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長野 1

僕が屋上のドアを開けるとすぐに目に入ったのは真っ白なキャンバスだった。


そのキャンバスの前に置いてある丸椅子の脚に、

「ご自由にお描きください。」

と書かれた紙が貼ってあった。椅子の上にはパレットと筆と赤、青、黄の三色の絵の具が乱雑に置かれている。

 

誰が置いたんだろう。どうして置いたんだろう。

色々なことが気になったが、真っ白なキャンバスを見ていると無性に何か描きたくなり、ひとまず何も考えないことにした。


誰のものかは知らないが、「ご自由にお描きください。」と書いてあるからにはここにある物を自由に使って構わないはずだ。

椅子の上の物を全て手に持って腰を下ろした。


青い絵の具をパレットに出そうとしたところで、水がないことに気がついた。

「絵描くのって、めんどくさいな……。」

 

そういえば僕は、美術の授業以外で絵の具を使って絵を描いた事なんてなかった。

これだけ揃っていて、まだ足りないものがあったとは……。


仕方なく、わざわざ下に降りてバケツを探して水を汲んだ。水が入って重くなったバケツを持って屋上への階段を上る。

これは何の部活にも入っていない僕にとっては結構な重労働だ。僕は一体、何をやっているんだろう。

暇だから屋上がどんな感じか見に行くだけのつもりだったのに。

 

やっと屋上に着いた。風が心地良い。だけどまだ冬の冷たさが残る。

椅子に腰を下ろして、青い絵の具をパレットに出した。それを水で薄めて筆につける。

そして思い切ってキャンバスの端から端に青い線を引いた。

今日の空は雲一つない快晴だ。遠くに見える海もきらめいている。気分爽快。

 

だが調子に乗ってキャンバスに青を塗りたくろうとした時、午後の授業が始まる前の予鈴が鳴った。

僕は仕方なくパレットと筆を椅子の上に置き、急いで教室へと戻った。



初投稿です。よろしくお願いします。どうか大目に見てやってください。

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