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現実世界+オンラインゲームの世界=????  作者: 雪猫
第一章 新たな世界が少し落ち着くまで
22/31

21日目 サンピオーシャタウン 防衛戦 下

 所変わってサハギン船団、忍装束の女は月を見ながら、たそがれていた。そんな彼女を見て大きな魚人は話しかける。

 「イチ殿、第一段階は成功したギョ」


 「サハギン王、わかっています。こちらの被害の状況はどれくらいなのでしょうか?」


 サハギン王は笑いながら喋ると、サンピオーシャタウンの方角を冷たい目で見ると考えるように話し出す。

 「こちらの被害は2000万くらいギョ」


 「冒険者、意外と頑張りますね、もう少し減らせると思ったんですが……」


 サハギン王は酒樽を飲み干すと機嫌がいいのか饒舌に話す。

 「それでも大成功には違いありませんギョ」


 「そうですね明日の朝に、また決行でいいですか?調度霧もその頃には晴れているでしょうしね」


 「第2段階ギョね、楽しみだギョ」


 またもや酒樽を口に入れてグビグビ飲むと上機嫌になる。酒が切れたのか倉庫に向かうとイチという少女は呟く。

 「フフ、いい実験になりそうね、冒険者連合が勝つか、サハギン軍団が勝つか見物ね」


 土の上で目を覚ます、どうやら朝だったみたいだ起きると、みんなはすでにテントの外に集合しており深刻な顔をしていた。

 「あの何かあったんですか?」


 「ゆっきーおはよう、実はな、霧は晴れたんやけど前見てみ」


 ダークが指差す方を見ると、船を鎖で繋いだ大船団が目の前に広がっていた。あまりの圧巻の景色に驚いてしまう、

 「もしかして戦闘開始していましたか?」


 「いやまだやな、30分前に姿を現してな、今硬直状態や」


 どうやら先頭ではエヴィルとメアリーが敵の船団を見ながら話し合っているみたいだった。

 「よくあるじゃねぇか、火攻めとかどうだろうか?」


 「今回はその案は却下だな」


 エヴィルを首を横に振るとメアリーは怒りの顔になっていた。

 「あぁん?何でだ、あんなに並んでいるなら火をつけさえすれば、イチコロじゃねぇか?」


 「風もあちらに吹いて有利だが相手は水のサハギンだ、海の中に行かれては、こちらが不利だ」


 どちらも意見を曲げなかったので睨み合いになるが、ティファが止める。

 「二人共、止めなさい」


 「ティファ君の、意見も良かったら聞きたいな」


 エヴィルに指名されると溜息を着きながら話し始める。

 「今回はエヴィルさんの意見に賛成です」


 「だそうだよ?メアリー君どうかな?」


 エヴィルは同じ意見だったティファに喜んでいるみたいだったが、メアリーは面白くないのかムスッとしながら頷く。

 「しょうがねぇな、お前が今回の大将だ従うよ」


 「作戦の要はポイズンブリザードだ」


 「ポイズンブリザード?」


 俺はその作戦を聞き返してしまっていた。ダーク不思議そうにも首を傾げ尋ねてみる。

 「兄さん、どういう事なの?」


 「その時になったら話すよ」


 エヴィルはそう言うと離れて行き、ポイズンブリサードを使える人を集めているみたいだった。

 「まあ大丈夫やろ、あの人も無駄な作戦を立てる人じゃないからな」


 ダークはいつもの喋り方に戻っていた。アランが疑問に思う事を話し出す。

 「こちらは船とか作らなくてもいいんですかね?」


 「槍用の屋根作るのに精一杯やし、相手が諦めて突撃するのを待つしかないのかもしれんな」


 赤髪の上学生は疑問点に答えるとアランは納得した様に頷く。どうやらエヴィルが魔術師を真ん中に集中させているみたいだった。

 「メアリー君そろそろ開戦しようと思う君の部隊はただ突撃すればいい」


 「ちょっと待てよ、槍降ってくるかもしれねぇんだぞ?」


 エヴィルの無茶な提案に灰色髪の女は怒ったように吼える。

 「まあ信じなさい」


 薄い青髪の男は薄ら笑いをしている。何か作戦があるんだろう。嫌々ながらもメアリーは先頭に立つと突撃をし始める。それに続いて俺等も着いて行くが無謀な突撃で気づいたのかサハギンが投槍機(とうそうき)を上に向けると撃ってくる。


 槍の雨が降ってくる瞬間空が紫色に変わる、どうやら魔術師組のポイズンブリザードが展開したみたいだった。その光景にサハギン・突撃した冒険者は釘付けになっていた。

 紫の氷は厚い氷になると槍はその上に刺さり、どうやら海面も凍らせているみたいだった。上の氷と合わさって土管の様な形になっていく。

 固まった氷はだんだん色が落ちて行き綺麗な青色の氷になった。紫だった部分は下に流れていき海は紫色になっていた。

 「どうやら成功したみたいだね、環境には悪いが仕方ないかな、これで槍も防げてサハギンは海には行けなくなった」


 エヴィルすぐにメアリーの横に来ると説明をし始めた、灰色髪の女は少し感心をしているみたいだったが少しなぜか震えていた。

 「本当に、お前が敵じゃなくて安心するわ」


 土管を通りサハギンの船上に出ると大乱戦になった。サハギンは槍の攻撃を諦めてないらしく後ろに撃っていたが、屋根を作っていた為防ぐ事に成功をしているみたいだった。

 どうやら俺達の方にもサハギンが2体襲ってきたトサカの形は□だった。

 「□2体ですね、サハギンもどうやら本気みたいですね」


 俺はそう言うと、みんなの顔も引き締まる。アラン・ホワイトが同時に突撃して1体を受け持つみたいだった。金髪の美女がシルエットソングを歌うと、みんなが少しぼやけ始めると、メイ・リサ・ドンはアランが受け持った敵に集中砲火を与えていた。


 ダークは大技を使えない為、状態異常攻撃を均等に与えていた。俺もホワイト・アランにだけ回復合わせずに回りで減っている味方がいたら回復するように努める。


 本当にエヴィルはすごいとしか言えなかった。メアリーも一人で5体を相手にしているのだが、エヴィルは倒すスピードがものすごく速く技が綺麗だった。

 「さすが凍静のエヴィルね」


 ティファは感心している様に話すと、ダークは目を逸らしているみたいだった。ドンの脳天撃ちとティファの分銅投げが決まると□のサハギンは塵になって消えていく。すぐにホワイトが受け持っているサハギンに向かう。


 もう1体のサハギンを倒す頃には優勢になっていた、どんどん突撃組がサハギンを倒していくと逃亡する者も現れていた。アランは汗を拭きながら喋ると、ティファが考えていた。

 「ふぅ、ここまで来れば安全ですよね?」


 「うーん」


 「どうしたんや?」


 ダークは不思議そうに尋ねると金髪の美女が、

 「何か物足りないような気がするんだけど大丈夫かしら?」


 「大丈夫や、お前は心配しすぎや」


 ダークは杖でサハギンの頭を殴ると、そんな事を言う。

 「大丈夫也、ここまで倒せば後はすぐ也」


 「お姉さんも、そう思うわ」


 「そうだぜ」


 ドンは撃ち続けながら喋ると血だらけのエルフ女と眼鏡男はティファを落ち着かせる。

 「でもサハギンは何であんなに後ろに撃っているんでしょうね?」


 「やっぱり補給とか絶つ為じゃないでしょうか」


 俺もティファの言葉で不安になってそんな事を漏らすと黒髪の青年が大丈夫と言う。本当に大丈夫なんだろうか何か嫌な予感がする。

 考えていても始まらないので殲滅をし始める、サハギンも防御をしているみたいだったが攻撃に加わっている化け物二人には敵わずどんどん減らされていく。


 すると前の方から大きいサハギンが現れたと思ったら大きな槍を振り払い冒険者がすぐに倒されるとエヴィルとメアリーの顔に緊張が走った。大きいサハギンはエヴィルとメアリーを睨みつけると口を開く。

 「これが冒険者かギョ、俺の名前はサハギン王お前等を支配する者の名前ギョ」


 驚いた事に人の言葉を喋ったのだ。すぐに倒された冒険者の前にエヴィルが立ちはだかると支援班が蘇らせていく。

 「サハギン王よ、引いては貰えないんだろうか?」


 「お、お前エヴィルふざけるな、こいつは俺達の敵だぞ、ぶち殺さねえといけねぇだろうが」


 驚きのエヴィルの提案にメアリーはぶち切れるがサハギン王は大笑いをするだけだった。

 「引くギョ?馬鹿は休み休み言えギョ、お前等が降伏するまで引く気は――――」


 サハギン王が何か言う前にエヴィルのトンファーが顎を打ちつけるがあまり効いてないみたいだった。

 「冒険者にしては痛い攻撃をするギョ、少し遊んであげるギョ」


 そういうと大きな槍をエヴィル・メアリーに撃ちつけると防いだ二人は吹き飛ばされた。

 「おいおい、ふざけんじゃねえぞ、レイドボス並じゃねぇか」


 「全くさすがに俺も本気で行くしかないみたいだな」


 二人はどうやら口から少し血が出ているみたいだった、始めて怪我している大きな女を見る、そこまで強い敵だった。

 苛烈な打ち合いになると、みんなはその戦いに魅入られていた。次元が違う戦いに二人とサハギン王はぶつかっていくが、どうやらメアリーは限界らしく後ろに倒れていった。

 「ちくしょう、何で俺がこんな魚野郎に……」


 すぐにメアリーの部隊が背負ってその戦いから離れる。どちらも攻撃を緩めなく顔は笑っている様だった。

 「お前面白いギョ、ここまで持つなんて久しぶりギョ」


 「さっさと倒れやがれ」


 エヴィルは汗を掻きながら攻撃を加えているがサハギン王はまだ冷静だった。突然何かに気づいた様にサハギン王は止まるとエヴィルも攻撃を止める。

 「どうやら第2段階準備完了をしたみたいギョ」


 その言葉にエヴィルは強張るとすぐに大きな声で叫ぶ、

 「みんな引け、これは罠だ」


 後ろに向かって撤退をしようとした瞬間大きな地響きが起こる、波は荒立って船はグラグラ動いている。みんなは船にしがみ付くしかなかった。

 「何が起こっているんや」


 「わからないわ、とりあえずは逃げましょう」


 撤退した後ろではサハギン王の笑い声が聞こえてきた。一人の冒険者がサハギン王の方を見て叫び声を上げるとみんなが後ろを向く。

 「おいおい、嘘だろ?」


 「まさかこれを狙っていたなんて、お姉さんも驚愕よ」


 ダークが震えだすとPTメンバーは逃げるのを止めて、その場に座り込んでしまう。俺も前を見るとそこには絶望が広がっていた。

 「まさか大津波を起こせるとは……」


 俺はそんな言葉を喋ると大津波は船とサハギン王を飲み込んでいく、こちらにだんだん近づいていた。 逃げられないと思った俺達は手を繋いでその恐怖から目を逸らすだけだった。まさか二度目の死がこんなに早くやってこようとは思ってもいなかった。


 飲み込まれるとあまりの息の苦しさと体が変な風に曲がる音で気を失う。気がつくとサンピオーシャタウン西の教会にいた。どうやら大騒ぎになっているみたいだった。

 「ゆっきー起きたんか急いで避難や」


 俺はすぐに起こされて協会の外に行くと、そこにはサンピオーシャタウンの面影は残ってなく殆どが水没していた。

 「どうやらエヴィルが食い止めるらしいから私達は急いで逃げましょう」


 「ちょっと待ってください状況が飲み込めないのですが」


 ティファも焦っているみたいだった、すぐに俺の手を引っ張って逃げようとする。

 「100万もいた冒険者は90万人は死んで始まりの町に戻ったらしいわ、NPC人は全滅したみたいよ……」


 「それでな、俺達ここの教会で登録したやん、もしここで戦闘が開始されて殺されまくったら本当に死んでしまうんや」


 恐ろしくなり少し震えてしまう。すぐにアラン・ホワイトが支えてくれて、励ましてくれていた。

 「ユキさん大丈夫ですか?」


 「大丈夫ですぞ?」


 「二人共ありがとうございます、じゃあワープを使って戻るんですか?」


 俺はダークに尋ねると、首を横に振る。

 「実はな、ワープ機能今使えないみたいなんや」


 その発言に驚いているとリサ・ドン・メイも復活したみたいだった。説明をしてすぐにでも撤退をする。すぐにブルサントリー跡に着くと伯爵が出迎えてくれたみたいだった。

 「冒険者の皆さん大丈夫ですか?それでどうでしたか?」


 尋ねられるとみんなは暗い表情になる冒険者の一人が話をするとサンピオーシャ伯爵は少し涙を流し崩れさるだけだった。

 始まりの町からなんとエヴィルがこちらに近づいていた。すぐに来ると喋りだす。

 「すまん、やられた。サハギンがこちらに向かってきているらしい」


 また嫌な事を言うがすぐに知らない面々が姿を現す。

 「こちらアメリカサーバーの皆さんです。ここの防衛と攻撃を手伝ってくれるみたいなので伯爵はここに居てください、逃げてきた人は急いで始まりの町教会に登録をして下さい」


 指示を出し終えるとすぐにサンピオーシャタウンに向かい迎撃をするみたいだった。俺達もすぐに始まりの町に出発をしてモンスターを倒しながら進んでいく東門にはたくさんの人がいた。

 すぐにでも教会に行き登録をし終えるとみんなは安堵しているみたいだった。

 「リサさん、メイすまんな、こんな結果になって」


 「しょうがないんだぜ」


 「お姉さんもまさか津波が来るとは思いもしなかったわ」


 ダークは謝るとボロボロの二人は首を振り別れの挨拶をして帰っていく。

 「今日は疲れましたぞ、それでは皆さん何かあったら妖精さんを呼んでくださいね」


 「我も返る也」


 ホワイト・ドンは手を振ると闇に消えていった。アランも疲れたのか地面に座りだしてしまう。

 「今日はかなり疲れましたね、私もそろそろ帰りますね」


 「私も旦那心配だから帰るわ」


 「ゆっきーまた明日な」


 「皆さんまた明日です」


 そういうと4人は解散をして家に帰っていった。どうやら父・母・弟は無事だったみたいで少しホッとする。


 「結局は、サハギンが勝ってしまったのね」


 イチは船上でサンピオーシャタウンだった物を見て笑っていた。

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