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現実世界+オンラインゲームの世界=????  作者: 雪猫
第一章 新たな世界が少し落ち着くまで
14/31

14日目 魔法人形族

 今日は朝から夕方まで仲間と狩をして、町に帰ると騒がしくなっていた。

 「どうしたんやろな」


 「まあいってみましょう」


 ダークが言うとティファが走り出し俺達も追い掛ける。町に着くと健康体の冒険者と妊婦さんや体が不自由の冒険者が揉めてる感じだった。心臓を抑えている人や妊婦さんが喋りだす、

 「こっちは体に機械を入れたり激しい運動はできねえんだぞ」


 「そうよ気遣ってほしいわ」


 子供だろうか足を無くしているみたいだったその親が泣きながら叫ぶ、

 「こっちは体に障害ある子も育てないといけないの、だから私達の代わりに狩にいって少しでもいいから支援してほしいの何でわかってくれないの?」


 「うっせえよ」


 「大変な時ってこっちも今大変だわ、自分の事だけしか考えてんじゃないわよ」


 「そうだそうだ」


 冒険者側の意見もどうやら白熱しているみたいだった。

 「あの、なにかあったんですか?」


 アランが騒ぎを見てきている冒険者に尋ねると、俺達に気がついた人は説明をした。

 「体が不自由な人と、健康な人が喧嘩しているみたいだね」


 たしかにこのご時勢何もない0からのスタートの時点では体が不自由な人は不利である。自分も支援したい気持ちでいっぱいだが物資が今全然ない状況でその行為は自殺行為である。冷たいようだが一人に支援したら他の人も自分もだといってくるに決まっているはずだ。

 そんなときである違う方向から声が上がる。

「私達がなんとかいたしましょうか?」


 声の方を見ると布で出来た柔らかそうな熊のきぐるみを着た物体が喋っていた。

 あれはもしやハラコの仲間かなと思っていると、どうやら違うみたいだった。他にも仲間らしいのが数体いるが冒険者マークが見えなかった。


 たしか彼等は魔法人形族という種族。人形やぬいぐるみが古代魔法の力で動いている、治癒機能があり趣味は人助けであり困っている人がいると助けるにはいられない種族という設定のはずだ。

 他の種族との衝突はあまり少ないと言われている、数も普通の人間より少ないが始まりの町には結構な数が住んでいた魔法人形の熊が両手を広げ喋る、

 「私達だったら少しなんとかできるかもしれません」


 体に機械を入れた男が怪訝な顔で熊を睨む、

 「なんだこの化け物は?」


 「きゃー」


 「本当に生物なの?」


 妊婦は叫んでいたが障害者の家族の人が聞いてきた、傍らでは冒険者の話声がヒソヒソ声で聞こえてくる。

 「魔人形族だよな初心者に優しく教えてくれるNPCだったはず」


 「相変わらず、キュートだわ」


 マネキンのような女性が喋る、

 「体が悪い人は並んでもらっても大丈夫でしょうか?」


 マネキン男が近づいてきて手を広げ敵じゃないアピールをしてくる、

 「安心してください、私はこれでも治療師なので皆さんの力になるかもしれません」


 機械を入れている人が吼えるように喋る、

 「治療師だあ、なんじゃそりゃ」


 「まあ医者みたいなもんだよ普通それくらいな事わかれよな」


 「なんだと」


 冒険者がそんな常識も知らないのかという顔をすると、機械を入れている人は怒り出す、

 「まあまあ落ち着いてください」


 熊のぬいぐるみが喋りながら手で落ち着いてくださいとジェスチャーすると、子供が障害を持っている親が前に近づいて、

 「せっかくだから息子を診て貰おうかしら」


 息子をマネキン男の前に座らせるとマネキン男は医者の様に男の子を触りだす、

 「息子さんは目が怪我をしていて足を動かせないんですね、それに喉にも怪我をしていて声も出せないのかな」


 「高校生の時に高熱をだしてから、そうなんです面倒見てもらうだけでもいいんです、お願いできますか?」


 マネキン男は笑い出すと、男の子の母親はマネキン男にびっくりしたのか驚いた表情をしている。

 「大丈夫です、これくらいなら治癒呪文でなんとかなるでしょう」


 「え?どういうことですか?」


 障害者の家族さんは首を傾げる、マネキン男の手が光りだす。

 「まあ見ていて下さい」


 光を当てると息子さんは少し痛いのか声を出すがすぐに落ちつきだす、すると信じられない現象が起きた。

治癒をかけて貰った息子さんは目をぱちくりさせると、なんと立ち上がったのだ。驚く事はそれだけではなかった息子さんが声を発する。

 「お母さんだよね?」


 これを見た瞬間冒険者の間では歓声が上がる、不自由な体を持っている人達は奇跡だわ、すごすぎるといっていた。

 息子さんの母親は涙を流しながらマネキン男の手を握りしめていた。

 「何かお礼をしたいんですが」


 障害者だった息子さんの母親が言うとマネキン男は、

 「何もいりません私達は皆さんの力になりたいだけなんです。治せない物もありますが頑張りますので私達を頼ってください」


 冒険者の間では治癒でそんな使い方もあったんだなあとか、新たに追加された効果かもしれないなあと言っていた。

 体にペースメーカーや精密機器を入れてる人は機械を取り出して、治癒を1日に1回かければ持つ事や身体障害者の人は脳の記憶の部分は治せないがだいたい治る事、妊婦さんも魔人形の地区にいけば無事に出産できる事が聞けた。


 生まれた時から極度の障害を持ってる人や痴呆症の人は、どうやら記憶の部分に該当するらしく治せないみたいだったが保護できる施設があるみたいだった。その話を聞くとみんなの顔からは笑顔が戻っていた。

 「これはもっと増えるかもなあ、新たな町に拠点移したほうがいいかもしれんなあ」


 「そうね私もそれを思っていたのよ、町ワープシステムもしかしたら使えるかもしれないわよね」


 「たしかに私もそれが気になってました」


 「とりあえずは家に帰還して明日以降考えましょうか」


 「そやな」


 ダークはこの話で人が増えすぎる事を懸念し始め提案をすると3人は頷く、別れの挨拶をするとそれぞれの家に戻る。夏だけど寒気がするもしかして風邪引いたかなと思い家でご飯を食べて早く就寝した。


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