雨の日にはGood
掲載日:2026/09/16
SNSの画面越しに無数の情報や「いいね」が行き交う一方で、身近なぬくもりから取り残されていく都市生活者の切実な孤独を描いた詩です。
デジタルな繋がりの豊かさと現実の孤立感とのギャップ、そして冷たい雨の中で抱える心の重さを静かに浮かび上がらせています。
雨の日にはgood
傘をたたむ動作だけが上手くなって
濡れた肩を誰も抱きしめてはくれない
スマートフォンの画面を滑る指先は
世界中の哀しみをなぞれるのに
隣にいる人の溜息さえ拾えない
灰色の空が落とすしずくは
アスファルトの傷を覆い隠すけれど
僕たちの冷えた心の温度までは
上げてはくれない
それでも液晶の向こうで
誰かが機械的に「いいね」をくれる
乾かない服の重さに耐えながら
僕は今日も、嘘みたいに青い親指のボタンを押す
雨の日には、good
画面の向こうにある「いいね」の青さに温もりを求めながらも、濡れた服の重みと冷え切った心に佇む現代の孤独を描きました。誰かと繋がっている感覚と目の前の現実との間にある小さな隙間に、そっと寄り添う詩になっていれば幸いです。




