第8話
ついに――魔王城が見えてきた。
黒い塔が連なるその姿は、どこか不気味でありながら、ポナはどこか“懐かしさ”を感じた。
(帰ってきた......!!)
ポナはちょこちょこと駆け足になり、城門を抜けた。
「「「おい!! どこ行くんだ!!!」」」
後ろから、三人が声をそろえてポナを呼んだ。
しかし、ポナは振り返らず、迷いのない足取りで大広間へ向かった。
その先に――魔王はいた。
高い背。黒色の髪と深い闇色のマント。
鋭さと優しさを同時に宿すその青い瞳。
ポナはもう我慢できなかった。
「クゥゥーーーーッ!!」
嬉しさのあまり、ポナは一直線に魔王へ飛びついた。
魔王デュンケルハイトは、驚いたように目を見開き、次の瞬間、柔らかな声でつぶやいた。
「……ポナ、か?」
その声には、確かな喜びが滲んでいた。
背後で、リヒトとジュルがぽかんと口を開ける。
「……ねえ、ジュル。今、魔王が……この子の名前を呼んだ?」
「呼んだな……“ポナ”って……」
「魔王、この子の名前ってポナだったんですか?」
リヒトは思わず声を上げた。
魔王はポナを抱きとめたまま、二人へ静かに告げる。
「そうだ。この子は……かつて私が飼ってたペットの生まれ変わりだ。」
ポナの胸は、懐かしさと誇らしさでいっぱいになった。
――ようやく、魔王に会えたんだ。
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