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現実世界+オンラインゲームの世界=????  作者: 雪猫
第一章 新たな世界が少し落ち着くまで
13/31

13日目 扉の開放

 朝起きると、昨日色々な事があり疲れのせいかいつもより体がだるく眠かった。寒気がするような感じがするが気のせいだろうと体を起こし茶の間にいくと珍しく家族3人が揃っていた。

 朝の挨拶をして母が買ってきてくれたパンを食べる。

 「ゆきまだ眠いの?昔はあんなに朝強かったのにね、体に変化があってから中々起きなくなったね」


 「一昨日の作戦で寝ないでやったから何か眠くて……」


 「兄貴聞いた?」


 眠りそうになりながらウトウトしながらパンを頬張ると、弟が話しかけてきた。

 「何を?」


 「【ギルドホール】が開放出来るようになったんだって」


 「ギルドホール何それ?」


 母は興味津々に弟の話を聞く、俺はすっかり目が覚めてしまった。

 「ギルドホールってのは、まあ単純に家みたいなもんかなギルドを作ってお金をみんなで出し合って申請すると出来るものなんだ」


 「へぇ、色々な事が出来るのね」


 「じゃあ俺等もギルド作ろうぜ」


 急に寝転んでいた父親が乗り気になり、話に混ざりこんでくる。俺・弟は首を振りながら喋る。

 「俺は無理だよ、もうギルド入っているしまあ会社みたいな物だし何個も所属出来ないんだよ、だから作るなら3人で作って」


 「ごめん俺も友達に誘われてるから無理かな」


 「ちょっと待ってよ、お父さんと二人で作るとか私絶対嫌だわ」


 息子二人が入らないと聞きやる気を失いかけたところに、母が追い討ちをかける。父は機嫌が悪くなったのか急に立ち上がり自分の部屋に行き、おもいっきり扉を閉じると寝たのか静かになる。

 朝ごはんを食べ今の話をマスターに話をしてみる。

 「マジか何処で開放とか聞いてる?」


 「弟の話によると、始まりの町の何処からしいです」


 「行ってみようか」


 ダークに連絡をした後、母に事情を説明して準備をして始まりの町に移動をする。

 「ダークさんおはようです」


 「ゆっきー来たか、とりあえず二人には内緒で開放に行こうぜ」


 ダークは開放が嬉しいのか俺の手を取って早く行こうと言う。端から見るとお母さんと子供だった。町の中心広場がやけに騒がしかった。

 「なあなあ、おっちゃん何かあったんか?」


 ダークは小学生の子供みたいな声で町の冒険者の裾を掴み尋ねる、

 「ああ、あそこの垂れ幕の中にいるローブ着た男がいるだろう?あいつに言えばギルドホール開放してくれるみたいなんだ、あと俺はおっちゃんじゃ――」


 「ゆっきー行こう」


 おじさんが何かを言う前にダークは俺を引っ張って行く、

 「やっぱり並んでいますね」


 「まあこんなに噂になれば人はいるよなあ」


 2時間半くらいだろか、やっと俺たちの順番になる。待てないのか黒髪の男の子は目の前にいる男に言う。

 「俺達のギルドホール解放したいんやけど」


 「こんにちは冒険者さん」


 色白の男は礼儀正しく挨拶をする、心配をしながらダークは尋ねる、

 「もしかして何かのクエストやらないとやっぱりダメなんか?」


 「いえ、そんな事はありません」


 男は口を開いていないのに喋る、

 「腹話術喋れるんか?」


 「紹介が遅れました私は【クカントビ族】のヤーと」


 男はローブを脱ぎながら後ろを向くと驚く事に後頭部にも顔があった。

 「ヌスです、どうかお見知りおきを冒険者さん」


 ヌスはニコっと笑う、二つ顔がある事に好奇な目で見てしまうと同時に声を上げたくなった。

 「ゆっきーやばい俺叫びそうになったかもしれん」


 「俺もですよ」


 ヌスはまた体を反対にしてヤーが喋りだす、

 「ここは防音魔法で守られていますから、どんなに叫んでも構いませんよまずは開放するに至っての注意事項が何個かあります」



 1に、扉はどこでも設置可能ですが3ヶ月が立たない限りは扉の移動が出来ない。

 2に、家からギルドホールの移動の扉が設置可能になりますがギルドメンバー以外は入れないし、メンバーはホールからメンバーの家に行く事も出来ません。

 3に、他のメンバーを招く場合はマスターor副マスタがOKサインを出さない限りは入室をお断りさせて頂きます。

 4に、基本何処の扉でも設置可能ですが人に迷惑が掛かる場所の設置は止めましょう。

 5に、扉がないところには設置は出来ません


 「ざっとこんな物ですが質問は何かありますでしょうか?」


 ヤーが説明が終わると聞いてきた、

 「とりあえずは、ないな早く開放したって」


 ダークは待てないのか子供の様にぴょんぴょん飛び跳ねている、ヤーはまた後ろを向くとヌスが喋りだす。

 「OKサインが出ましたので契約書をお出ししますね」


 ヌスはそういうと机の紙がカタカタと動き出しダークの目の前に行く、

 「サインする事で契約完了でございます」


 「でもちょっと待てよ、何か対価とかいらないのか?」


 ダークは不思議そうに尋ねる、後で変な物を要求されたら、たまったものではない。

 「対価はもう作った時にお金を貰っていますから安心してもらって構わないです」


 ヌスはまた体を反対にさせてヤーが喋る、

 「お、そういうことならサインしたで」


 「少々お待ち下さい」


 何分が立ち耳元からあの声が聞こえてくる。あの初日で聞いた男の人だ。

 「ギルドホールの開放です」


 「扉をお渡ししますね」


 ヤーはそういうと小さい扉をダークに手渡す、

 この世界のギルドホールは決まった場所にあるのではなく、扉があるところに設置が出来るのだ。

 例えば酒場の入り口に設置すると入るときに、どっちに入るか選択肢が出てくるが一番やってはいけないのがさっきの説明文でも出た扉がないところの設置で、道端や扉がないところに設置しても何も起こらない。

 「何処に設置しようか?」


 「とりあえずは家に設置してから、ティファさんとアランさんに連絡をしましょう」


 「そやな家に帰ってからギルドホールに集合しよう」


 ダークは手を振るとワープをして帰って行った。俺も続くように帰る、駐車場の掃除をしていた母が俺に気がついたのか尋ねてくる。

 「あれユキ帰ってくるの早いわね」


 「また行くからね」


 母親と喋り部屋に向かう、押入れはそんなに使わないのでメニュー画面から扉の設置を押入れに合わせると少し押入れがドスンと音がした。


 開こうとすると、押入れを空けますか?orギルドホールに行きますか?二つの選択肢が出てきた。ギルドホールの開放に胸が躍った。すぐにギルドホールを選択し扉を開いて入ると懐かしい家が俺の目前に現れる。


 ダークが自然が好きという理由で木造の家を選んだ中は広かった。1階には台所、茶の間、お風呂場、トイレがあり一種の家だった。たしか2階には自分の設定した部屋があったはずだ。

 「ゆっきー早いな、おー俺達の家じゃないか懐かしいなあ」


 「これまたすごいわね画面越しの時は小さいと思っていたのに、現実にくるとこんなに広い家なのね」


 玄関の扉が開き金髪の美女が現れる、小学生の男の子はソファーに横になる。

 「俺あっちに帰らないで、ここに泊まろうかな」


 「そうしなさいよ私も旦那がいじけたらこっちに――――」


 ティファが最後まで言う前に黒髪の青年が到着したみたいだった。

 「4人の家だ、私感動しましたマスター皆さん、お久しぶりです」


 「そういやアラ坊と会うの、かなり久しい感じがするな」


 「アランちゃんは一昨日の作戦お呼ばれしなかったもんね」


 黒髪の青年は思い出したのか体をぶるっとする横で、ティファは声を出して笑っていた。

 「ひどすぎる私もマスターピンチってわかっていたら、すぐに向かったのに」


 アランは怒ってるみたいだった、俺がまあまあとなだめる。

 「みんなは何処に扉設置したんや?俺はトイレにした」


 「トイレって何も考えないで設置したでしょ、私は押入れね」


 「おー、ティファさん俺もです」


 「私も押入れですね」


 押入れが多い事にダークは驚いていた、

 「なんでやねん、普通トイレやろ」


 「急にお腹痛くなったら、どうするつもりなの?」


 ティファに痛いところを言われたのかウッとダークが冷や汗をかき始める、

 「どうしよう3ヶ月は場所変えれないやん」


 「まあ自業自得ですね」


 黒髪の青年がプルプルしながら笑いを耐えながら言うと、ダークは怒り出しアランを追いかけた。アランを捕まえられなかったのか涙目のダークが言う、

「2階の部屋確認だけしとこ」


 みんなは頷くと、各自部屋に向かう。

 俺の部屋に入ると、ぬいぐるみの多い白い女の子らしい部屋だった。そうゲーム時代は部屋に凝りすぎていて結構可愛い部屋にしたんだった事を思い出す。扉がとんとんと鳴るとダークが入ってくる。

 「ふぁー!!、ゆっきーの部屋かなり可愛いお部屋やな」


 「ユキちゃんかなり可愛いお部屋ね……」


 「女子力が高いですね」


 3人は交互に俺の部屋を褒める、次はダークの部屋に行く。

 「俺の部屋はすごいでぇ」


 入ると薄暗く明かりはあるのだが、怖い銅像や怖い置物が多くてホラーハウスみたいだった。

 「ある意味すごい部屋ですね」


 「メンバーお仕置きするように作った部屋やからな」


 「次は私の部屋に行きましょうか」


 ティファはすぐにダークの部屋を出て自分の部屋に向かう、ティファの部屋は旅館の和室みたいなお部屋だった。

 「何か婆臭え部屋だな」


 「あんたの部屋よりは100倍マシでしょうが」


 「じゃ次は私ですね」


 アランが言うと、楽しそうに女の様にスキップをしながら黒髪の青年が行く姿は端から見ると、何か気持ち悪かった。アランの部屋はかなりシンプルのお部屋で武器や筋トレグッズが置いてある部屋だった。

 「うーん、ゆっきーと部屋交換したほうがいいんとちゃうん?」


 「えー、何でですか?私現実と殆ど同じ部屋にしたんですよ」


 3人は固まりながら同じ事を思った。(おとこ)らしいな。

 「うーんとこれから何かしよっか?」


 「あ、私は父と狩の約束があるので、そちらに行きますね」


 「私も旦那のLV上げしてたから帰るわね」


 二人は俺達にバイバイをすると来た扉から帰っていった。

 「ゆっきーどうする?」


 「どうしましょう俺もする事ないんですよね」


 「じゃあ町で情報収集でもしよか」


 「そうですね」


 二人は話を纏めると、一回家に戻ると俺は押入れから出てくる。すぐに始まりの町にワープをする。

 「ダークさん行ってみたいところがあるんですが、いいですか?」


 「何処?」


 「教会に行ってみたかったんですよ」


 「ええよ」


 まだ一回も死んでないので教会には行ったことがなかった。始まりの町の教会は西にあるたしか西門近くのはずだ行ってみるとやっぱり人は多かった。椅子に座り話し込む。

 「お祈りしている人もいるんやな」


 「ですね、でもここでいきなり復活したら何か恥ずかしいですね」


 「たしかにな、赤っ恥やん」


 二人は笑っているとお祈りしている人に睨まれる。

 「そういえばNPC人も死ぬと、どうなるんでしょうね?塵になって消えるのかな」


 「いや消えないで死体は残るらしいな、それで今色々問題も発生してるみたいやな」


 ダークは深刻そうに話すと、俺は頭を捻りながら考える昨日のエンフォルン族は消えていたのでモンスター扱いなのだろうか、

 「じゃあお墓があるって事ですよね、この近くにそんなとこありましたけ?」


 「うーん」


 二人は考えていると、

 「広場から南西の方角にお墓と管理している人がいるよ」


 お祈りに来ていたNPC人だろうか親切に教えてくれる、

 「お墓あったんですね、知らなかったダークさん行ってみませんか?」


 「ゆっきーの嫌いなゾンビ出たりしてなクスクス、待って置いて行かないで俺も行く」


 ダークが意地悪みたいな事を言うので、俺は耳を抑えて一人でも行こうとした。西の教会から下に行くと本当に墓地があり、不気味な家があった。

 「おいおい、この家不気味すぎだろ魔女でも住んでんのか」


 本当に不気味だった、木造立ての一軒家なのだがボロボロで屋根の上には蝙蝠が何匹もぶら下がっている。扉を叩いて見ると何も反応しない、

 「誰もいないみたいですね」


 「そやな、俺怖くなってきた。ゆっきー帰ろう」


 赤髪の小学生はがくがく震えだす、後ろから声が聞こえてきた。

 「あの私の家に何か御用でしょうか?もしかしてお客様ですか?」


 声の主の方を見ると修道服を着た綺麗な艶の出ている、黒髪で真っ白の肌に真っ赤な目で俺達を見てくる。振り返ると美女が後ろに立っていた。ダークはすぐに怖がるのを止めて美女の出現に嬉しいのか、

 「素敵なお家だなと思って、あのここで墓地管理している人って言うのは貴方ですか?」


 さっきとは打って変わって、紳士的に話すダークをみて呆れるしかなかった。

 「はい、私が墓地を管理している【タナ族】のカーミラと言います」


 カーミラは自己紹介するとぺこり頭を下げて挨拶をする。

 「私は墓地の管理と葬式の管理をしています。もしご利用でしたら私に血を持ってきてくれれば絶対に成功させますので」


 「え?何で血なんですか」


 カーミラは両手を握り拳で成功させる事を伝えると、ダークは恐る恐る聞いてみる。

 「私達の種族は生き物の血を主食としていますので、対価は血を貰う事にしているんです。量は決まっていませんがコップ1杯分だと私も嬉しいですね」


 カーミラは飲む事を想像しているのか恍惚な表情をしていた。

 「ダークさんこの子もしかして吸血鬼ですよね」


 「そやな、どうしよう俺達食べられるかもしれん早く逃げよう」


 「大丈夫です、私達は基本は人を襲いません。冒険者の方ですよね?吸血鬼とはそちらの呼び方では私達みたいな事を言うんですか?」


 ひそひそ声で作戦会議をしているとカーミラはすぐに答える、

 「私達の種族はかなり耳はいい方なんですよ」


 「そうなんですね、じゃあ人間とは普通に友好的なんですか?」


 カーミラには全てお見通しだったみたいだ。じゃあと俺は続け様に質問をする。

 「そうですただ血を飲むのを忘れていると暴走状態になる事はあるらしいので、忘れないようにはしていますね」


 暴走すると聞いてダークは汗をものすごくかいていた。

 「やっぱり怖いですか?小さい方は大丈夫ですか?」


 「大丈夫です俺にお構いなく……」


 「ここの事、今日始めて知ったんですが最近この町に来たんですか?」


 俺は不思議そうに質問をする、カーミラは少し考えると答える、

 「気がついたときにはここにいましたね、確か昨日の事だったと思います」


 やっぱりか、あまりこっちに人が来ていない意味を理解した気がする。人が本当に死ぬようになってシステムがお墓を管理するキャラを作ったとしたらこの話に辻褄が合う。

 「そうなんですね」


 「ゆっきー俺そろそろ帰りたいんやけど」


 ダークが涙目で訴えかけてくるので仕方なく帰る事にした。

 「カーミラさんまた来てもいいですか?」


 「はい、またきて下さい」


 カーミラと挨拶をしてその場を離れた、

 「ダークさん大丈夫ですか?」


 「実は子供の時に親に連れられた、吸血鬼映画がひどくてトラウマになったんよね」


 「だからあんなに怖がってたんですね、ブルブル震えて何か可愛かったですね」


 ダークはまたふるふる震えていた俺も今日はなぜか寒気がする。

 「ダークさん寒気がするので、そろそろ俺帰りますね」


 「うんまたな明日狩に行こうな」


 明日の約束をして二人はワープで家に帰り、俺は体の調子が悪かったので、ご飯を食べてすぐに就寝した。


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