第14話
あと一歩で闇に飲み込まれそうになっていたポナ。
しかし、三人の必死の叫びが、ポナの心の奥にかすかに残っていた光を揺らし、闇の支配にひびを入れた。
「「「……ポ……ナ……」」」
三人の震える声が届く。
ポナの胸の奥で、何かがちいさく“ぽん”と弾けたように感じた。
――ここにいる。たすけて。
微弱な光がポナの身体の中心から広がり、悪魔が苛立ったように舌打ちする。
「しつこい……! ならば完全に消してやる!」
悪魔が闇の力を強めた瞬間――
デュンケルハイトが闇の鎖を切り裂きながら立ち上がる。
「ポナを……返せッ!!」
ジュルもすぐに駆け寄り、リヒトと共にポナの手を握った。
「ポナ、帰ろう……!」
「大丈夫、私たちがいる!」
三人の魔力と想いが重なり、ポナを包む闇が音もなく砕け散った。
「……クゥ……!?」
ポナの瞳に、ふたたび柔らかな光が戻る。
助かった――その瞬間、悪魔が怒りの咆哮をあげた。
「黙れ……黙れェ!!貴様らの絆など、私の前では無力だ!!――だがいい、もはやそのコは用済みだ。貴様らまとめて、ここで滅ぼしてやる!」
悪魔の背後から、空間が黒く裂け、巨大な怨念の渦が生まれる。
今までにない力――まさに最終形態。
デュンケルハイトはポナを抱きかかえ、背後へ下げた。
「ここからは……俺たちがやる。」
ジュルが剣を構え、瞳に強い意志を宿す。
リヒトも杖を握る手を震わせながら、それでも一歩も引かず前に出た。
「悪魔……ポナを苦しめたお前を、絶対に許さない!」
三人が横に並んだその姿を見て、ポナが不安げに「クゥ……」と鳴く。
デュンケルハイトが優しく目を細める。
「大丈夫だ、ポナ。もう離さない。必ず守る。」
そして、三人は同時に駆け出した。
悪魔は闇の渦を広げ、空間そのものを歪めながら迫ってくる。
闇と光、怨念と意思。
すべてが激突する――
読んでいただきありがとうございます。
よろしければ、評価・ブックマーク・コメントよろしくお願いします。




