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流血
「くそっ。こうなることは分かっていたというのに!」
二人は銃を後方に向けて撃っていた。
「あれは飲み終わったか?」
「ジェイルも早く」
「分かった」
青いカプセル錠をジェイルは素早く飲み込む。
「まったく、落ち着いて薬の一つ、飲めやしない」
「これからどうする?」
ひっきりなしの銃声が森の中に響いている。
「どうするもこうするも、一人でも多くの敵を道連れにするだけだぜ」
「オーケー。死ぬまでに何人殺せるか勝負だ、ジェイル」
木の陰から銃弾が飛んでいく。遠くで叫び声が聞こえた。
「俺も負けちゃいられないな」
銃弾が木々を縫って飛んでいく。赤い血が木々を濡らす。二人は、悪魔の如く笑っている。
「ったく、何人居やがるんだ。弾が足りねえよ」
「全部命中させれば問題ない」
「そうだな――――」
銃弾が一つ、二人の下へ届いた。赤色が辺りの緑を染める。
「ジェイル!」
「問題ない、撃て!」
ジェイルは右腕を押さえる。どくどくと血は流れていく。流れる血を気にせず、ジェイルは銃を撃ち続けた。
しかし、銃弾は尽きた。それはカフスも同じだった。替えの弾はもうなかった。