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東方小説  作者: リンダ
導入
6/9

其の五

「ん…?」


眩しい光に照らされて、まぶたを少し開ける。


(ここは…?)


似たような事を最近した気がするが、今度は見知らぬ場所。

どこかの一室のようだ。

和室であるらしく、畳が敷いてありそのうえに現状俺が寝ている布団が敷いてあった。

恐らく客間だろう、家具が全く無い。

入り口には襖があるが、誰かが遊んだのか少し穴が空いていた。


誰が連れてきたんだろうかと、軽く考えながら、家主に挨拶するためふすまを開けて縁側に出る。

聞きたいことは山ほどある。


部屋の中からもわかったが、朝日がさしていた。

神社で起きたのが夕方だったことから恐らく一日たっていることが予想できる。


そのまま適当に歩くと人の気配がする部屋を見つける。


どうしようかと考えて、部屋の前で佇んでいると中から声がかかる。


「あら、起きたの。そんなところにいないで入ったら?」


襖を開けると、ほぼ予想どうりの人物が座っていた。

恐らく昨日の、境内であった少女。


髪は黒く、大きなリボンで髪をくくっている。

服装は紅白という言葉が似合う巫女服に似た何かで、脇の部分が服から独立している。

年は二つ三つ下くらい…。


「助けてくれて…、でいいんだよな?」


「ええ。あんたをここまでつれてきたのは私よ。」


「そっか…。ありがとう」


「いいわよ、別に」


素直に感謝を口にする。



「私は、博麗霊夢っていうわ。あんたは?」


「西行寺蓮だ」


「…西行寺? …あいつと同じ名字ね」


「あいつ?」


「いや、いいの。気にしないで」


「…? 分かった」


よく分からないが頷いておこう。


さあ、これで社交辞令は終わった。

次に移らせてもらおう。


「えと、さっそくで悪いけど質問いいかな?」


「いいわよ。そうだろうっては思ってたから」


言葉に甘え、質問を始めさせてもらう。

聞きたいことは山ほどあるが、


「この世界はどこなんだ?」


簡単で、オーソドックスなものを口にする。

だいたいこんな状況になった漫画ではこの質問を最初によくする。

先人にならわせてもらう。


「幻想郷ってとこよ。別に異世界ってわけじゃないわ。あんた達の世界と結界が隔ててあっただけで。あんた達みたいに入ってきた人間は外来人って呼ばれてるわ。」


「ふぅん…。隔ててあった、てのは?」


「ええ。すごく昔はそんな感じだったけど、今はもう逆にほぼ異世界化してるわ」


「…どういうこと?」


「あっちとこっちで流れている時間の流れが全然違っているのよ。最近はもっとひどくなって、さらに時間が狂ってるような気がする」


「? それは…、大変だな」


意味がよくわからないので適当に相槌をうつと彼女はそれ以上は教えてくれなかった。


少し不満だが次だ。


「次だけど、俺はなぜ生きているんだ?」


「は?」


ポカンとされたので説明する。


「いや、あんたと別れた後、獣に襲われたんだよ」


「? それなら知ってるわ」


「て、ことはあんたが助けてくれたのか?」


「なにいってんの、こっちが聞きたいわよ。あれ何の能力?」


「はあ?」


怒気を含んだ彼女の声に少し気圧される。


「あんたが昨日、妖怪に使ってた力の事よ。妖怪の体、骨以外が全部吹き飛んでったじゃない」


彼女の言葉で昨日の事を思い出す。


「なに言ってんだよ…。俺はあいつに襲われてすぐ…、ってかあいつ何者だよ!?」


そうだよ。

あいつだよ。

何で最初に聞かないんだよ。

一番おかしいだろ。


「あいつ? ああ、あの妖怪のこと。あいつはこの世界にいる種族のひとつ。他にも鬼やら神やら仙人やら」


俺の答えが得られずムッとした霊夢が答える。


「神って…、そんなヤバイとこに来たのか」


あの生物を見せられれば大抵信じられる気がした。


「ああ、あんたを落としたのはたぶん八雲紫って妖怪よ。スキマばばあって専ら呼ばれてるわ」


「ばばあ? 俺があったのは俺と同じくらいだったけど…」


つか、あれは俺の妄想のはずーー


「妖怪だから、容姿は一定で止まるのよ。あいつ、ああ見えて千年は生きてるわよ」


「な」


絶句。

ひたすら絶句。

あんな美人が年増だとは…。

女性不信になりそうだ…。


ん?


「てことは、もしかしてお前も…?」



「私は人間よ!!!」



「ご、、ごめんなさい!」


不機嫌に拍車がかかって顔が真っ赤になっている。

阿修羅のような霊夢にひたすらに謝った。

少し長いので今回はここまで。

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