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2022年から2023年までの詩集

作者: 小池竜太

発表、遅かったね。ごめんなさい。

ブルーの瞳のあなたと共に



ブルーの瞳のあなたと共に

僕は行きたい、新しい国へ

ブルーの瞳のあなたを抱いて

僕はささげたい、美しい詩を



美しいあなた、永遠のあなた

あなたは僕に何を話して

どうやって僕を喜ばせてくれるだろう?

けれどそれらも過ぎていく



やはり僕は

一人でヴェルレーヌ詩集を読んで

窓の外の風景を

さびしい街並みを見ているのが好きだ


ほんとに青いあなたの瞳

そこに何がこれから映るだろう

分かれても僕を忘れないでいて

そうしていつかの再会に

またおいしいシャンパンを開けよう




きりぎりすが鳴いている



きりぎりすが鳴いている

僕は静かに河原を歩く

風が冷たく吹いている

どうして涙が出ないのだろう


愛する人が死んでも

僕は泣くこともできない

鉄の心臓は、金属の血を流して

乾いた音を立てる

ティナ、君は死んでしまった



君が死んでも、空は青くて

君が死んでも、海は緑で

僕は君が守れなかった

神よ、彼女に平穏を

どうか彼女に幸福を分けてあげて下さい



永劫の責め苦の中で

僕はひたすら生き続け

ほんの少しの幸福を目当てに

僕はまだ呼吸しつづけている



僕も君も苦労してきた

この世のことは全て、報われる

君も天国で報われるだろう


ティナ、どうか平和に

穏やかな日々を過ごしてください

僕はまだもう少し、地上で詩を書きます。

それが僕の使命です

それだけが、それだけが僕に出来ることです


僕はまだ生きて、

この人間喜劇の中で生き続けて

沢山の美しい詩を書こうと思います。







アフリカの空

東京の空

ルーブルの空

空はどこででも人と共にある


曇った空は不安を映し出す

晴れた青空は希望を映し出す


空はいつでもそこにある

君や僕やみんなの頭上に


君が空を好きじゃなくても

空はいつだって君と共にある


ごらん、美しい青空を

昔から人間が耕して

守ってきたこの青空

この空を僕らも子孫に贈ろう


地球よ、永遠に・・・・



いつ見ても君は美しい



いつ見ても君は美しい

いつ見ても僕の気に入る

いつだって僕は君を見てきた

いつだって好きだった


いつの頃だろう

僕と君が出会ったのは


僕が君に声を掛けた

僕は初めて会った時から・・・・

君に夢中で

なかなか君は僕を受け入れてくれなかった


けれどいつの間にか

僕は君と恋仲になった



恋のが燃え上がり

夏はあっという間に過ぎた

美しい君、永遠の君

君とこうしていつまでも・・・・



けれどその季節は過ぎ去り

僕は君と出会わなくなった

そうして凍るような夜を

僕は一人で巡り歩いた

ずっとずっと歩いて行った


いつかは氷は解ける

また君は帰ってくる

輝く時間の先でまた君に言おう

僕は君が好きだ、と







鴎が空を飛んでいる

ほら、一かたまりで飛んでいる


旅の道連れができるのは

一体いつになるのだろう?


あの美しい空の青

あの美しい海の波

僕らが焦がれた青空は

もうはっきりと近くに見える


君も僕も本当に

長い旅路を歩いたね

あともう少しで楽になる

あともう少しでいい旅になる



動物は殺されなくなり

小便も出なくなる

アリもはこべらになる


永遠の旅は果てしなくて

どこまで行って遠くて・・・・

でもそんな旅も楽になれば・・・・・

沢山の人が喜ぶだろう

沢山の人が感謝を伝えるだろう・・・・




花束



花束を受け取ってくれるだろうか?

僕から受け取ってくれるだろうか?


君にだけ受け取ってほしい

君だけを愛している

ティナ 君は苦労してきたね


このバラをごらん

君にだけふさわしく

君にだけ顔を向ける

このバラをごらん



君はいつまでも美しい

この暗い世界の中で

君だけがきらびやかだ


君と僕とはあまり関係がないけれど

僕は君のことをよく知っている

けれど君と僕が交わることはないだろう

線と線は交わらず

いつまでも平行線のままだろう


世の中がよく変わったら

ひょっとして君と僕が会うこともあるのかもしれない

けれどそれはイフの話・・・・・



君は相変わらず映画に出るし

僕は相変わらず詩を書き続けるだろう・・・・

青空が覗いている



青空が覗いている

病室の窓から外を見ていると

切り取られた半透明な青空が

申し訳なさそうにこっそりと覗いている


僕はいつまで生きるだろう

いつまでも生きていくこの命

ずっとずっとつづいていく


ふと昔のことを思う

昔は何もかも未熟で

みんな顔も悪く

ご飯も美味しくなく

誰も彼も弱かった


月が雲から覗いている

今夜の月はいつもより紅い

平和はいつになったらやってくるだろう

いつになってもやってこない


きっと僕が少しずつこの星を

治してなんとかやっていくのだろう・・・



偉大な仕事



芸術は偉大な仕事だ

芸術は多くの人々を感動させる

芸術は魂を飛翔させる


僕は芸術家になりたい

魂を高揚させる

そんな偉大な仕事をしたい


永遠の美

僕はそれを創造したい

永遠のイデア

僕はそれに奉仕したい


君らもそれを見るだろう

君らもきっとそれを見て

多くの感動に震えるだろう・・・・





いつまでもずっと




いつまでもずっと生きていく

いつまでもずっと地球で

いつまでもずっとこの街で

君や彼女やと暮らしていく


僕にお金はないけれど

夢はいっぱい持っている

優しさがあれば

ほら、きっと幸せになれる


ずいぶんひどく暮らしてきたね

どしゃぶりの雨の中を

毎日一人きりで歩き

僕は大人になった


子供の頃はもっと僕は

わがままで人に冷たく

暮らしてきた



すっかり大人になった僕は

君らにもっと優しくしたい

そう強く思い

青空の下を

涼しい顔して走っていく

みんないつかは幸福に




あなたに



あなたに会いたい一心で

僕はずっと生きている

N、君に会いたい

早く会いたい

君に会ってこの腕で

君の体を抱きしめたい


そうすれば僕はどんなに

どんなに幸せだろう

君に会えたら

この目で君の目を

見つめられたら

君に早く会いたい


君はどうしていることか

どこか他の宇宙で

のんきに暮らしているのだろうか?

君が幸せでいられるように

僕はずっと祈っている


じゃあね、また会おう

あの空の星が落ちる頃には

僕は君に会っている

また幕が開く

君は今度はどんな顔して

どんな演技をすることだろう




悲しい歌



悲しい歌を聞いていれば

こころは強く打たれるだろう

青空の下に立っていれば

悲しいこころもほぐれてくる


どんなに僕が強くとも

苦しい時には僕は泣く

そうして美しい歌を一人聞いて

優しい思い出をそっと振り返る


だから君がどんなに辛くても

美しい歌を聴いていて

そうしてこころは解きほぐれて

また新しい一日が始まる


君達が楽しく暮らせるように

僕もいずれ歌を作ろう


美しい海の波



美しい海の波

古代から、僕らの先祖の代から

僕らは海を崇めてきた


海が僕らを悲しくさせるのも

さびしくさせるのも

結局僕ら人間が悪いからに他ならない


美しい海の波

永遠の砂浜

僕らの夢見た青い海は

もうはっきりと近くに見える


僕は時々夢を見る

悲しい過去のかつての夢を

僕は時々海に行く

苦しい過去を後悔しに


かつては僕も恋をした

ミューズのような美しいひと

けれどその人は僕を拒絶した

とても激しい拒絶だった


僕は悲しく浜に行き

駄目な自分をひたすらなじり

美しい彼女の肉体を想った


男は辛い宿命さ

ひたすら女に振られた僕は

やがて大人になるのだろう

やがて男になるのだろう

美しい青空だ




美しい青空だ

ほんとに青い青空だ


空は誰が発明したのだろう?

きっと昔の偉い人が作ったに違いない

僕は空が好きでいくつもの空の詩を書いた

永遠の空の詩を書いた

けれどそれも無駄かもしれない

僕の書いた詩は、未来でも誰も見向きしなくて

僕は詩人として埋もれてしまうのかもしれない



けれどそれでも粘って

僕は詩を書いていく

永遠の詩を書いていく


永遠について歌ったあのフランスの詩人は残ったけれど

彼も生前は無名だった

僕もまだ無名だ


きれいな詩をこれからも書いていきたい

きれいな歌をこれからも詠いたい


きっと君は僕の詩を読んで

やさしく感想を言ってくれるだろう

本当に優しい君達はきっと僕の詩を支持してくれる


だから僕はこれからも詩を書き続けよう

これからも詩を詠みつづけよう・・・・







僕はどんなに打ちのめされようと

決してあきらめない

どんなに負けようとも

決して放棄しない



どんなに負けても

それが人生だ

どんなに勝っても

それも人生だ


時計の中の黄金は

炒っても決して滅びはしない

永遠に時を巻き続ける


僕もそうして生きる

そうして君も・・・・

そうして生きるだろう・・・・







花よ




かんばしく咲く花よ

君たちは本当に素晴らしい

とりとめのない空から

翼を持って

やって来る者たち・・・・・


僕は君が大好きだ

花たちよ

君たちは本当に・・・・

本当に美しい・・・


多くの物事から

美しさを学ぶ者たちよ

君達は時の流れを知るか・・・


美しいこの空で

たった一つ確かなことがある


光、強い光

それを僕はずいぶん前から

ずっとずっと求めている


また一緒にこの星を散策しよう

おお、永遠の光よ

金色の光よ

僕にどうか祝福を・・・・




航海



一人航海に出てみれば

世界は広く、街は遠く

ふとたどり着いた海の青さに驚かせられる


ウミネコがあちこちに飛んでいる

次に行くのはどこの港か

そこで僕は誰に出会うだろう・・・・

何が僕を待っているのだろう


海を一人で見ていると

人の歩んだ道を想う


遠くどこまでも遠く

僕は行こう

見果てぬ土地へ

知らない誰かに会いに

ずっとこの航海を続けていこう





ずっと君を見てきた



ずっと君を見てきた

ずっと君を好きだった

ずっと君と一緒だった


君と一緒に居たころは

毎日がずっと楽しくて

空が毎日青くて

地球に居て良かったと

毎日しみじみ思ったものだった


けれど嵐がやってきた

僕と君は固く結びついていたのに

やがて散り散りになってしまった


君はどうしているだろう

風の噂に君が地獄に居ると聞いた

そんな悲しいニュースのせいで

僕はひどく泣いていた


僕の命は長くつづく

君は短命だったけれど

僕はこの先たった一人で

ずっと長く険しい道を

ひたすらひたすら歩いていく


いつかは君に会えるだろう

孤独な創造主はいつか

愛しい自分の道連れに出会う




悲しい歌が鳴っていた



悲しい歌が鳴っていた

辺りは緑でいっぱいで

ほととぎすが時々鳴いている


悲しい歌がさえずっていた

僕は悲しく時を創る

時は寂しく鳴っている


重い重い悲しみよ

お前の作る青空は暗い

どこまで行っても重い青で

僕のこころを暗くさせる


悲しい気持ちになっていた

辺りは歌でいっぱいで

僕は悲しく鋸を引く


また時詠みがさえずることもあろう

その時には永遠よ

お前の重い翼で思う存分飛んでみたい


お前の広い翼で

あの青い空を

思う存分・・・・・飛んでみたい


僕は苦しく空を想う

悲しい空には煤煙が

遠く悲しく流れている


また明日も青空が見られる

また明日も白い雲が見られる


永遠の先の先よ

僕に優しい言葉を掛けてくれ

そうしたら僕は詩を書こう

もっといい詩をいっぱい書こう・・・・













これからも僕は



これからも僕は・・・・・

詩を書いて暮らすだろう

これからも僕は・・・・・

何か新しいことにチャレンジする


若い頃から詩を書いて

こうして一人で暮らしてた

若い頃は辛かった

いっつも女に振られてた


見えない糸が詩と僕を繋いでいる

見えない絆が詩と僕の間にある


これからも詩を書くだろう

これからも詩を書いて

美しい歌を奏でて

見えない糸を紡いで

運命に従って

詩を書いて暮らすだろう


美しい琴




美しい琴があった

いつも上手な演奏者に弾かれていた

琴はいつも手入れされていた

演奏者は琴を大事に使っていた


ある日演奏者は琴を他人に譲った。

そうして演奏も止めてしまった

琴はそれが悲しくて・・・・

次の演奏者の元ではあまりいい音を出さなくなった。

そうして演奏者は怒った

彼は琴を捨ててしまった

琴は何も感じなかった

そうして雑貨屋の片隅でひっそり寂しく生きていた


それから三十年がたった

ある人が琴を買った。

琴がその人の家に附いていくと

以前の主人の写真を見つけた

その人は以前の主人の息子さんだったのだ

琴はそれが嬉しくて、またいい音を出すようになった

息子さんは琴が上手くて、何度も演奏会を開いた

琴は再び居場所を見つけた




僕らは・・・・



僕は三十六になった

君はやっと十七になった

僕は酷く年を取った気がした

君はまだまだ年を経てない


僕はやっとギターを習い始めた

君はまだ歌を歌っている

僕らはずっと出会わない

けれどいつかは出会うだろう

君の瞳と僕の瞳が出会い、話をし

恋をする。

きっとそんな夢のような日が来るだろう

そんな楽しい日がきっと来るだろう



ある日の酒




ある日、僕は隣町まで行った

人込みの中を歩いて

行きつけの飲み屋へと

たった一人で入って行った


飲み屋にはいろいろある

僕はじゃがバターと

軟骨唐揚げが大好きだった


時間を忘れて一人飲む

僕の人生の楽しいひと時

僕は酒が大好きだ


酒を飲みながら

僕は音楽を聴く

モーニング娘を聴いていたのは

もうずっと前のことだ


それでも僕は後藤真希を聴く

それは親しみやすい音楽

酔いが回るとちょうどいい


僕もよく昔は女の子に

話しかけては振られていた

いまでは僕も36

振られた話もいくつもある


ほんとに青い貴女の瞳

あなただけが僕に優しく

あなただけが僕に暖かく

接してきれいに笑っていた


また君に手紙を書こう

僕の永遠の恋人よ

また僕の詩を読んで


そこにあなたは何を見出す?

そこにあなたは何を見つける?


それは拙い僕の告白と

永遠の二文字だろう・・・・・・






愛はどこまで届くだろうか?

人のこころの奥底まで?

それとも表面を滑り落ちてしまうだろうか?


愛なくして人は生きれない

植物も水なしでは生きられないように

僕ら人間も愛なしでは枯れてしまう


愛は尊い

愛は偉大だ

君にも愛する人が居る?

僕にも愛する人が居る。

その人無しでは僕はさびしい

きっとその人がいなくなったら僕は

とても寂しい想いをするだろう


愛を失くした恋人は

一人失意の想いに沈む

そこに天使がやってきて・・・・

きっとその人に優しく接してくれるだろう

きっと世界は愛によって救われるだろう・・・・




川はやるせなく流れる




川はやるせなく流れている

永久の幸福とは、こんなことを言うのだろうか・・・・・



俺は眼が見えなくなってから

ますます美を見えるようになってきた



風が吹いている

どこかで時計が時を作っている


青ざめた顔をした男が着て俺にこう言う

「最後の瞬間、あなたは眠るように息を引き取る」


青空がいつものように照っている


やがて夜がやってきて

月が美しく照り染める


まだ誰も封をきっていない手紙を女が手にして

誰かの湖に流す


海はいずれやって来るだろう

泉もいずれやって来るだろう・・・・




今日の空は



今日の空は曇っている

あなたはさびしく笑いだす

今日の空はさびれている

あなたはやさしく話し出す


光が辺りに溢れている

川がやさしく流れだし

僕はのんきに口を開けて

悲しくあなたを迎えだす


空はやさしく照っている

昨日見ていた青空は

もっときれいな青だった


時はひどくゆっくり流れる

カフェで二時間、時間をつぶし

夕暮れの街で共に会おう


君と見ていた青空が

ほんとにきれいな空だった

もっと君とたくさんの

やさしい思い出作りたい・・・・・






あなたは



あなたは本当に美しい、きれいな青い目をしている

青空もその瞳には勝てない

湖よりも澄んで、

海よりも深く

あなたはやさしく笑っている


悲しいことがあると、あなたの瞳は一層美しくなる

苦しいことがあると、あなたの瞳は一際深くなる


僕とずっと一緒に居てくれると

本当にそう思っていた

けれどそんなあなたも

いずれはここを去ってしまう


それを想うと僕は悲しい

それを想うと僕は苦しい

きれいな青い目の少女は

茶色の目をした詩人を愛している


地球もいつかは滅ぶだろう

けれど美しいあなたと僕との記憶は

星よりも長く

この宇宙に残るだろう







もうすぐ春が



もうすぐ春がやってくる

あの憂鬱な春が・・・・やってくる

そうして憂鬱な桜が咲く

桜には僕、様々な思い出がある

入学する時に見た・・・・あの美しい桜

学生時代に車の中から見た若い葉桜

みんなと騒いだ花見の桜



悲しいことがあると

僕は多摩川に来る

冬の多摩川はさみしそうに

ちょろちょろちょろちょろ流れている

水も冷たい

地球には四季があって

様々な思い出に様々な季節が重なって


もうあと何か月経てば

僕は創造主になれるだろうか?

女の子に会えるようになるだろうか?


けれどいつかその時が来て

永遠の瞳の君に

また僕は口づけるだろう・・・・








あなたを愛でる




美しいあなたの声

みずみずしい器量よしの

あなたの顔


僕はあなたを愛でる

僕とあなたのベッドで

あなたの乳房が

僕の自身にあたる

少しあなたは恥ずかしそうに

僕の自身に奉仕をする


永遠とも思える美しい日々

それらの日々の中で

僕はあなたとよく交わり

話をし、あなたを愛でる


これらの日々もいつかは終わる

けれどこれらの日々は一瞬だから美しい

それらの日々は僕を癒し

僕にはかない思い出を与えてくれる・・・・











前に君に




前に君に言ったっけ

前にも僕には好きな人が居たことを

その人は見目麗しく魅力的で

君とは違いおっとりとした人だった


今では時が経っていても

彼女のことを覚えている

晴れた日にはよく僕は彼女と街を歩いたっけ

寂しい時にはよく彼女はやさしく僕に話しかけてくれた

やさしい彼女の瞳を今も僕は覚えている


美しかった彼女

優しかった彼女

でも僕らにも最後の時がやってきた


僕は彼女を別の人に嫁がせた

そうしてきれいさっぱり忘れようとした

でも時がたった今

僕は彼女を懐かしく思い出す


彼女は今頃どうしているだろう

永遠などなくても

僕は彼女と永遠を味わった


君とも別れる日が来るだろう

でもその頃には君とも

沢山の思い出が

この胸に詰まっているだろう


きっとそう二人は別々になっても生きていける


可憐な花



可憐な花が咲いている

T ちょうど君のように

これほど人を好きになったのは

僕の生涯で二度目のことだ

前はNが好きだった

人を好きになったからには

悲しいことが再びある

T 僕は君が好きになった

幸い君も僕を気に入ってくれて

二人は仲良くこの星で生きる


二人が出会ったからには

最良の幸せがある

僕は君に奉仕しつづけるし

君も僕に奉仕しつづける


いつか君とも別れるだろう

人と人は出会っては別れてを繰り返す

いつか君と別れても

再び君と出会うだろう


僕らはきっと永遠に

そんなことを繰り返す

美しい日には君と散歩に行こう

悲しい日には君と雨に打たれよう


きっと地球はいい星になる

僕らの自慢の星で

神は歯車を回すし

僕は君と幸せになる



美しい花



美しい花があった

ただ道端でひっそりと

上を向いて咲いていた


僕はその花を摘んだりせず

ただじっと眺めていた

あくる日、その場所に行ってみたら

その花は摘まれていた


なんのせいか知らず

僕は悲しく

とぼとぼ家への道を

帰って行った


美しい花よ

君もまた不幸に生きたまわん

僕も君も優しい人に

いつかめぐり会い

楽しく語り合うこともあるだろう


美しい花よ、ありがとう

君を見れて僕はよかった








夕焼けがやって来て



夕焼けがやって来て

辺りをオレンジに染める


君と別れてしまってから

もう五年の月日が流れている


始めて君に会った時

僕の胸はときめいた

それから楽しい数年間が

流星のようにやって来て

僕は過去を振り返る



永遠の言葉を僕は並べようと

するのだけれど

君はそれを笑う

なんて眩しい笑顔だろう

なんて優しい笑顔だろう


一人きりでは人は寂しい

この世を生きて生き抜くには

僕には誰かが必要だった


湖の精のような君に

出会えて僕は幸運だった







淋しい僕は



淋しい僕は砂浜に

行って彼女の名前を書いた

波はゆっくり打ち寄せる

彼女の名前も消えてしまった


貝殻を一つ拾い

僕は浜辺を後にする

車に乗って、いつもの匂い

車は家路をのんびり走る


よくヴェルレーヌやランボーの詩を読んで

うっとりしたり恍惚に浸ったりした

かつての僕の青春は

苦いレモネードの味がした



恋に恋が重なり

眠れぬ夜を抱いて

深夜に車を走らせたり

煙草を吸ったりもした


神よ見えないか

一人して詩を書く僕を

僕は最後にいい詩を書いて

貝殻を握って眠りたい


空の青、海の青

画家は最後にいい絵を描いて

一人きりで死んでゆく


かつての花も僕を祝福するだろう

N 君もかつての笑顔で

僕を抱いてくれるだろう





この世で一番美しい人に



この世で一番美しい人に

かつて僕は会っていた

N 君が今懐かしい

君との思い出はなぜか僕に

きれいな海を想わせる


遠い青空を眺めて

今の僕は夢想に耽る

N 君がひどく懐かしい

君が去ってしまった今でも

僕は時折君を思い出す


けれども若い頃の僕は

その日々が永遠だと思っていた

その日々が永久だと思っていた

N 君は去ってしまった

そのことがひどく僕を苦しませる


大空を飛ぶ鳥なんかは

いつも美しい自然や空の中にいて

一人きりでも逞しく飛んでいる


道端に居る虫なんかも

仲間と共に毎日働いて

表で恋なんかはしたりしない


けれど僕は君に恋をした

N 美しい君に・・・・


死神が僕を待っている

やさしくその手を振って待っている

僕もすぐに死ぬだろう

けれど君との思い出は永久に

僕の胸に刻まれるだろう







永遠に咲く花か

ずっと長く咲く花か

僕はあなたのことが好きだ

大好きだ


谷間に可憐に咲く花か

あの緑の丘に咲く花か

僕はあなたに恋してる

ずっとずっと恋してる


あなたは僕なんか好きじゃないけど

あなたは僕なんか好みじゃないけど

僕はあなたに恋をした

それが幸か不幸か分からなかったが

きっとそれは僕にとって幸運で

僕の人生でも特筆すべき特別な時だったろう


僕は一人で詩を書いている

僕はあなたの為に詩を書いている


この世界は素晴らしい

この世界で人は生き、恋をし、愛を確かめ合い

そうして死んでゆく


僕はずっと願うだろう

君が幸福であってほしいと

君がきっといつの日にか僕の詩を読んで

僕と手を取ってくれるであろうことを・・・・・




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