第18話 最終話
世界に平和が戻ってから数週間後。
王都では、戦争の終結と真実の発表、そして平和の再建を祝うパレードが開催されることになった。
街には色とりどりの旗が掲げられ、人々の表情には久しく見なかった笑顔が戻っていた。
パレードの中央を進むのは――デュンケルハイトとポナ、そしてリヒトとジュル。
「わぁ……魔王さまだ……!」
「怖くない……むしろ、優しそうだ。」
「ポナちゃんかわいいー!!」
子どもたちがポナに手を振ると、ポナは誇らしげに胸を張って
「クゥ♪」
と鳴き返した。
デュンケルハイトは照れくさそうに腕を組んでいたが、横目でポナを見下ろし、小さくため息をつく。
「……まったく。お前はどこへ行っても人気者だな。」
リヒトが笑う。
「デュンケルハイトさん、今日は“魔王”ではなく、世界を救った英雄なんですよ。もっと胸を張ってください!」
ジュルも肩をすくめた。
「そうだぞ。むしろ“魔王が人間たちのパレードに参加する”ってだけで歴史的なんだからな。」
デュンケルハイトはわずかに目を細めた。
「ふむ……しかし、慣れぬものだ。」
パレードは歓声に包まれながら進み、その日の王都は祝祭の音で満ち溢れた。
――
パレードが終わったあと。
デュンケルハイトとポナは、魔王城へ戻ることにした。
「……ポナは、また私と一緒に暮らしたいか?」
「クゥッ!」
ポナが迷いなくしっぽを振ると、デュンケルハイトは微笑んだ。
「そうか。では……一緒に帰ろうか。」
こうしてデュンケルハイトは、またポナと一緒に暮らすこととなった。
「それなら、これからはもっと気軽に魔王城に行けますね!」
リヒトは嬉しそうに言った。
ジュルは笑って手を挙げる。
「おっ!最高じゃないか!じゃあ、毎日会いに行くからな。」
デュンケルハイトは少しだけ照れたように視線をそらした。
「……騒がしい連中だ。」
しかし、その声はどこか柔らかい。
デュンケルハイトはポナを以前より甘やかし過ぎて側近のナットに叱られたり、
夜になるとポナと一緒に静かな星空を眺めた。
穏やかな、平和そのものの時間。
デュンケルハイトはふとつぶやく。
「……悪くない。こうして誰も争わぬ世界を見るのは。」
ポナが肩に乗って鳴く。
「クゥ♪」
その声はまるで
“これからもずっと一緒だよ”
と告げているようだった。
デュンケルハイトは、そっとポナの頭を撫でる。
「ああ。お前と共に生きよう。」
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