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現実世界+オンラインゲームの世界=????  作者: 雪猫
第二章 現実世界の異変
28/31

26日目 東北異聞 福島 金山町伝説 上

 8月11日朝、目が覚めると白い巨体があって別の意味でドキっとしてしまった。すぐに体を起こし茶の間に行くとアラン・ティファが起きていて祖母と一緒になって朝御飯を準備をしていた。

 「ティファさんアランさん早いですね」


 「ユキちゃん、そろそろ朝御飯だからダークとホワイト起こしてきてくれる?」


 「ユーくん祖父ちゃんと叔父さんも眠っているから起こしてきてね」


 ティファと祖母に頼まれたのですぐにホワイトの元に向かうとまだぐっすり眠っていた。いつも被っているタイツを脱いでいるが肌が白くてどれが顔かわからなかったが肩を揺らし起こしてみる事にした。

 「ホワイトさん朝御飯ですよ」


 「ムニャムニャ、ユキさんおはようですぞ」


 白い巨体はむくりと起き上がると横に置いてあったタイツを被ると茶の間に向かっていった。ダークはたしか祖父と一緒に寝たので違う部屋に覗きに行くと祖父が丁度起きていたのでダークの事を頼んで叔父さんの部屋に行く事にした。

 「叔父さん朝御飯だって」


 「ユー君かい?久しぶりだね、わかった向かうから食べておいて」


 ダークもどうやら起こされて眠いのか目をゴシゴシしながら茶の間に向かっていたみたいだった。茶の間に到着すると卵三昧のご飯がお出迎えをしてくれて俺・ダーク・ホワイトは驚く事になった。

 「よく卵なんか手に入ったね」


 「うちにニワトリいるじゃない、もう生まないと思ったんだけど見たら沢山生んでたのよ」


 へぇ、あの鳥がなあと思っていると久しぶりの卵料理の美味さにダーク・ホワイトは涙を流していた。食べ終わると準備をしてヒコウペンギンを呼び出す、そうすると叔父さんは大興奮をしていた。

 「すごいね、これってペンギンだよね?」


 「叔父さんこれはヒコウペンギンって言って乗り物なんです、ですが今は取れないアイテムの一つですね」


 叔父さんは欲しかったのか俺を質問攻めにするが、冷や汗をかきながら説明をすると残念そうな顔をしていた。

 「それじゃ祖父ちゃん婆ちゃん、また遊びに来るから」


 「いつでも来るんだぞ」


 祖父と強い握手をすると空高く飛び上がった。ティファ・アランもどうやら抱きしめながら別れの挨拶を祖母としているみたいだった。

 「じゃあ、出発や」


 「でも地図ないですよね、どうしましょうね」


 「ユキちゃん、よく見てみてマップが変わっているみたいよ?」


 ティファに言われて俺はメニュー画面を開くと福島の地図が画面に広がっていた。多分この青い点が俺達だとすると、この南西にある湖の赤い点のところが次の目的なのかもしれないと思い地図を見ながら向かう事にした。


 10分くらい飛んでいると手綱を握っている手が疲れてくる。でも離す勇気は無くもっと力強く握ると手が少し痛いような気がした。30分が立つころになると駅のホームが見えたので丁度がいいので降りる事にして、ここから歩いて目指す事にした。会津桧原駅(あいづひのはらえき)と書いてある。

 「アイヅエバラ駅ですかね?」


 「ユキちゃんヒノハラだと思うわ」


 福島県民なのに間違えてしまった事に顔が熱くなっていた。でも二本松市と違って山が多い事にびっくりしてしまうダークは自然が好きなのではしゃいでいるが、俺は一刻も早く人がいるとこに行きたかった。


 道路を道なりに進んでいると黒い生物がノシノシと歩いていて俺達に気づいたみたいだった。ツキノワグマがいきなり襲い掛かってきた。すぐにアランが前に行き盾でガードするが、熊は力強く黒髪は青年は吹き飛ばされていた。


 でもどうやらダメージは低い様でHPにはあまり変動したところが見当たらなかった。すぐにダークのブラッドファイアを出すと火は怖いのか一目散に鳴き声を待ち散らしながら逃げていった。

 「いきなりで怖かったですぞ、アランさん大丈夫ですかな?」


 「私もびっくりしましたよ、吹き飛ばされたからダメージ大だと思っていました」


 黒髪の青年はホワイトに起こされると土が着いた場所を手で払いのけていた。ティファは何かを考えているようで口を開くと不思議な事を言い出す。

 「さっきの熊さんはモンスターじゃなかったからダメージが低かったのかしら?本当だったらかなりの大怪我よね?」


 「たしかにな、あと火はやっぱり苦手なのかもしれんな」


 こちらの生物の大半は火が苦手である。あちらの世界だと人間に対抗していたのかブラッドファイアを食らっても怒り出す。そんな事を考えると森道から住宅街の町に出る、ここは何処あたりなんだろうか散歩をしているお爺さんがいたので尋ねてみる事にした。

 「すみません、金山町に行きたいんですが、こちらの方向で合っていますか?」


 「合っているよ、でも昨日から何か様子がおかしいみたいだからあまり行かん方がいいと思うんじゃ」


 俺の質問に丁寧な説明で返してくれるが、どうやら何かあったみたいだった。

 「お爺さんおかしい事って何があったのかしら?」


 「蛇の顔なのに人間の様に二足方向の生物がいきなり現れてのう、町を制圧してしまったそうじゃ」


 お爺さんの説明に俺はダークの方を見ると、どうやら赤髪の小学生も気づいているみたいだった。

 「お爺さんありがとうございます」


 お礼を言うと俺達は歩き出すと俺はダークに尋ねてみる事にした。

 「これってもしかしてスネーク族ですか?」


 「うむ、何か嫌な予感がする」


 ダークがブルっとすると金山町の空は紫色になっていた。ふと俺はいい事を思い付く。

 「今って電車走ってないから線路から移動するといいかもしれませんね」


 「あ、そっかそこは盲点やったな」


 丁度踏み切り近くに来ていたので、思い出すように喋る。線路を歩くのは少し抵抗があったが山道を歩くよりはましなので、そこは常識に囚われないようにする。

 たしか祖父ちゃんの話によると早戸駅から行くと近いと言われたので路線図を見て確認しながら行く事にした。電車道なので途中かなり暗いトンネルがあったときは、ものすごく怖かったがアランが手を引っ張ってくれたので安心しながら行けた。


 疲れた時は駅のホームで休めばいいのだが、ここら辺は無人駅みたいで屋根つき休憩所はあるが、あまりお手入れされていない為か虫とかトカゲとかが入り込んでいた。泣きそうになりながらも木の椅子に座り込む休憩したらまた線路を歩いていると3駅くらいで念願の早戸駅に到着した。

 「長かったですね」


 「そやな、よし行こうか」


 南に進んでいくと温泉街が広がっていた。だがやっているところは少なく観光客もあまりいなかった。

 「何か勿体無いよな」


 「そうね、まあ今は仕方が無いでしょう」


 ダークは周りを見ながら喋っていると金髪の美女は汗をぬぐいながら話す。また歩き出すと川の流れる音と人の話声が聞こえてくる。

 他の冒険者もいるようで4PTが話し込んでいるみたいだった。あの白髪の美女が仕切っているみたいなのでリーダーなんだろうかとよくよく見てみると知っている顔が3~4人いる。

 「あれジャンヌとリーユじゃない?」


 「ティファさん皆さんもこのクエスト受けたんですか?」


 白髪の美女は俺達に気づくと嬉しそうに近づいてきた。緑髪の子がいきなり飛び出してきたと思ったらティファを強く抱きしめていた。

 「お、お姉さま、会いたかったですわ、いい――――」


 顔をティファの服に近づけて何かを言う前に拳骨が鳴り響くと緑髪の子は気絶したみたいで白目を向きながら仰向けに倒れる。

 「あかん、こいつ学習しないんやな」


 「面白い人ですな」


 倒れたリーユをダーク・ホワイトが木の棒でつついていた。アランはMotherKureaの他二人と話し込んでいた。

 「ジャンヌさんもクエストを受けてたとは思ってもいませんでした」


 「タクシーして貰って来る事が出来たんですよ」


 タクシー久しぶりの言葉に目が点になるが車はたしか使えないのに何でだろうと考えていると白髪の美女が笑いながら喋る。

 「ユキさん車のタクシーじゃないですよ、リーダーのところにワープ出来るのはわかりますよね?それを使った面白い方法なんですがお金を払う事によってPTを組んでくれる人が現れたんです」


 「へぇ、ユキちゃん残念だったわね」


 そんな稼ぎ方があるのかあと思っていると金髪の美女が少し笑いながら耳打ちをしてくるとドキっとしてしまう。

 「それで私達がここに来たんですわ、でも問題点が合って話し合いをしてたんですわ」


 「問題点ですか?」


 緑髪の子はどうやら復活してたみたいでさっきまでの経緯を俺達に話し出す。

 「そうですわ、実は黒包丁クエストを覚えていますか?」


 「黒包丁クエストと今の現状って何か関係があるんですか?」


 俺は驚きながら緑髪の子に尋ねると頷く。

 「あの時先行していた4PTが行方不明になったらしいですわ、フレンドリストを確認してTellを送ろうとしても何かに遮られるようですわ」


 先行していた4PTというとダークが橋の上で話しかけていた女冒険者の事だろうか、赤髪の小学生も気づいたようでフレンドリストを凝視していた。

 「本当や、あの綺麗なお姉さんに連絡しようとしたら送れませんって出るな」


 「ダークさんよくあの短時間で連絡先交換しましたね」


 黒髪の青年はダークの行動に驚いているみたいだった。すぐに白髪の美女が説明を始める。

 「丁度うちのメンバーで親友だった子がいましたね、調べまわっていたのと注意喚起をしていたところなんです」


 「そうだったんか、でも今現在ここ通ったのって何組くらいなん?」


 「情報に寄るとすでに30組のPTが金山町に入っているらしいですわ」


 白髪の美女がアランと話してた子を指差すと気づいたようでぺこりと頭を下げていた。

 「ジャンヌ、ティファお姉様も来た事だし突撃してみるのはどうかしら?」


 「そうですね、ティファさん達お疲れではないですか?」


 「大丈夫よ、蛇狩しましょう」


 リーユが言うと金髪の美女とジャンヌはお互い頷くとみんなと話し合いをして最初に突撃する事になった。

 「ティファさんまた湖で会いましょう」


 「お姉様たち、ご無事で」


 4人の女性は頭を下げると全速力で橋の向こうに走り出した。3PTも5分毎に出発をすると俺達の出番になった。守護呪文を掛けておいてホワイト←ティファ←ユキ←ダーク←アランで突撃をする事になった。

 道は広く走っていると所々で戦闘をしているみたいだった。すると田んぼ道に出るとスネーク族2匹が俺達を襲ってきた。田んぼの中だったせいか足場が安定しなくもたついていると、スネーク族がホワイトを連続攻撃をしていた。

 「うーむ、足場がきついですぞ」


 「ぎゃー転んでしもた」


 赤髪の小学生は紫のローブで一生懸命前に進もうとしていたが泥で足を取られたせいか思いっきり前倒れに倒れていた。ティファは最初は悪戦苦闘していたが環境にもう馴れたみたいで鎖鎌で1匹のスネーク族を牽制していた。

 緑2体だった事もあり、すぐに1体は倒すがスネーク族の素早い動きに翻弄される事になる。それでも泥だらけになりながらも白い巨体がハンマーを振り回すと体にヒットし少し動きが鈍る事になった。

 「今がチャンスですぞ」


 「わかったわ、ユキちゃん同時攻撃行くわよ」


 ティファの鎌六風撃で攻撃した後に俺のビーナス斬りが決まるとHPが0になったみたいで絶叫を上げ塵となって消える。

 「ふぅ、とりあえずは終わりましたね」


 「終わったな、いやーでも田んぼの中では絶対戦いたくないわ」


 5人は田んぼから上がると服に付いていた泥を落とすと道路の道に戻っていく、どんどん進んでいくと金山町中央広場に出ると冒険者が陣を作っているみたいだった。ジャンヌがいる様で手を振って俺達を呼び止める。

 「皆さん無事ここまで辿り着けたんですね、よかった」


 白髪の美女は俺達の無事を見て安心しているみたいだった。他の冒険者は木の防衛柵を立てていた。

 「やはり町って占領されているんですか?」


 「避難していた人の話に寄るとそうみたいですね」


 ジャンヌは地元の人を指差すと説明を続けた。町長らしい60代の男がこちらに近づいてくると何かをぶつぶつ呟く。

 「沼御前様の呪いかもしれないのじゃ、今年は湖水祭りが開催出来ない事もありお怒りになったのかもしれん」


 「湖水祭りって何ですか?」


 初めて聞く名前に俺は不思議そうに町長らしき男に尋ねると暗い表情のまま説明をし始める。

 「大蛇を鎮めた若者が毎年8月第一日曜日に祭りを開く事に寄って怨念を封じてたみたいなのじゃ、じゃが今年は大地震があり祭りの準備をしようにも出来なかったんじゃ」


 町長らしき男は恐怖の表情で語ると寒いのか毛布を被り始めていた。

 「あまりの恐怖でおかしくなったんかな?」


 「どうなんでしょうね、それで湖ってどうなってるんですか?」


 「湖は無くなっていましたわ」


 湖の様子を白髪の美女に聞くと見掛けなかった緑髪の子がいきなり後ろから現れる。

 「無くなったですぞ?どういう事ですかな?」


 「大きな白蛇に寄って湖の水は全部飲み干したらしいですわ、白蛇は大きくはなったのですが10mくらいです。真ん中にいるのは確認したんですがスネーク族が厳重に守っているみたいですわ」


 今見てきたみたいで息を切らしながらリーユが喋ると喉が渇いてたのか白髪の美女が渡した水を一気に飲み干した。

 「今回のクエストは完全にここですよね?」


 「そうですね」


 俺が同意を求めるとアランが大きく頷く。どうやら作戦を練っているようで見知らぬ男が指揮を執っていた。

 「あいつ……」


 「ダーク知っているの?」


 ダークが目を細めながら深刻な顔をすると金髪の美女が赤髪の小学生に聞いてみた。

 「いや見たことないやつやなジャンヌ知っているんか?」


 「いや……初めて見ますね」


 近くに行くと遠くて服は見えなかったがなんと裸で海パンを一枚しか履いていなかった。

 「すみません指揮を執っている方ですか?私はジャンヌと言います」


 「ジャンヌさんですかお噂はかねがね聞いていますよ私は【愛酒】副ギルドマスター、コウボ・ミドリムシといいます。よろしくお願いします」


 「愛酒って言うと日本生産5大ギルドの一つのところだよな?」


 ジャンヌは怖がる表情を見せずに海パンの変人に話しかけるとコウボは礼儀正しく挨拶をする。するとダークが知っているみたいで反応を示す。

 「愛酒ってあの酒場を取り仕切ってった言う生産ギルドでも有名なところですよね?」


 「そうなんですよ最初のクエストで訪れた場所で二本松の奥鬼酒(おおおにざけ)を手に入れたまではよかったんですが金山町の沼蛇酒がなんと湖の近くの倉庫にあるって言うじゃないですか、早く飲んでみたいので私が指揮を執っていたんですが、やはり戦いの経験はあまりないので中々進まないでいますね」


 本当にお酒が好きみたいで二本松市で手に入った物を見るが一回も見たことがなかった。プレミアム商品なのだろうか、すぐに緑髪の子が提案をする。

 「じゃあ、私達に指揮を任せてほしいですわ」


 「お願いします私も戦えますので作戦が決まったら教えてください」


 海パン男は背中にモリみたいな武器を背負って準備体操を始めていた。ティファ・ジャンヌは作戦を練るために色々な話をしているみたいだった。

 今日は沢山歩いた為もう暗くなっており、作戦を練り明日に備える事にした。近くにキャンプ場があるのでテントがあって草むらで寝ない事を安心したが山の中は虫が多くてイライラするも眠気が来て眠る事にした。

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