」


 光の玉に入るように6人の体はすっぽり入ると球体は動き出す。閉じ込められた俺達は成す術もなく動き出す方向湖の中に引きずり込まれる。

 「何か怖いですぞ」


 「あっちに何か光が見えますね」


 白い巨体がブルブル震えていると黒髪の青年が光っている方向を指差す。さっき落ちた黒い鍵が目の前に来るとガチャリという音と共に光が割れるとそこには空気が入った村が広がっていた。


 降り立つと土の感触にホッとするが上を見上げると水に覆われておりワカサギが何匹も泳いでいた。村人の一人が俺達に近づいてくる。

 「上の人が来るなんて珍しい32年ぶりだよ、始めまして私は水村ヒバラの3代目村長です。よろしくお願いします」


 「すごい綺麗な町ですね、現代社会より発展しているんですね」


 若い男が礼儀正しく挨拶をすると俺は回りを見渡す、町はサンピオーシャタウンの様にペンギンが村の生活を支えていた。

 「冒険者さんも何人もいますからね、始まりの町というところで食料を調達しに行くんですよ」


 「ちょっと待ってくださいここから始まりの町は近いんですか?」


 若い男の発言に俺は驚いていた。だが首を横に振る。

 「私達はチケットみたいなものを破ったら行ける様になりましたよ」


 どうやら同じみたいで安心をする。最初に教会に案内するとワープ画面に表示される様になった。クエスト内容も変わっていた。

 「皆さん新たなクエストが更新されたみたいです。山形県に住んでいる一つ目族が守っている池の宝石を手に入れろって書いてありますね」


 「今度は山形県か池と一つ目族って何なんやろう?」


 俺が新たなクエスト内容をみんなに伝えると赤髪の小学生が首を傾げながら考えていると村長が会話に混ざってくる。

 「丸池様伝説はご存知ですか?」


 俺達は始めて聞く名前に首を横に振ると村長の話をもっと詳しく聞く。

 「戦国時代、戦で若い男が目を射抜かれたらしい、三日間、目を射抜いた者を探し惨殺した。その時に体や目を洗ったのが丸池様というところらしいよ。その時からそこに住んでいる生物は片目しかいなかったみたいだ。近くに神社があってねそこに奉納されている物が瑠璃ノ玉という宝石みたいだよ」


 「完全にそれやん、みんな行こうぜ」


 「行くにしてもまだ水の中よね?」


 ダークはすぐ行きたいのかそこらへんを走り回ると冷静なティファが指摘をする。黒髪の青年がマップを見ながら確認しながら喋る。

 「いや行くにしても、これここから200キロなんですが……」


 「200キロ何日掛かるんやろ」


 ダーク・アランは溜息を付くとティファが提案をしてくる。

 「始まりの町でタクシーしてくれる人探すしかないわね」


 「たしかにそれはいい考えですね」


 俺はティファの意見に頷く。すぐに出発する事になり始まりの町にワープしようとしたら何も起こらなかった。

 「何も起こりませんぞ、まさか壊れたんですかな?」


 「いやいや、それはないやろ」


 ホワイトはメニュー画面を何回もクリックしているが一向にワープが発動しなかった。すぐに村長がその理由を語り出す。

 「待ってください、今日はお祭りでしてね魔法機能は全てオフになっています」


 たしかに町は活気があり出店みたいな者が道に沢山あった。その前に魔法機能全オフというのはどういう事なんだろうか。

 「魔法機能全オフってどういう事ですか?」


 「なぜかわかりませんが、この日だけは全ての魔法が停止する日なのです」


 ダークは信じられなくなり呪文を唱えてみると何も発動しなかった。

 「マジやんか」


 「仕方ないわね、今日は休暇と思ってお祭りでも楽しみましょう」


 「そういえばそろそろ夏祭りの季節ですよね」


 ティファは眠いのか村長に宿屋の場所を聞くと少し眠りに行くみたいだった。ダーク・ホワイト・トラコはワカサギを追いかけ回しているのが楽しいのか3人で別なところに行っていた。

 「アランさん俺達も見に行きましょうか?」


 「そうですね行きましょう」


 売っている者は魚料理が多かったが食べてみると、どれも美味しかった。村の外れには村長が悲しそうな顔をしていて望遠鏡みたいな物で水の中を覗き込んでいた。

 「村長さんどうかしたんですか?」


 「実は32年前に行方不明になった兄がいるんですが元気にやっているかと思いまして、ここから覗いていたんですよ」


 俺も覗かせて貰うと驚いてしまった。水を突き抜けて地上の画像が見えたのだ。

 「これってどういう事ですか?」


 「昔の鳥居や墓石にカメラを設置したんですよ、たまに水位が下がると、それは地上に出るんですがその時の映像がここで見ている物になるんです」


 「いやーすごいですね」


 黒髪の青年はこの技術に驚きの声を上げる。魚料理を食べながら水の中を見ていると何か不思議な気持ちにはなった。


 時同じく山形県山林には茶髪の少女は大きな一つ目族の女と会っていた。

 「久しぶりファーストアイちゃん元気にしてた?」


 「マッドナースの貴様がここにいるとはな何か用なのか?」


 一つ目の女はセスティアを憎悪の対象として睨み付けていた。

 「何まだ根に持ってるの?あれはね人類の為の実験だったんだよ」


 「ふざけるな、同胞を何匹も捕まえて殺した貴様が……」


 ケラケラ茶髪の美少女は笑うとファーストアイは大きな手で持ち上げる。

 「まあまあ落ち着くギョ」


 森に似合わない魚みたいな生物が止めに入る。

 「何だと?なぜサハギン王貴様がここにいるんだ?」


 「正式にこの組織に入ったんだギョまだ構成員に過ぎないけどもギョ」


 大きな手で握り潰そうとしてた茶髪の女を地上に降ろすと同じ体の大きさのサハギン王を睨み付ける。

 「あれサハさん帝国作ったんだよね?管理とかいいの?」


 「鬼姫殿が来てくれたギョ」


 鬼姫という名前にファーストアイはビクリと反応をすると怖いのか肩をカタカタと揺らしていた。

 「サハギン王よ、よくこんな者達と組めるな?異種族大虐殺事件を忘れたのか?」


 「忘れてはいないギョ、だが新たな敵が現れたギョ、冒険者と言う奴らだギョ」


 嫌そうな顔をセスティアに向けるとサハギン王を軽蔑した顔で見る。サハギン王は新たな敵を警告しようとする。

 「冒険者よりお前等のとこにいる人食いトリオが一番危険だろう?それにそこの狂った科学者もな」


 「ひどいなあ、僕をあんな変人達と一緒にしないで欲しいよ、ご飯だって人間と変わらない物しか食べないのに、そういえばサハさんあの薬持って来てくれた?」


 「持ってきたギョ、これだギョ」


 サハギン王は背中に背負っている大樽を床に置く。

 「なんだそれは?」


 「凶暴薬という物かな、これは本当にすごいんだよ、いやでも普通の人が飲んでも体が爆発するだけどね君が飲めば今の3倍は強くなれるんじゃないかな?」


 セスティアが恐ろしい事を説明すると怒ったのか殴りかかってきた。すぐにサハギン王が前に立ち抑えようとする。

 「そこまで怒らなくてもいいのにね」


 「ファーストアイ落ち着くギョ」


 「ぶち殺す、どけサハギン王」


 茶髪の美少女は悪びれも無く髪の毛を弄っているとサハギン王が抱えて逃げ出すとファーストアイの叫び声が聞こえてきた。

 「あそこまで怒るのかあ」


 「当たり前ギョ、その前に何か細工はしたんギョ?」


 あっけらかんにしているセスティアにサハギン王は尋ねると、お姫様抱っこされている美少女は狂気の笑顔になりながら喋るとサハギン王は背筋が寒くなった。

 「フフ、まあね丸池様には面白い薬品を混ぜておいたよ」


 恐ろしい女だとサハギン王は確信をした。絶対に敵に回したらまずい相手だと本能が言っていた。

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