プロローグ1
駄文で自己満足の文ですがよろしくお願いいたします。
ここに、自転車で走っている青年が居る。
彼の名前は、山県和樹《やまがたかずき》。彼は20歳になるどこにでも居そうな青年だ。
彼は今何をしているのかというと、仕事に行く真っ最中である。
過去、とある事情により無気力人間のようなものになってしまった残念な青年である。
実は遅刻間近なのだが、まるで焦ってるように見えず逆に優雅に出勤しているようにさえ思えるのが不思議なところだ。しかし、出社するたびこのような出社なので本人もなれたものである。
そして何時も通りにギリギリに出社し、何時も通りに仕事を終え、何時も通り家に帰り、何時も通り寝る。
そのような毎日を送っていたのだが、平凡であったはずの毎日は、いとも簡単に崩れ去る。
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「お疲れ様でした、お先に失礼します」
そう言って和樹は退社した。
途中スーパーで適当に惣菜を買い、家に帰る。
ところどころアニメオタクらしいグッズやらなにやらが囲む自宅に着く。
一人暮らしを初めたころは自炊してやる!といきまいていたようだが、すぐに面倒臭くなってしまったらしく、今ではもっぱらカップ麺ばかりや惣菜で夕食を済ましている。
家に到着したものの、何時も様に遅刻ギリギリで起きていたため部屋が散らかりっぱなしだった。
その為、少し片づけをした後にPCを付け、惣菜を温める。
「ご馳走様でした」
誰に言うでもなく礼儀として、感謝の言葉をつぶやく。
そして、ゲームをしつつネットサーフィンをし、バラエティ番組を見て苦笑いを浮かべつつ翌日の仕事の準備を行い、抱き枕を抱え睡眠に着く。
「おやすみなさい」
そうつぶやき、あまり代わり映えのしない何時も通りの一日を終えたのだが、その後に異変が起こった。
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彼は夢を見ている。
それは彼が青年ではなく少年といえるほどの年代のときに起こった出来事だった。
普通の交差点を少年と、とある少女が渡ろうとしていた。
青年は今夢で起きている出来事を鮮明に覚えていた。
無論、この後に何が起こってしまったのかも。
青年は、笑いながら信号を渡ろうとする少年と少女に手を伸ばす。
しかし夢であるが為、その手が届くことは決してなく、何事も無く夢は過ぎていく。
そして事故が起こる。
少年の後ろでかん高い摩擦音が響いた後に、何かがぶつかった音が聞こえた。
少年が驚き振り返ると、血まみれの少女が少し離れたところで血まみれで倒れている少女を見つけた。
後に聞いた話だと自動車に轢かれてしまったらしいのだが、そのとき本人はパニックでそのことに気がつかった。
あわてて駆け寄り声をかけた少年だが、幼いながらにもうこの少女は長くないと察してしまっていた。
ところどころから血が流れ、もう意識がほとんど無いように見えたからだ。
朦朧とした意識の中で少女は手を伸ばし、少年の頬をなでていた。
これが冒頭にある無気力人間の始まりとなったわけである。
そのとき、夢の世界が真っ白に染まり何者かの声が響いた。
「お前に・・力を与えてやろう。これは何もかもを覆す・・・いや覆せる力だ・・。
少女を救うついでに・・世界くらい救ってこい。」
それを最後に周りの世界が真っ暗に染まっていった。