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第17話

戦争が終わり、戦場の静寂が戻ったあと。

王国は急ぎ使者を送り、世界中の国々の代表を集める会議を開いた。


巨大な円卓の中心には、デュンケルハイト、リヒト、ジュル、そしてポナが立っていた。


会場はすでにざわついている。


「魔王が……人間の会議に姿を見せるとは……」

「本当に味方なのか?」

「聞いていた話と違いすぎるな……」


リヒトが一歩前に出て声を張った。


「静粛にしてください!今日、皆さんに集まっていただいたのは、ここ数年の“魔物の被害の拡大”に関する事実をお伝えするためです。」


再びざわめきが広がる。


リヒトは深呼吸し、堂々と語り始めた。


「まずお伝えしたいのは、今回の戦争は国同士の対立によるものではなく、“悪魔によって仕組まれたもの”だったという事実です。」


会場中がどよめいた。


「まさか……」

「証拠はあるのか?」


ジュルが前に進み、鋭い目で代表たちを見渡した。


「我々は戦場で見た。怨念から魔物を生み出し、人々の憎しみを増幅して戦争を引き起こしていた悪魔の姿を。」


続いて、デュンケルハイトがゆっくりと立ち上がった。

その威圧感に、場が一瞬で静まり返る。


「私は“魔王”と呼ばれてきた。だが、世界を滅ぼそうなどと考えたことは一度たりともない。」


人々の視線が魔王へと集まる。


「私の役目は、世界の均衡を保つこと。怨念から生まれる魔物を抑え、世界が壊れるのを防ぐことだった。」


重い沈黙が落ちる。

しかし、デュンケルハイトは続ける。


「だがここ数年、魔物が急増した。それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ためだ。」


リヒトが頷きながら言葉を継いだ。


「ポナたちの協力で悪魔は消滅しました。しかし残された憎しみや誤解は、そのままにすれば再び争いを生みます。」


そこで、ポナが前に出た。


「クゥッ!」


その声と同時に、ポナの身体がふわりと光を放つ。

会議場の空気が一瞬で暖かくなり、聞く人々の心のざらつきが溶けていくようだった。


「この子……心が軽く……」

「なんだ……この優しい感じは……」


リヒトは微笑んだ。


「どうか、落ち着いて真実を受け止めてください。」


デュンケルハイトが締めくくる。


「悪魔はもういない。これ以上、争う理由も憎しみも、世界には必要ない。……我々は、新しい時代を始めなければならない。」


会議場には静かな拍手が広がり、それはやがて大きな波へと変わっていった。


「……争いなどやめだ。」

「新しい条約を結ぶべきだ。」

「憎しみではなく、平和を。」


ポナはデュンケルハイトの足元ですり寄り、誇らしげに鳴いた。


「クゥ……♪」


こうして世界は、ようやく“真実”を知り、次の時代へと歩き出すこととなった。

読んでいただきありがとうございます。

次回、最終話です。

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