12日目 犯罪街
多分0時頃に歪みに突撃したと思う、真っ暗闇だった教会から見慣れない町がそこには広がっていた。
「あぁん?何だここは」
最初に突撃したメアリーが叫んでいるみたいだった。
「うーん町名は何でか、ぼやけているね」
後ろから着てたピンク髪のエルフは、頭をいじりながら喋ってくる。
「何か空気が重いクマ、不気味だクマ」
「それに、たしか真夜中で来たはずなのに夕暮れが出ているわね」
「ティファさん時間が戻っているって事ですか?」
俺は何度もメニュー画面を開き時間を確認すると0時を過ぎているみたいだったのに、この街はおかしかった夕暮れが出ていた。不思議に思いながらティファに尋ねると首を横に振る、
「まだわからないわ、マップも開けないし、こんな場所があるなんて思いもしなかったわ」
「おっと一般プレイヤーの皆さんではありませんか?」
街の影からピエロを顔に書いた集団が現れる。大きな王冠を被ったやつが続けざまに喋る。
「これは何かのイベントなんでしょうか?クククク」
「てめぇ、何処のどいつだ?」
メアリーが声を荒げて、武器を構えながら王冠を被った男を睨み付ける。
「知らずに来たのですかクククク、ここは死と夕暮れの街デスイヴニングです」
王冠の男は両手を広げて歓迎しているような事をする、よくよく見るとこの男とピエロ達にはドクロマークが付いていた。
「え?嘘だろう」
「貴方達が一般プレイヤーを拉致した張本人という事ですか?」
「拉致?いい響きですねクククク、でも私達ではないのですよ」
ジャンヌや他のメンバーが呆然とする中、冷静にルーズは尋ねると不気味なピエロの王様みたいな男が笑いながら否定するその男は、巨人族でホワイトと同じ背の高さだった。
「そろそろ私の自己紹介をさせて頂きましょう【道化師の館】マスター、キング・クラウンと申します。以後お見知りおきといいたいですが、貴方達は気が付いた時には神殿で蘇っているでしょうクククク」
その台詞を言った途端ピエロの連中が武器を構え、本気で攻撃をしてくるとActive Debu・マザークレア・ホームガードマンの3ギルドは、一瞬構えが遅れるがすぐに武器を出し斬り合いになる。
数はこっちが圧倒的に多いのだが、ピエロ達は常軌を逸した目をしておりプレイヤースキル高いはずのトッププレイヤーは後退りしながら戦っていた。状況は悪い一方である、あの大きいピエロもノコギリを両手に持って前線で戦っていた。人を傷つけるのか楽しいのか、笑いながら斬っているみたいだった。
「てめぇら擒賊擒王だ、サポートしやがれ」
そんな状況でイライラしていた、メアリーは何かを叫ぶとメンバーはわかったのか普通のピエロをメアリーに攻撃させないように押さえ込み、大きいピエロの方に道を開ける。
「クククク、素晴らしい動きですね」
「てめぇの相手は俺だ、すぐに死んでくれるなよ」
大きい巨体と大きい太った女が真正面からぶつかる。メアリーのハンマーと斧が相手を思いっきり殴りつけるがキングも負けずとノコギリで切り刻んでいく、両者一歩も引かない戦いに足がすくむ。
雑魚ピエロ達はルーズの魔法やジャンヌの風のような剣によりどんどん減っていく。あれほど劣勢になりそうな局面をすぐに逆転させてみせた。メアリー達はさすが歴戦の戦士だなと思った。
キングというだけあって、他のメンバーよりは打たれ強かったのだが、
「何なんだ、この女は化け物か」
キングには神殿送りにする自信があったのだが、メアリーの異常な強さを目の当たりにし冷や汗をかく、攻撃を与えるだびに女の攻撃力はどんどん上がりハンマーに何か得体のしれないパワーが集まっていく、
「くたばりやがら、屑やろう【オーガハンマー】」
叫ぶとハンマーが鬼の形相になりながら、頭に致命打を与える。被っていた王冠は粉々に砕け散り巨体は白目をむきながら倒れていった。
「なんだよ、まだ本気すら出してないのに全然物足りねぇぜ」
メアリーは肩をぐるぐる回しながら言っていた。
「ユキさんと言いましたか、美しいですねよかったらお手伝いお願いできませんか?」
ピンク髪のナルシスト男に肩を叩かれながら、言われるとあまりの気持ち悪さに背中がぞわっとした。
「何かするんですか?」
「今倒した奴等を蘇生するんです」
「ちょっと待ちなさい、せっかく倒したのに何で蘇生するのよ?」
ピンク髪を触りながら倒した敵の事を指差しながら蘇生呪文を唱えるが、すぐにティファが呪文を遮るようにする。
「すみません、私も説明が足らなかったですね、この人達は4分後には消えて自動的にこの街の神殿で復活するでしょう、ですが復活してしまったら私達がここにいる事がばれてしまいます。なので復活させておき縛ってこのあたりに放置するのが最良な手だと思いましてね」
「よくそんな悪知恵思いつくわね」
「聖女殿頭脳プレーと呼んでほしいですね」
ルーズはウィンクをしながら格好つけながら話す。一人一人蘇生呪文を唱えて縄で縛っていく、一番大変だったのがキングだった。大きい分持ち上げながら縛るのは一苦労だった縛り終えると路地裏に放置をした。ティファが探索場所を広げたいのか自由行動を提案する。
「この人数で歩くのは危険ね少し分かれましょう」
「おぉいピエロ野郎、ここはどこあたりなんだ?」
情報を聞き出そうとしているのか気絶しているキングを、メアリーは思いっきりビンタをしながら起こす、
「クククク、ここはエンフォルン族の住処ですよ。拉致られたお友達はもしかすると、この地区の何処かもね……」
一言喋るとまた気を失う、
「エンフォルン族だぁ?、どういう事なんだ。この拉致事件はエンフォルン族の仕業だってことか」
「まだ結論を出すのは早計ですよ」
「そういえばハラコちゃんが言ってたんですが、羽根が生えた気持ち悪いおっさんが大きい袋を背負って移動してたって聞いたんですが、もしかするとそれがエンフォルン族だったんじゃないでしょうか?」
情報を聞いた灰色髪の女は怒ったように言うと、ピンク髪のエルフはやれやれと言っている俺はハラコの言った言葉を思い出しながら喋った。
「そう考えると、このあたりの何処かにいるって事になるな」
「噂だとエンフォルン族の地区には大きな店があるらしいですよ」
みんなが頭を捻って考えていると、ジャンヌが酒場で聞いた話をする。
「それってあの建物かクマ?妖精の花園って書いてあるクマ」
「ホワイトさん出番ですよ」
「ちょっと待ってくださいですぞ、私は白い妖精であんな変態ではないですぞ」
俺とハラコはホワイトを先に入れといいながら、体を押すと白い妖精さんは嫌そうに踵に力を入れながら踏み止まろうとする。
「ふざけている場合ではないでしょ、ユキちゃん急いで入りましょう」
メアリーとティファが先陣を切って入り込むと、夕暮れの街からきらびかやな建物に変わる。扉を開けるとホストやホステスの格好をした気持ち悪いおっさんとおばちゃんが出迎えてくれた。、
「いらっしゃぁい」
「あらあら大人数ね」
姿形は人間と変わりはしなかったのだが、体は美女の様な体つきなのだが顔は気持ち悪いおっさん顔で、白い羽根が生えており露出の高い服でお出迎えをしてくれたのだ。
「ぎゃあー、化け物だクマ」
ハラコが大きな声で叫ぶと他の店員も気づいたのか、ぞろぞろ集まってくる。オナベなのかムキムキの男の体なのだが顔はブサイクな女性もいた。
「俺の好みの女性もいてくれるな、嬉しいぜ」
ブサイク顔の女性オナベが話しかけてくる。異様な光景にみんな後退りするしかなかった。
「あらこの子達一般ちゃんじゃない、拉致って来た子と一緒に私達のト・リ・コにしてあげる」
気持ちが悪い顔でウィンクをしてくる。見てたらなぜか目の前がグラグラ動く明らかにおかしかった。
「フフフフ、私達のチャームで貴方達を眠らせてあげるわ」
やばい目の前がユラユラしてきて急に眠気が、ティファもジャンヌもやられたみたいで足を崩して眠りそうになっている。一人一人ばたんばたん倒れていく、俺も眩暈がして倒れたのだが少し意識は残っていた、おかま達の話声が聞こえてくる。
「あらあら冒険者って言っても、ただの人間ね楽勝だったわ、とりあえず女性牢と男性牢分けてぶちこんでおきなさい」
「は~いママ了解です」
その会話後すぐに眠る様に気を失うが気持ちよく眠っていると、いきなりお腹に痛みが走る。
「起きるクマ」
「痛ーい、あれハラコちゃんみんなは大丈夫?」
お腹の上にいるハラコはぴょんぴょん跳ねている。どうやら4人部屋みたいだった。ハラコが同じ部屋で安心をする、師匠もどうやら隅っこに座っていると前にものすごい山が立っていた。
「おー、起きたか、全く油断しちまったよなぁ」
メアリーが悔しそうに体を動かすと牢屋は壊れそうなくらい揺れる。
「全くこの熊には驚いたぜ、チャーム効かないのか」
「そうだクマ、多分何かで覆われてたから助かったんだクマ」
どうやらハラコは気ぐるみで防御されており、寝ているふりをしたみたいだった。
「みんなはどんな感じなんですか?」
「隣の部屋で寝ているクマ」
「よしお前さんも起きた事だし、暴れようとするかね」
メアリーは準備運動をする。トラコは持ち物を確認して頷く、太った女はハンマーを大きく振りかぶって隣の壁をぶち破る。
ティファ・ジャンヌ・マザークレアの2人を急いで起こす。
「ふう、まだ眠いわっていうか本当に貴方はめちゃくちゃね」
「聖女様に褒められるとはな」
ティファはまだ眠そうに手でゴシゴシすると、メアリーの豪快さに呆れていた。褒められたと勘違いしているのか灰色髪の女は笑っている。
「これからどうするの?」
「多分男子サイドも脱出しているはずクマ」
「あぁん?それはどうしてだい?」
熊の気ぐるみを着た子は仮説を立てている、メアリーはそれを信じられないのかハラコを片手で持ち上げ顔の近くに来させ詳しい理由を尋ねる、隅っこにいたトラコが急に呟く、
「……妖精」
「あ、そうかホワイトさんも視界を遮る者が被っているから大丈夫だったと」
「そうだクマ、それに私と妖精さん倒れるの遅かったクマ」
その説明にメアリー・ジャンヌは納得するように頷く、
「とりあえず入り口壊すぜ、話はそれからだ」
またハンマーを振りかぶると扉をぶち壊す。外には他の扉がたくさんあった、
「すごいですね一種の収容室ですね」
「リーユはこの扉の何処かにいるんですね」
ジャンヌは一つ一つの扉を剣で斬り開けていく、
「俺は階段の方のエンフォルン族をぶちのめしていくぜ」
「私もいくわよ」
メアリーは手をボキボキさせると金髪の美女もニコニコしながら、ついて行くいつもと違って目が据わっている。突撃するとエンフォルン族の叫び声が聞こえてくるような気がした。
「何で貴方達、牢屋から抜け出しているのよ?ギャーそこは斬らないで」
「何でこの二人チャームが効かないの、さっきまで効いていたはずなのに――」
阿鼻叫喚の声が聞こえてくるが今はみんなを解放するほうに集中をする。扉は全部で30部屋があり4人部屋だったので120人を助け出した事になる。
「リーユ無事だったのですね」
「ジャンヌ助け出してくださると信じていましたわ」
緑髪の女の子と白髪の美女は嬉しいのか抱き合っていた。俺も助け出されたリーユを見て一安心をする。
「リーユさん大丈夫?」
「その声はユキお姉様ですか愛たかったですわ、その胸に甘えさせて下さい」
俺に気がついたのか手をいやらしく動かしながら、胸目掛けて突撃していくが、
「おぉい、こら上はとりあえずは片付けたぞ、さっさと上がってきやがれ」
メアリーがいる事に気づいたのかリーユは声の方を振り返るとなぜか汗を噴出していた。
「メアリー先輩……」
「リーユ元気だったみたいだな、お前俺がせっかく特訓してやったのに、すぐに拉致られるとはな帰ったら特訓してやるから覚悟しとけよ」
リーユはがくがく震えながら、はい了解しましたと敬礼していた。
「ジャンヌさんメアリーさんはリーユさんの事ご存知なんですか?」
「あー、言ってなかったですねメアリーさんはリーユの学校の同じ部活の先輩らしいですよ」
あんなリーユは初めて見た、ティファと一緒にいるふざけた様子はまるでなくなっていた。
「不安になる人もいるでしょう、私はマザークレアのジャンヌと言います皆さんは私に着いてくるようにお願いします」
白髪の美女が演説の様に誘導をしていく、どんどん出入り口の階段を上って行く俺達も続くように行くとエルフォリン族の残骸らしき物が落ちているが、それには目にはくれず中庭に出る。
「ゆっきーか?」
急に話し掛けられて声の方を見ると、いつも見慣れている紫色のローブを来た赤髪の小学生が涙をウルウルしながら俺を見ていた。
「ダークさん」
感動の再会で抱き合うところに、白い変態が俺を抱擁してくる。
「ユキさんご無事だったんですな、会いたかったですぞ」
「ホワイトさんもご無事で、よかったです」
「重い……」
暑苦しかったが白い妖精さんの無事を知って俺も喜ぶ下で、ダークはホワイトに潰されていた。
「おいこらホワイト俺とゆっきーの感動の再会に水さすなや」
「すみませんぞ、あまりに再会が嬉しかったものでハラコさんトラコさんもよかったですぞ」
潰されてたダークを見てみんなは笑っていた。3人は再会が嬉しいのか手を握りながら回っていた。
「あらあら私達の可愛い可愛い子犬ちゃんと、子猫ちゃん達外に出ては駄目じゃな~い」
気持ち悪いママと呼ばれていた、エンフォルン族が姿を現す。
「形勢逆転だと思うがな、どうなんだ?」
メアリーは気持ち悪いおっさんを睨み付けながら尋ねると、おっさんは片手を上げて呪文を唱える。
「私が奥の手を持ってないと思って?」
そういうと俺等の下に魔方陣が浮かび上がる、エンフォルン族の気持ち悪いおっさんは体をクネクネさせながら赤髪の子をロックオンしている。
「大丈夫よ~ん、体を動かさなくする魔法ではないわ、チャームを効きやすくする魔法だから今度はどんな布だろうと貫通するわよ」
間高い声できもいおっさんは笑い出すと目からチャームを出す、やばいまたもやみんながやられそうになる。
「おいおい、ふざけんじゃねえよ、何でまた――」
「これは今回はやばいですぞ」
「やばいクマ」
1度目で効かなかったホワイトとハラコは今度は効くらしく、体をユラユラさせていた。絶対絶命の大ピンチにナルシスト男が名乗りあげる。
「みんな、なぜかわからないけど俺の事忘れているだろ」
ピンク髪のエルフが髪の毛を触りながら杖を持っていた。
「な、何であんたには愛の魔法が聞かないのよ」
「なぜだって一度やられた魔法はとことん研究するに決まっているだろう、俺の二つ名は廃人の魔術師だぜ」
あんなに目立っていなかった、ナルシスト野郎がかっこよく見えた瞬間だった。すぐに反対呪文によりチャームと魔方陣は無効化される。
「何て事、私の奥の手が……」
「おぉい、何処に逃げようとしてんだ。2度も俺に恥をかかせてくれたんだ、お礼をさせてくれよ」
おっさんは恐怖の表情駆り立てられ後ろを向き逃げようとすると、灰色髪の女に肩を捕まれる。メアリーは怒っていた、体の回りからは赤いオーラが出ていた。それは凶暴な象が後ろに見えるようだった。
「ひ、化け物」
「化け物だぁ、嬉しいねえ、そんなに褒めないでくれよ」
持っているハンマーでエンフォルン族のママを上に打ち上げると、ハンマーを床に置き斧を両手に持ち替えて相手を何回も切り刻む、俺が見えただけでも16~17回は斧で切り裂いていた。
エンフォルン族のママと呼ばれた醜いおっさんは、血だらけになっており力尽きたのか床に倒れた。
「みんな俺の存在忘れていただろ一番かっこいい、この俺を」
「やばいわ俺お前の事完全に忘れていたわ」
ルーズはかっこつけて決めポーズをしていると、笑いながらメアリーが背中を叩いていた。
「まだこいつ動いているわよ、止め刺さなくていいの?」
ティファは鎌でエンフォルン族のママを指差す、
「さすがにそんな生き物斬ったら俺の剣が汚れるだろうしな、聖女殿に譲ってやるよ」
「私も遠慮しとくわ、まあこいつもこれに懲りたら、こんな事もしないでしょう」
「ティファさんそろそろ始まりの町に戻りましょう、歪んでいた場所も消えているかもしれませんし」
ティファはエンフォルン族のママの首元に鎌を当てるが、すぐ離すメアリーは汚れた剣をママと呼ばれたエンフォルン族の服で拭きながら笑いながらいうとジャンヌは焦っていた。
「そうですね私もそれが気になっていました急ぎましょう」
ルーズに催促されてみんなは妖精の館を後にする。歪みはまだ消えてないみたいだった最初にジャンヌが入りどんどん小人族が飛び込んでいく、最後に俺達が飛び込んでくると時間はお昼になっており壊れた教会は人がいっぱいになっていた。
傷の治療や色々な事をして小人達は涙を流しながら、お礼を言ってワープをして帰っていった。
「帰る前に、ここを俺達の権限で閉鎖しようと思う、あと見張りも必要だろ?どうだルーズ・ジャンヌ?」
「そうですね、私は一向に構いませんが」
「私もギルドに帰ってその事を伝えておきますよ」
白髪の美女とピンク髪の男は頷きワープをして帰っていく、
「今日は俺達で見張っているぜ、お前等またな」
「先輩ありがとうです。またご連絡いたしますわ」
リーユも挨拶をすると帰っていった。俺たちもメアリー達の5PTに任せて始まりの町にワープをした。
「ユキさんハラコちゃんトラコちゃんフレンド登録お願いしますぞ」
「私もしたいクマ」
トラコもこくりこくり頷きフレンド登録をしてホワイトとハラコは帰っていく、
「トラありがとなマジで助かった」
ダークはトラコを撫でるとペコリ頭を下げて帰っていった。
「ティファとゆっきーも色々ありがとな、俺これかなりやばいと思ったわ」
「まあ私はあんまり心配してなかったけどね」
「いえいえ」
ティファは笑いながら手を振り別れの挨拶をし、俺もダークさんと別れの挨拶をして家に帰っていき眠る事にした。
場面は変わって、12日27時55分エンフォルン族のママが目を覚まし立ち上がると悔しいのかハンカチを噛み地団駄をする。
「いた~いじゃない、あの子達、次あったら絶対ぶち殺したるわ」
「わらわが、与えた作戦も楽にこなせぬとはな、お前はもう用済みじゃ」
日本刀を持った紫髪ロングの美女が後ろに突然現れて喋る、気配に気づいたのか後ろを見るとエンフォルン族のママは汗を噴出す。
「貴方はナナ様お願いします許してくださいもう失敗は――――」
「二度目を与えるほど、わらわも気が短くはない」
失敗を許して貰う為に必死に泣いて懇願するが、それも空しく首を刎ねられると血を噴きだしながらエンフォルン族のママは倒れていき塵となって消えた。
「どんな醜い生き物でも血は綺麗じゃの」
刀の血を舐めながら美女は高笑いをする。