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戦場の天啓  作者: 伊和春賀
3/12

天啓

「毎度、毎度、同じ作戦で上手くいくもんかね」

「さあな」

「偶には剣でばっさばっさ切っていきたいもんだ」

「私は銃の方が楽しい。快感」

「カフスは剣の良さを分かっちゃいない。肉を切る感触は楽しいんだ。人を殺している感覚が伝わってきて」

「私は遠くから死体になるのを見ているのが好き」

 銃弾が戦場を駆け巡る。

「そういえばさ、アレだけど、天啓と呼ぶんだとさ」

「大層な名前。でも、死にたがりにはいいかもしれない」

「雑兵は消耗品だな」

「人の作った天啓に導かれる、か」

「それが幸せならいいのかもな」

 頭部を失った死体が彷徨っている。戦場は呻き声で埋め尽くされている。

「弾が尽きた。くれ」

「撃ちすぎだって」

 カフスは銃に弾を込めた。

「残りの弾は?」

「まだまだあるぜ」

「わかった」

 鮮血が宙を漂う。敵も味方もなく人は倒れていく。

「遅いな」

「もうすぐだろうよ」

 空に浮かぶ天啓の前兆。曇天には似合わぬ光弾が空を飛び行く。

「合図だ」

「わかった」

 二人は撤退を始める。

「神の御加護があらんことを」

 手で空を切り、彼らは立ち去った。戦場の中心には死人が一人立っていた。


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