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撤退
「流石に作戦がバレたんじゃねえの」
「他の仲間の様子は?」
「分からない」
「まあ、いいや。弾」
「あと少ししかないぞ」
カフスは銃を撃つ間隔を広めた。
「いくらなんでも遅すぎる。まったく。何してるんだ?」
「効き目のない奴が悪い。ほら、1時の方向に」
頭をぶち抜かれた下級兵が戦場の端に横たわっている。
「なるほどな。合図がないわけだ」
「撤退?」
「そうだな。信号弾の準備を」
二人は撤退の準備を始める。
「あれを飲んどく?」
彼らは周囲を警戒する。
「大丈夫だろう。敵の気配はない」
「そうだね。ジェイルの言うとおりだ」
彼らは信号弾を打ち上げた。
戦場からは人が消え始めていた。残っているは死肉くらいだった。